創造神と謎の男の関係
「やっほー久しぶりー」
「…………」
「あれれ?なんだかノリが悪いぞー」
「お前、創造神なんだから見てただろ?俺はアイツに殺されたんだ」
「え?君は死んでないよ」
「はぁ?そんなわけねーだろ。結界の中で敵が倒れているのになんで殺さないんだよ」
「さあ?そんなこと僕が知るわけないじゃん」
イラっとする。久々に会ったけどやっぱりムカつくわ。
「……そうか、俺は生きているのか。今、それはどうでもいい。それより、アランさんは ルーシェは ラミアは無事なのか?」
「んーー いや、死んだみたいだよ。あの後破壊神が結界を壊して殺していた」
「………ッ」
「まあ冗談なんだけどね。三人とも生きているよ♪」
「お前、本当に殺してやろうか、今冗談を言う時じゃねぇだろ」
「ゴメンね そんなに睨んじゃいや」
キモくてイラっとするがスルーだ。また創造神のペースにのまれかけているぞ。
俺は創造神を罵倒するのを必死に耐える。
「あいつの正体は破壊神……破壊神が俺の両親を殺したのか」
「あれ?思ったより冷静だね。いっがーい もっと泣き叫ぶタイプかと思ってた」
「冷静なわけないだろ。俺の両親を殺した破壊神を今すぐぶっ殺してやりたい。けど、いくら喚いたって今の俺には何もすることが出来ない。一体どうすればいいんだ?なぁ教えてくれよ…創造神なんだろ?」
「いーーや」
「………そうか、かっこ良くて 心も広くて 五大神が束となっても敵わない偉大な創造神様なら教えてくれると思ったんだけどな」
「しょうがないなーーそこまで本当のことを言われたら教えないわけにはいかないよ」
………創造神チョロすぎだろ
「妹と世界を旅をして世界各地で様々なことを学んでくる。そして数年後に人界に戻ってくるのが一番いいよ」
「ルーシェは連れて行ったら駄目なのか?」
「足手まといを二人連れて生き延びる自信があるならいいけど……まあその場合はどちらかが絶対に死んじゃうねー」
創造神の言う通り俺には二人を守れる力はない。
「……わかった」
「おやおやー やけに聞き分けがいいね。どうしたのかな?」
ニヤニヤしながら創造神が言う
「こんな状況なんだ。神にすがるしかねーだろ」
「うんうん。素直なことはいいことだよ♪けど……他の世界に行くには旅の扉を通らなきゃいけない。それには人神の許可が必要なんだ」
「人神って言うと、一度首都まで行かなければならないな」
「そうそう。だから明日、首都まで送ってあげるよ」
「どういう風の吹き回しだ?なんでお前は俺に協力的なんだ?」
「んーー 面白いから。君の行動は予測出来なくて面白いんだ」
「それともう一つ、何故俺の封印を解いたんだ?」
「うーーん、まだ解除しないつもりだったんだけど、状況が状況だったからね。さっきも言った通り面白い君には死んで欲しく無いんだ」
なんだかバカにされているように感じるが、まあいいか。
「ほら、そんなことはどうでもいいから早く無事だったことを伝えてきなよ。三人ともアランの家にいるから」
「わかった」
「あ、明日午前六時に草原に来て。その時誰にもばれずに出て来てね。色々と面倒な事になるから。彼女とアランには手紙を書き置きすること」
「……色々とありがとうな」
「どういたしまして」
そうして俺は意識を手放した。
彼が見えなくなった瞬間、僕はもう耐えることは出来なかった。
「あはははは、あー彼は面白いなーー」
ありがとうって言ったよこの僕に……
「破壊神をぶっ殺す?無理に決まってんじゃん。だって破壊神は僕だよ」
僕が気まぐれで国を滅ぼしていたら、いつの間にか破壊神という一名がついた。
まあ、僕の本当の正体を知る者はいないけど。その時、僕は零とも呼ばれていた。まあ昔の話だ エネルギーを使い過ぎてしばらくは動けないだろう。
「けど驚いたなぁ」
僕が施した封印を無意識のうちに解いていた。剣神と賢帝とはもう少し遊びながら戦いたかったのだが、加勢されていたら流石に危なかったので、楽しむ暇無く殺してしまったのだ。
それに、彼が作った結界を壊すのには時間がかかった。彼が成長したらどうなるのか楽しみだ
「まあせいぜい僕の手のひらの上で踊っておいてくれ」
創造神は彼の将来の事を考えながらニヤリと笑った。




