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部屋からの旅立ち《修正版》

お久しぶりです。

無事大学生になり、再開する事になりましたが、長い間更新出来ていなかったので、内容を忘れてしまっている人が殆んどだと思います。

なので、これを機会に一から修正していくつもりです。

元があるので更新が遅くなると言うことは無いとは思いますが、大学が始まったばかりで忙しいので、遅れる可能性もあると言うことはご承知下さい。


今後ともよろしくお願いします。

  カタカタカタカタカタカタカタカタ


  暗い部屋に画面の光だけが灯り、終始キーボードを叩く音が部屋に鳴り響く。


  俺(37)童貞は、この暗い部屋に10年以上引きこもっている筋金入りの自宅警備隊だ。


 と言っても特にやることはなく、俺はいつものようにネットの掲示板を荒らしまくっていた。


  相手は俺の挑発に乗り、熱くなっている。

 俺はこの馬鹿で無様な相手をもっと煽ってやろうとして更なる罵倒の言葉を打ち込んでいた───その時いきなりパソコンの電源が落ちる。


「はぁ?なんで電源消えてんだよ?停電か?」


  そう言って外を見るが普通に街灯はついている。停電ではなさそうだ。


「まさか……あのババアがブレーカーを落としたのか?」


  俺は思い当たる限りの原因を考えるが、ほかに説得力のある理由が思いつかない。ため息を吐いて立ち上がり、ブレーカーをつけようとしたその時


  ドンドンドンドン ドンドンドンドン

 とドアが叩かれた。


「な、なんだ!?」


  俺の親は温厚でこんなことをする人ではない。十数年引きこもっているが今までこんなことは一度もなかった。俺は怖くなり急いでベットに潜り込み布団を頭から被ってドアの外の音を聞くために息を潜める。するとドアの外から若い男と中年の男の声が聞こえてきた。


「早く開けろ‼︎ぶっ殺すぞ」


「ひろし、あいつはまだドアを開けねぇのか?」


「へぇすみません。なかなか頑固な奴のようで……」


「……そうか、それじゃあ仕方ねぇから蹴破ってしまえ」


「わかりやした」


  ぶっ殺す?蹴破る?なんだこいつらは……

 親に頼まれたのか?いや、今はそんなことはどうでもいい。とりあえず早く逃げないと…


  バンバンバンバン


  ドアを蹴る音が聞こえてくる。キシキシと悲鳴を上げており、破られるまでもう時間がない。

 はやく逃げなければ…

 そう思うが二階建ての家にある小さな部屋に逃げ場はない。

 飛び降りる度胸も無い俺にはドアが蹴破られるのを待つしかなかった……


  ドォン


 一際大きな音がして十数年間外から開けられることのなかったドアが蹴破られる。


「あ……あぁぁ」


  開かれたドアの前に立っていたのはいかにもヤクザという格好をした男二人組だった。


「くっせぇしきたねえなぁ……なんだよこの部屋」


「うるせぇぞひろし、少し黙れ」


「へぇすみません」


  俺は状況が理解出来なかった。

 いや、俺でなくても理解出来なかっただろう

 人生を思い返したってこの二人組のヤクザと引きこもりの俺なんの接点も無いのだから……


  そのせいだろうか、一周回って冷静になった俺はヤクザに話しかけていた。こんな状況でなければ絶対に出来なかっただろう。いや、まず普通はこんな事ありえないんだから状況もクソもないが。


「ぁの」


 長い時間口を開いていなかった弊害で声が裏返る。やっちまったか?そう思ってチラっと顔を覗うと、ヤクザ二人組は突然しゃべりだした俺を訝しげに見ていた。何かするつもりはないようなのでやり直させてもらうことにする。


「あの、何か用があるのですか?」


「ああ?とぼけてんじゃねぇぞ‼︎」


「ひいっ」


「ひろし黙れ」


「……すみません」


 若い方が謝っている。ざまあみろ。


 そう思って鼻で笑うとギロリという効果音がつきそうな位鋭い目つきで俺を睨んできた。


「お前、親から何も聞いてないのか?」


「……なにをですか?」


「薄情な親だな……」


「わはははは、そりゃそうだ。引きこもりのデブに教える必要なんてあるわけねえしな。……お前は捨てられたんだよ。借金抱えてお前の親はこの家を売った。家具も全てだ」


  俺は信じられなかった。いや、父さんと母さんが俺を捨てたなんて信じたくなかった。



「……嘘だ」


「ああ?」


「嘘だぁぁぁぁ」


  俺は若い男に殴りにかかった……が、かわされ逆に殴られる。脂肪を蓄えた腹に拳が突き刺さり、息が止まる。痛いと感じたのは十数年ぶりで、その痛みにより俺の戦意はバキバキに折られてしまい、後は命乞いをするしかなかった。


「わ、悪かった。許してくれ!頼む!」


「てめえ俺に喧嘩売っといて悪かっただと?言葉遣いに気をつけろ!舐めてんじゃねぇぞ」


  そう言いながら倒れてる俺を蹴ってくる。


  もういいだろ。やめてくれ。


 俺には抵抗する気力すらわかず、丸まりながら若い男が蹴り止めるのを待つしかなかった。


「ひろし、もうやめろ」


「……ちっ」


「おめぇさんもう分かっただろ?おめぇさんの居場所はなくなったんだ。さっさと家から出てってくれねぇか?」


  俺にはもう反抗する気力も無く、かけられたその言葉に力なく頷いた。


処女作、一話から修正中です。

大まかな流れは変わりませんが細かいところや追加描写、年齢などの人物の設定などは変える場合があります。ご了承ください。


本作をより良くしていくために感想、誤字脱字の報告、わかりにくい点、矛盾やおかしい点などがありましたらどんどん書いてください。

ただ、感想を書くにしても批判だけでこの作品の実にならないような感想はおやめください。


また、作者のモチベーションを上げるために評価をしていただければ嬉しいです。


これからもこの作品をよろしくお願いします。


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