第3話 剣士アルスの証言
ひとまず、彼ら一人ずつ、個別に話を聞き、ギルドで、クエストを承諾された日について聞いてみることにしよう。
ギルド側としても、クエストを承諾した日くらいは記録してある。
「エリックギルド長、もう1つ別室を用意し、それぞれのアリバイを確認するのはどうでしょうか?」
「うん。いいね。一回それで整合性を確かめるしかなさそうだ」
私はギルドにある空き部屋、今はほとんど使っていなくて、少し埃っぽい部屋を用意し、こちらのデータと示し合わせることにする。
データによると、ドラゴンの討伐クエストを承諾したのは二日前らしい。担当受付嬢はノノン。黄色い髪の女の子で、天真爛漫を体現したような女の子だ。
彼女が今日出勤していたら、顔を見て事実確認ができたかもだが、今日はお休み。それは無理だった。
まぁ…できないことを悔やんでもしょうがない。一人ずつ事実確認をすることにしよう。
まずは一人目、《竜の舞踏会》のリーダー、剣士アルスから確認することにする。
彼を別室に移動させ、話を聞く。
彼と私の間に机を置き、向かい合わせるように座る。まるで、前いた世界の面接みたいだ。いや…どちらかと言えば取り調べか?
「ゴホッ…ここ埃っぽいね。君は大丈夫?」
アルスは余裕があるのか、私のことを心配をしてくる。
「埃はキツイですが、今は我慢です。今の私たちからすれば、ドラゴンの討伐が一体どこのパーティーよって行われたのか…そちらの解明の方が重要です」
「それもそっか。まぁでも、倒したのは僕たちのパーティーだよ」
「それは今から確認させてもらいます」
私はさっそく、こちらの記録に従い、確認を行う。
「あなた方のパーティーがクエスト承諾されたのはいつですか?」
「僕達がクエストを承諾されたのは二日前だよ」
「担当された受付嬢の特徴は覚えてらっしゃいますか?」
「うーん…たしか、黄色い髪の女の子だったような。とても明るくていい子そうだったよ」
ノノンの特徴と一致するし、間違いはないだろう。
「ちなみに、どんな方法でカブトドラゴンを討伐されたのですか?」
Sランクのクエスト、それにドラゴンの討伐任務となれば、いくらSランクパーティーといえど、非常に苦労したに違いない。
「僕たちのパーティーは剣術にたけているパーティーだからね。ひたすら斬撃を飛ばして倒したよ」
「斬撃?剣士に遠距離技なんて…」
「たしかに、普通ならそう考えるよね。でも僕たちはSランクのパーティーの冒険者。そのレベルになると剣士でも遠距離攻撃くらい簡単さ。パーティーに所属している魔導士は拘束魔法の使い手だし、倒せないなんてことはないよ」
「そうですか…」
「うん。まぁ、実はそれなりには苦労したけど、なんとか倒せたさ。カブトドラゴンは今回の討伐の証拠であるツノで強力な攻撃を繰り出すのが特徴だろ?逆に言えば、そこさえ気にしていれば、そこまで脅威ではないってことさ」
「ひとまず…ありがとうございました。他の方ともお話をさせていただき、判断させていただきます」
「うん。よろしく頼むよ」
アルスは終始余裕の表情を崩さなかった。圧倒的な自信からなのか…。とりあえず、残りの2人からも話を聞かないことには解明できないだろう。




