逃げられない夜
お読みいただきありがとうございます、Avelinアヴェリンです。
今回の第5話「逃げられない夜」では、
玲司の嫉妬と独占欲がついに限界を超えます。
壁際に追い詰められ、甘く、そして支配的に与えられる“お仕置き”――。
純粋なサラを、玲司が自分だけの色に染めていく瞬間をたっぷりと描きました。
4話までを読んでくださった方はもちろん、
ここからさらに二人の関係は深く、
危うくなっていきます。
ぜひ最後までお楽しみください。
バンッ――
背中が壁にあたる音が、やけに近く響いた。
「……れ、玲司さん……?」
「サラ……どうしてほしい?」
灰色の瞳が、まっすぐに私を捉える。
視線だけで、息が苦しくなる。
「……え……?」
「答えて。サラは今、俺に……どうしてほしい?」
低く甘い声が、耳の奥に落ちてくる。
胸が、熱くて痛い。
「……そんな、こと……」
「言えない?」
ふっと唇の端が上がる。
次の瞬間、首筋に温もりが触れた。
「……っ……」
「震えてる。可愛いな……」
ふわりと結ばれた細いリボンに、唇が触れる。
ゆっくり、優しく――解きほぐすように口でほどかれていく。
「……っ……玲司……さん……」
布がするりと肌から離れ、
微かな吐息が、裸の鎖骨をかすめた。
「……俺だけの……サラ……」
「……」
「この顔も、この声も……全部」
(……逃げられない……でも……逃げたくない)
「……サラ」
唇が、鎖骨をかすめる。
そのまま耳元で、低く囁かれた。
「……他の男に、あんな顔して、優しい声で笑って……いけないサラだな」
「……っ……」
「俺以外に、そんな顔、二度と見せちゃ……ダメだよ、サラ」
吐息が首筋にかかるたび、背中が震える。
「……どんなお仕置き、しよっか?」
「……お、おしおき……?」
「そうだよ。
俺の子猫が、少しだけ悪い子だったからな」
指先が頬をなぞり、顎をそっと持ち上げられる。
視線が絡まった瞬間、心臓が跳ねた。
「……サラ、俺のこと……愛してる?」
「……あ……い……して……ます……」
「なら、証明して」
「……証明……?」
「体で、感じさせてくれるだろ?」
耳まで真っ赤になるのが自分でも分かる。
私は……夫以外を、こんな風に近くで見たことがない。
数回だけの淡白な夜しか知らない私は、ほとんど何も知らない。
そんな私に、玲司はゆっくりと言葉をなげかける。
「……可愛いな。
そんなにも、愛されることに慣れていないのか」
「顔が真っ赤だよ……サラ」
「……」
「全部……俺が教えてあげる。
どうやって愛されるか、どうやって愛するかも……
どうやったら、サラと俺が満足するのかを」
手が髪を撫で、首筋から肩へと滑っていく。
触れるだけなのに、全身が熱くなっていく。
「サラ……お前は俺だけの……
この手も、この唇も、この声も……
全部、俺だけのものだ。だから、絶対に手放さない」
「……玲司さん……」
「……次は、覚悟するんだよ。
俺から……もっと離れなくなるくらいにするから」
「……はい……玲司さん……」
「いい子だ。
……じゃあ、次は――俺から一歩も離れられなくしていい?」
唇が、触れそうで触れない距離で止まる。
その焦らしが、私をさらに熱く、苦しくさせる。
(……もっと……欲しい……)
玲司の笑みが、すぐそこで深まった。
「サラ……覚悟しろ。
俺は、お前を二度と自由になんてさせない」
玲司の吐息が、唇のすぐ近くで熱く揺れた。
玲司の瞳が、甘さの奥で静かに光を帯びた。
……その光が、私のすべてを奪う予兆だとは知らずに――。
──そして、その夜はまだ始まったばかりだった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
「逃げられない夜」、いかがでしたか。
優しいだけではない、甘く危険な玲司の独占欲。
サラはまだ、この夜が“ほんの始まり”だということを知りません。
次回、さらに深く、そして逃げられない恋の中へ――。
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