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御曹司の真実

第24話では、サラのもとに届いた“玲司そっくりの写真”が

新たな疑念を生み出しました。


今、彼女を縛る檻は一層深く沈み込み、

その外からは別の“影”が忍び寄ります。


第25話。

ついに“御曹司の真実”に触れる時が訪れます。


愛か、偽りか。


二つの影の答えが、静かにサラを追い詰めていきます。



(……あれは、玲司と同じ顔だった)



送られてきた一枚の写真。

手を振り、優しく微笑む“あの人”。



けれど――今、隣に座る玲司は違う。

その顔は冷たく、決してあんな笑みを浮かべたりはしない。



胸に広がるのは、説明できない違和感。

そして、知りたいという抑えがたい衝動。



(“あの人”は……どんな声で笑っていたのだろうか)




ソファに腰を下ろすと、すぐ傍に玲司の気配が迫る。

冷たくも熱を孕んだ視線に、心臓が早鐘のように鳴った。



「……サラ」


名前を呼ばれただけで、背筋が震える。

その声の奥に潜んでいるのは――優しさか、それとも支配か。



(玲司は、あの“そっくりな人物”の存在を知っているのだろうか……)



私は昼間の光景を思い出していた。

確かに玲司に見えた。けれど、あんなふうに笑う人じゃない。



(……じゃあ、誰だったの?)



スマホに残された写真。

「また会えるよな?」と添えられた短い言葉。



その一文が、心を大きく揺らす。



(会ってみたい……)



私は、玲司にそっくりな“あの人”の声を、

確かめたいと思ってしまっていた。



けれど心の奥底で――「危険だ」と警告する声が囁いていた。



「サラ……」


玲司は私の手を取った。

強く、逃がさぬように。



「俺を信じろ。他の誰でもない」



その瞳は、氷と炎を同時に宿していた。


けれど私は、震える唇を噛みしめながら思った。



(――この人は、私のすべてを縛る人。

でも、あの笑顔の“影”は……誰?……知りたい)


胸の奥に浮かぶ二つの顔。



……この檻に、影は二つあった。



(私はもう触れてはいけない過去を知り始めているのか?)



玲司だけが“御曹司”ではないということを。




そして、その事実が――


私の運命を大きく変えていくのだろう――。


第25話「御曹司の真実」では、

サラの前に揺らめく“二つの影”が、ついに同じ檻の中に姿を現しました。


玲司の支配と、京司の存在。

重なる顔が告げるのは、運命の分岐か、それとも偽りか。

檻の外に差す影は、やがてすべてを崩す。



次回、第26話。

サラの前に“真実”がひとつの形となって現れます。


ぜひ引き続きお楽しみください。


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