03話②:収穫祭①
3人が村に着くと、村の広場には大勢の人が集まっていた。
ユイナと一緒に、リオナと手を繋いだままそこに近づく。
「なんじゃ?もう連れてきたのか?」
「お祭りやってるときより今の方がいっぱい話せるでしょ?
それに、お祭りは準備から楽しむもの!」
「そりゃそうじゃな!はっはっはっ」
老人とユイナが話している。
この老人、昨日来てくれた人だ。
「あの……」
「うむ、手の具合はどうじゃ?
若い娘の身体に傷でも残ったら可哀想じゃからな」
「おかげさまで、昨日よりだいぶラクになりました。
ありがとうございました」
深々とお辞儀をすると老人はにこやかに頷いた。
「今ちょうどお昼休憩だから、一緒に食べよう」
ユイナが声をかけてきたが、その前に…
「村長さん」
「ん?なんじゃ?」
「ここで働かせてください!」
「その手じゃまだ痛むじゃろう。ゆっくり休んでお」「ここで働かせてください!」
「……うむ。お前さん名前は?」
「小桃っていいます」
「うむ、今からお前の名前は小桃じゃ!」
「……?…はい、小桃です」
「じゃが、ムリはするなよ?
ムリしたらワシが怒るからな?」
「はい!ありがとうございます!」
またお辞儀をしてから、ユイナとリオナに連れられて食事の席に着いた。