01話②:召喚
…え?……なに??
気が付くと私は黒い空間にいた。
"暗い"ではなく"黒い"。
目を開けているはずなのに何も見えない、
不思議な感覚だ。
手足も、身体も動く。
動いている感覚はあるが、見えないから全然分からない。
何が起きているのか分からずにいると、
目の前に、ぼんやりと光る人型の形が見えた。
頭の中に声が響く。
「あなたは死にました。とある理由でここにいます」
…えっ?…死に……えっ?
聞こえた内容を理解する前に、大きな声が続いた。
「あなたには2つの選択肢があります。
通常どおり魂の輪廻に戻るか、
私が管理する別世界に転移するか、です」
あ!よく聞く異世界転生ってやつ!?
すごい!本当にあ「どうしますか?(早く決めて)」
なんだか急かされてる気がするけど、ちゃんと聞いておかなきゃ
別世界に転移すると何かあるんですか?
「その場合、2つあります。
1つ、今の記憶を持ったまま"不老"の身体となり、
その世界で100年過ごしてもらいます。
そこには家と家具、1週間分の食材が用意してあります。
2つ、100年後にここで100年の思い出を話してもらいます」
不老?すごい!永遠のJKになれるんだ!
いつまでも若い姿でいられるってそれだけでご褒美じゃん!
でも…、他に何か特別な力がもらえ「ありません」
………ん?ないの?
欲しい!何でもいいから特別な力が欲しい!
「……では、ステータス表示の力を授けます(なぜか溜息混じり)」
おぉぉ!溜息つきながらだけど貰えそう!
ステータスが見れるとどうなるんですか?
「自身の平凡な能力をいつでも見ることができ」いりません
そんなデバフスキル貰ってもしょうがないか
まぁ、面白そうだから別世界?に行くことにします
「わかりました」
少し離れたところに白い長方形が見えた。
では、行ってきます
「いってらっしゃい」
白い長方形に入ると、視界が真っ白になった。
どんな生活が始まるんだろう
たのしみ〜♪
ーーこうして、私の100年の旅が始まった。