04話②:冬の訪れ
私がこの村に来てから1か月経った。
肌寒い日が続くようになり、
冬が近づいている気配を感じる。
村人に教えてもらったが、
雪は積もるものの家に閉じ込められる程ではなく、
積もっても膝より下ぐらいらしい。
…結構な積もり具合じゃない?
日本の都会育ち感覚だとヤバそうな気がするが、
みんなが大したことないみたいな口ぶりなので大丈夫なのだろう。
今日は村人たちと一緒に薪の準備のお手伝いをする。
切り出した木材を小さく割って、
束ねたものを村の共有倉庫に運び込む仕事である。
ちなみにこれは「村が冬を越すため」ということで、子供も含めた村全体の仕事となる。
そして、春の農作業も「村が暮らしていくため」に
村全体で行う習わしらしい。
ーー村が生きていくために村人全員で作業する
その一体感と、それに参加できる嬉しさを感じながら、大人たちの元へ向かう。
「お、小桃。この薪を束ねてくれ」
「はーい。…………」
「ん?なんだ?束ね方わからないのか?」
「あはは…実はそうなんです」
「しょうがねぇなぁ。おーい、リオナ、小桃に束ね方教えてやれ」
「えっ!うそっ!?ももねえって束ねられないの!?」
「そんな目で見ないでっ!縛るの苦手なのよ!」
ありえないものを見る目でリオナに見られてしまった。
しょうがないじゃない。
ちょうちょ結びしか出来ないし、
縛り方覚えるのって苦手なんだもん…
「じゃぁももねえに教えてあげる!」
「はい!よろしくお願いします!」
いつもと立場が逆転してしまったが別に気にしない。
年齢関係なく、教えてくれる人はみんな先生だ。
リオナの縛り方を見て。
次に手伝ってもらいながら。
最後、見てもらいながら自分でやってみる。
「ももねえすごい!もうできるよ!」
「待って!もう1束やるからまだ見てて!」
今は出来るが不安でしょうがない。
見てもらいながらどんどん束ねていく。
「ももねえ大丈夫だよ?
でも、明日縛れなかったらお仕置きだからね?」
あはははははは
〜〜〜
帰宅後、ベッドに腰を下ろす。
ーーももねえの威厳のために、頑張るのよ!
実はリオナはスパルタ?と思いながら、
自分の太ももを縛って練習するのであった。




