迷路
わたしは、樹海の森に入ってスマホの電気で明宏を探していた。不思議と怖さは無く静かな雰囲気だった。途中、白いビニールひものような物が木々にピンっと張ってあった。明宏が付けたのかもしれないと思いたどると小さな洞窟があった。ライトで照らして見ると
「眩しい!」
とだみ声がした。
「すみません。人を探しててて。」
とわたしが言うといやと声が返って来た。
「もしかして明宏の友達かい?」
「そうです。」
わたしは、嬉しくて答えた。
「明宏なら天使の道に向かったよ。」
「天使の道?」
「そう、白いロープがあるだろ?」
とだみ声は暗闇から指差した。
確かに白いロープがさらに奥まで続いてる。
「そのロープを辿って行けば明宏はいる。」
「ありがとうございます。」
とわたしは言って暗闇でも見える白いロープに触れながら足を進めた。ロープは、奥まで続いていて先が見えない。明宏生きてて。そう願いながらわたしはロープを手繰り寄せた。ロープが途切れた。でも、近くは真っ暗で何も見えない。
「明宏!」
とわたしは叫んだ。
次の瞬間、森が息するように光った。そして花畑が広がった。
明宏が花畑の中心で眠るように倒れていた。
「明宏!明宏!」
と近づいて痩せ細った明宏を抱きしめた。
「い、今井さん?」
「そうだよ!わたしだよ!」
「何で?ここに?」
「明宏と最初で最後のセックスをしに来た。」
とわたしは言って明宏にキスした。




