孤立
光子は、一週間でわたしをクラスメイトからハブにしようとした。しかし、明宏と登坂零士だけは光子の支配から逃れた。わたしは、自然と明宏と零士と行動を共にした。零士は、変わり者だが頭が切れて頭脳明晰だった。
「何で?登坂君、うちの高校に来たの?」
とわたしが不思議そうに尋ねると。
「俺、馬鹿だけど可愛いって子が好きだから。」
と自分の性を話し始めた。
明宏と零士は、わたしに取ってナイトだったが光子は甘くなかった。二人の隙を見てはコンパスの針でわたしの背中を刺して来たりありとあらゆるイジメをして来た。
明宏が、光子に交渉した。
次の日からわたしへのハブりもイジメも無くなった。しかし、明宏はまた光子の彼氏になって違う高校に二人して転校した。
わたしは、寂しさを紛らわせる為に零士と付き合い始めた。零士はいつも笑わせてくれた。明宏は、わたしを苦しめて泣かせてばかりの男だったと思って忘れる事にした。
わたしと零士はバドミントン部に入部した。毎日が楽しくて堪らなかった。しかし、零士にキスされそうになると避けてしまった。
「ごめん、零士、時間くれる?」
と明宏を何処かで忘れられない自分がいた。
「気にするな!今井!いつか俺にぞっこんになる。」
と零士は、言ってわたしの左耳に触れた。




