【バトル】もしも大学受験が闘技場で行われたら
大学受験は戦争だ。
鍛えあげた己の実力を示し、合格という名の椅子を奪い合う。
言わば受験生は戦士であり、入試問題は魔物。
人生をかけたバトルロワイヤル、絶対に負けられないのだ。
『グハハ! 諸君らの力はその程度か!』
「だ、ダメだ! 基本用語集だけじゃ通用しない!」
「そんな……俺のノートじゃ歯が立たな……ヴッ!」
強大な敵を前に次々と倒れるライバル達。
彼らの装備した剣は、不思議なことに弱い受験生ほどキレイだった。
『さぁ、我輩の力に絶望するがいい!』
そして、今度は私にも怪物が牙を剥く。
でも甘い。
お前のような攻撃パターン、もう戦い飽きた。
『グガっ!? な、何だ!』
私の投擲は怪物を真正面から貫いた。
その武器を目にし、怪物がぎょっと目を開く。
『空の、青ボールペンだと……! ば、バカな!? 赤ならまだしも、青のボールペンを丸々一本消費し切るなど、できるワケーー』
「誰が一本なんて言ったの?」
私はペンケースからジャラジャラと取り出す。
この三年間で積み上げた努力の残骸を。
「赤ペン、青ペン、シャー芯ケース。一体何本使い切ったと思う?」
時間が惜しい。
目の前の雑魚など秒で沈め、次なる難問に目を向ける。
戦いはまだ始まったばかりだ。
【お題:赤色 テーマ:受験戦争 文字数:500字】