【バトル】天界の風船割り
「敵の風船、残り2つ!」
「時間がないぞ! 一気に攻めろ!」
仲間の号令に合わせて、私とリエルが天を翔ける。
天界で開催された風船割り合戦。
今のところ優勢は私達天使チームだ。
けど油断は禁物。
相手は強豪神獣チームなのだから。
「見えたぞ、敵陣!」
リエルが叫び、弓を構える。
立ちはだかるは相手の最強ディフェンス、神龍。
「なに!?」
体格に見合わぬ俊敏な動きで神龍が私達を翻弄する。
放たれたリエルの矢はその巨体に悉く阻まれた。
「どうしよう、これじゃ矢が届かないよ」
「へっ、だったら物量で勝負だ!」
リエルが翼を広げて急上昇。直後、無数の矢の雨を降らせた。
当然、矢の雨に気を取られた神龍は上空しか見ていない。
もらった!
私は相手の背後へと旋回。隙をついて風船を突き破る! ……って、
「痛たたっ!」
近づきすぎて私まで矢の雨を浴びてしまった。
羽が痛い。このままじゃ落下する!
諦めて目を瞑った瞬間、誰がに抱きとめられるような衝撃。
「バカ! 無茶しやがって」
「リエル……どうして」
「別にお前が心配とかじゃねぇからな! 一人でも脱落したら戦力が落ちるだろ!」
なんて恥ずかしそうに視線を反らす彼に、
「……ありがとう」
私はクスリと笑って呟いた。
【お題:神、風船、ツンデレ テーマ:天使の空中戦 文字数:500字】




