【遊戯】白熱? 拒絶! ラップバトル
「ラップバトル?」
「SO! 僕、最近ハマっててね。キミもどうだい? やってみない?」
いつもの通学路の歩道。
俺の悪友が普段よりも陽気に誘う。
まあいい、ヒマだし付き合ってやろう。
「いいぜ。舞台はどこだ、学校の屋上? 見せつけてやるぜ才能の天井」
「YO! 焦んな、まずはセットアップ。鼻と口に巻くんだ、このラップ」
奴がニヤリとほくそ笑む。
そして取り出す、ロール状の透明フィルム。
俺は嫌な予感がして口をつぐむ。
「ルールは明快。できるかい理解? タイムを競え、呼吸止め!」
『ラップ』違いかよ何そのダジャレ。
マジくだらねぇ、てか期待はずれ。
センス磨けよ、このお笑いかぶれ。
「面倒くせぇな小学生か。一人でやってろ自己強化」
「仮にも友達だし、やろうよ暇つぶし。歩み寄りは大事。一人じゃ勝負できないし」
「知るか、せめて持ってこいマトモなゲーム。付き合ってられるかお前のマイブーム」
俺は呆れて嘆息。
無言で歩く。だが奴は許さない沈黙。
「無駄無駄、何しても勝つのはこの僕。キミに待つのは情けない敗北」
「くだらん、つまらん、無駄な争乱。いくら頼まれても俺はやらん」
「YEAH! 『ん』で終わったからキミの負け!」
勝手にルール変えんなボケ。
【お題:学校の屋上、天井、歩む テーマ:しりとりラップバトル 文字数:500字】
※二人の会話(ラップバトルの部分)だけを繋げると、地味にしりとりもやってます。




