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【バトル】不正破りの神経衰弱

 神経衰弱大会 決勝戦。

 僕含む四人の小学生がトランプを囲む中、相手の一人がニヤリと笑った。


「ヘヘッ、いただき」


 一致したカードを2枚めくり、獲得する。

 それは直前の二人が無意味にめくって戻したカードだった。


 三人の顔を見る。

 全員ニヤニヤ嗤っていた。


 おそらく仲間の二人がヒントを出し、一人にカードを集める算段だろう。


 証拠は残らない、けれども不正は明白だった。


「……チッ」


 ようやく相手がミスり、僕にターンが回ってきた。


 現在の獲得数は相手一人が24枚、僕が6枚、他二人が0枚。

 残る枚数はあと22枚。

 

 僕が勝つにはすべて取るしかない。



 ーー持ち時間、残り15秒。


 何かないか? ここから逆転する方法は。

 彼らの視線をジッと追う。



 ーー残り9秒。


 ……落ち着け、考えろ。



 ーー残り5秒。


 そのとき、僕の脳に稲妻が迸った。


 さっきから彼らの目の動きが同じだ。

 まるで予め取り決めたカードの順番をなぞるように。



「コレとコレ!」


 直感に従ってめくる。

 数字の一致した2枚のカード。


「コレとコレ!」


 立て続けにめくる。

 めくる。

 めくる。


「クソ! 法則性に気づかれた!」

「残り2秒、1秒!」


「間に合えぇっ!」


 最後のカードをめくると同時、試合終了のブザーが鳴った。

【お題:時間、残り5秒の才能 テーマ:覚醒 文字数:500文字】

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