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【文学もどき】光の正義、闇の正義

 とある国で一人の教祖が現れた。

 彼はこう言った。


「太陽は神の化身だ。

 作物が育つのも、暖かな陽気でのびのびと暮らせるのも、すべて太陽のおかげなのだ。

 そして、この世で最も忌むべき存在、それは闇だ。

 数年前、暗闇が世界を支配したときがあった。黒雲が連日太陽を覆い隠したのだ。

 その年はひどい冷害で、何人もの国民が飢餓に苦しんだ。

 私の家族や友人も何人命を落としたことか。

 皆の者、太陽を崇めよう!

 世界から死の闇が消え去るように!

 太陽の光こそ、我らの救世主なのだ! 光を崇めよ!」



 同じ頃、遠く離れた国で別の教祖が現れた。

 彼はこう言った。


「太陽は悪魔の化身だ。

 干ばつに苦しむのも、灼熱の暑さでジリジリと焼かれるのも、すべて太陽のせいなのだ。

 そして、この世で最も尊ぶべき存在、それは闇だ。

 数年前、暗闇が世界を支配したときがあった。黒雲が連日太陽を覆い隠したんだ。

 その年は恵みの雨が降り、何人もの国民が渇きから救われた。

 俺の家族や友人も何人命が助かったことか。

 皆の者、太陽を呪おう!

 世界から死の光が消え去るように!

 黒雲の闇こそ、我らの救世主なのだ! 闇を崇めよ!」


 のちに二国間で壮絶な宗教戦争が巻き起こったことは言うまでもない。

【お題:太陽、犠牲 テーマ:正反対 文字数:500文字】

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