似通った考えを持つ人がいるようで
投稿遅れました。ごめんなさい!!
イベントが終わった後、日曜日に向けてすぐに寝る準備を済ませて爆睡するかのようにベッドに潜って少しで眠りについた。
「ん……ふぅ……。よく寝たよく寝た。」
時計の針は丁度8時を示している。結構寝たけども逆に寝すぎたことによる影響なのか、瞼が重い。カーテンを開き、うがい、顔洗いをし、白湯を飲む。体が起きて、瞼も軽くなったので、朝ご飯の準備を始める。
「あっ、今日ゴミ出しとシャンプーの詰め替え買わないと。」
朝ご飯のトーストを齧りながらそんなことを誰かに話しかけるように声に出す。1人暮らしだけども。
歯を磨き、着替えて洗濯機に服をぶち込み洗剤を量ってぶち込み、洗濯を始める。そのまま、ごみ袋に溜めていたゴミたちをマンションのごみ捨て場へ、捨てに行く。
財布も持ってついでにシャンプーの詰め替えとかも買いに行く。
サンダルを履き、ドアの鍵をゴミ袋を片手に持ちながら開け、外へと出る。ゴミ捨て場へと真っ直ぐ歩き、ゴミを捨てる。そのまま敷地の外へと出ていきドラッグストアの方へと向かい、無くなったり、減ってきたりした日用品を足しに行く。
とりあえず無くなりそうなシャンプーやボディソープ、歯磨き粉だったりトイレットペーパーだったりを買い、ついでに牛乳と期間限定で売っていた美味しそうなカップ麺をいくつか購入した。
帰り際、ゴミ捨て場の近くに見覚えのある女性がいた。
「こんにちは~」
近づいたタイミングで声をかける。
「あっ!こんにちは!」
その人は隣の部屋に住んでいる女性だ。名前は知らないけども。
「そういえば、昨日のプレコロのイベント、参加しましたか?」
「プレコロ……あっ、プレイヤーキルコロシアムか!いやぁ、昨日はちょっと残業がほんのちょっと長引いちゃって……家着いたのが10分過ぎた頃……だったから、参加できなかったんですよ。」
「あぁ~……それは残念でしたね……」
「それに、先週VRのギアを買ったのが先週なんですけど、そのプレコロ?を始めるまでの間、別のゲームで練習していてプレコロを始めたのが昨日で、まだ本格的にプレイできていないんですよね……あっ!でも今日はいっぱいプレイするので時間は空いていますよ!」
「そうですか。じゃあ、今日、一緒にやってみませんか?私も時間が結構空いているので!」
「いいですね!あっ、でも私アカウント2つ作っていて、ソロプレイ用とサブアカウント用に作っているので、そっちのレベル上げをしたいので15時位から一緒にやりませんか?」
「分かりました!集合するときは、どの場所で集合しますか?」
「じゃあ、[カスタマイズ]?のフィールドでしたっけ。商店街みたいなフィールドの南端、スポーン地点の近くで集合しましょう!」
「分かりました。じゃあ、また後でということで。」
「はい!さようなら~」
ゴミ捨て場の前でお別れの会話を交わして別れ……られないか。
せっかく手を振ってまでさよならしたというのに、隣過ぎて意味を成さない。しばらく無言の時間が続き、ドアの前で軽く手を振ってにお互いに苦笑いしながら自身の部屋へと戻っていくのだった。
「まぁ、気を取り直してプレコロやりますか。15時まで時間あるし。」
そう言って俺はギアを頭に装着し、電源を入れる。「はちみつレモンミルク」のアカウントを選択し、プレコロを始める。
起動すると、昨日ログアウト前に見た風景がそのまま映し出される。
すぐさまSt10を選択しフィールドへと転移する。
「さて……暴れ回るか!」
そう独り言を発し、動けるようになった途端、すぐに走り出す。走っている間思ったけど、なんかこのアカウントでゲームらしいスキルが欲しくなってきた。
「身体強化系もいいけど、せっかくTPを高く設定したのに、未だに自己強化系のスキルしか使ったことないのは振った意味がないかもだしなぁ……」
そんなことを呟きながら通り魔のように見かけたプレイヤーに襲い掛かる。と言っても、St10に入ってしまったので、一度抜けてスキルを購入してまた入るのが面倒くさいので走り続けることを選択する。
「うーん……カーズとあの羽の生えた男と戦闘し過ぎたせいなのか、戦う時に手ごたえを感じる相手が少なくなってきたな……」
槍を振ったり突いたりして順調に敵を殺しながら「弱い」と煽るかのようにブツブツと小さな声で呟く。
「なんか手応えのありそうな敵は……」
キョロキョロと首を振って走り、ある程度走ったところでまたキョロキョロと首を振って索敵しながら移動する。
そんな時、面白そうなプレイヤーを発見した。
「まぁ、面白そうとは思うからそりゃ真似する人は出るか……」
そう言いながら見ているプレイヤーは帯刀している、巫女服を着た艶のある長め黒髪のプレイヤーだ。NPCの真似っこでもしているのか、ゆっくりと歩き、視線を空の彼方へと向けている。……NPCの真似にしては結構クオリティ高いな。
もしかしたら本物かもしれないという疑問を残しつつ、真似っこしているなら面白そうと興味を持ってそちらの方へと走っていった。
20メートル程まで近づいても反応はない。ただ、その真似っこNPCからの視線は感じる気がする。
もう少し近づき、10メートル程まで近づくと、戦闘態勢に入る範囲という基準を満たしたということなのか、その真似っこNPCは足を止め抜刀しようと、刀に手をつけて構える。
「貴様、私とやり合うつもりでこちらまで向かってきたのか?」
「まぁ、そうかな?興味本位というか。」
「そうか……では貴様も武器を持て。始めようじゃないか。」
女性なのか、高い声を出してはいるが、厳格な感じでもあるのか、一言一言のトーンが低い。
彼女は戦闘を始めようという趣旨の言葉を発すると、刀を構えるのをやめ、少しだけ離れ、一定の距離を保つ。一足一刀位の間合いだろうか。詳しくは知らないけど、大きく一歩を踏み出して武器を大きく振れば届くくらいの距離だ。
「どうした?まだ武器を持たないのか?それとも、戦う気が失せたのか?」
「あー悪い。ちょっと考え事してた。」
「……まぁいい。早く構えろ。始めるぞ。」
女性に早くしろと言わんばかりに……実際早くしろと言われてるんだけども、武器を構えるよう促される。武器を取り出し構える。
しばらくはちみつレモンミルクのアカウントでプレイしていないのと、メルクにあった後、一度も起動していないことから、何気に[フレイミング]を持つのは初めてだ。
「さぁ、お前の力を試させてもらうぞ。」
不自然に思われないよう、真似っこNPCに見下すかのような態度を取りながら[フレイミング]に話しかける。
「戦ってもいないのにそう舐めると、痛い目にあうぞ?」
「さぁな。俺は自分に自信を持てるタイプだからな。」
そう話すのを最後にお互いが武器を持つ手に力を入れ直し、武器を握り直す。




