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公認NPC?これ、俺なんだが。 ~NPCのふりして遊んでたら運営にNPCになれと言われてしまった~  作者: おさかなの煮物


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公認ということは神に仕えるという意味らしく

 投稿ペース落ちますと言ったからね!!投稿遅れてもいいのよ!フハハハハ!!(サボっているわけではない)

 月曜日になり、俺はプレコロを開発・運営している「Game(ゲーム)Master(マスター)Technology(テクノロジー)」、通称「GMT」という会社に向かっている。

 電車に乗り、しばらく経つと、窓からも見えるほど大きな建物が建っている。これがGMTの会社だ。

 駅から出た後にGMTへ向かう。ここではゲームキャラに関するグッズやここでしか体験できないアトラクションと言った遊園地的な意味でも楽しめる施設なので、多くの人が駅とGMTの間を通っている。

 俺はプレコロでもらった神からのメッセージが届いたことを説明するために受付の方まで行く。


「いらっしゃいませ。どうなさいましたか?」


 受付には人はいなく、自動音声によるタッチパネル方式となっている。画面内にある「メッセージによる招集」からプレイヤー名を入力するよう言われたので、「スピア」と入力すると、


「それでは、こちらの部屋になります。」


 タッチパネルの下の部分から一枚の紙が出て来て、「2階、207号室」という紙が渡された。

 2階はアトラクションと無関係の位置にあるため、ほとんど人がいない。


「ここかな?」


 俺は207と書かれた部屋にノックをし入る。


「失礼しまーす」


 そこには3人が座っており、長方形の机が2つある。ひとつは3人の方で、もうひとつは恐らく俺が座る席と一緒に置かれている。面接のようにも感じるがまぁいいだろう。


「そこに座ってくれ。」


 1人の女性が声をかける。その声は少し幼稚で見た目も大人というよりそのまま大きくなった子供という説明の方が分かりやすいかもしれない。髪もぼさぼさだし。


「君が、スピアの中の人だね?」

「はい、そうです。」


 男が確認をするが、その声には聞き覚えがある。おそらく、昨日の声の正体だろう。

 もう1人は……寝ている。大きなはなちょうちんをだしてすやすや寝ている。


「では、私たちの自己紹介から始めるとしよう。まず私は、St1(ステージワン)からSt3(ステージスリー)を担当する神、ナビだ!お前はSt10(ステージテン)から始めたから面識はないが、まぁ、1から3を管理しているな。よろしく頼む!」

「私は君のいるSt10(ステージテン)を管理している神、グリードだ。昨日のあの声は私の録音した声を流されているだけだが、気になるところがあれば質問してくれ。あと、この子はSt4(ステージフォー)からSt6(ステージシックス)を管理する神の、セルフだ。この子は仕事に没頭しすぎるのか、基本寝ている。まぁ、気にしないでくれ。こんな感じでも結構頑張ってるやつだからな。」


 3人とも本名は伏せている。まぁ、俺自身が必ずしも要求にこたえるわけじゃないしね。


「さて、本題に移るわけなのだが……まず1つ聞くとしよう。お前はNPCとしてゲームをプレイしたいのか?」


 ナビが質問してくる。少し驚いたわけだが、明確な理由があるので、


「はい、そうです。実はもともと……」


 肯定して理由も一通り言っておく。


「ナハハハハ!!お前、面白い思考してるじゃないか!!」


 笑われたけど実際そうなんだよな……


「彼だってそういうおふざけの心があってやっているわけじゃないのは分かっているだろう。このバカたれ。」

「んだと!?テメェ聞いてみりゃあ私の罵倒しかしてないじゃないか!!」


 ナビとグリードが喧嘩を始めたが、ナビは子供のように背が低いので腕を車輪のように回してもグリードが手を伸ばして彼女の顔にポンと置くだけで届かなくなる。

 ナビがそのまま叫んで抵抗するも、誰ももが無視し、そのまま話が続いていく。


「それで、君に出したメッセージの通りなんだが、君に称号を与える。そしてこいつが質問した通り、NPCについてだ。」

「それってつまり……」

「ああ、君にはNPCになってもらう。」


 え?なんか違う。俺はてっきり[NPC]の称号をもらえるようになるんじゃなかったのか?


「ん?どうした。」

「え?あ、いや、称号がもらえるんですよね?」

「そうだが……そうだ、説明しておこう。君には称号として[NPC]をあげるが、それには条件があると言っただろう。」

「フムフム。」

「その条件を今から説明する。1つ目は『バレない』。バレれば称号としてのNPCの意味がなくなってしまうからな。2つ目は、『我々の指示に出来るだけ従う』だ。今後もイベントを開催するが、そこに君を入れたくてね。出来るだけ入ることが出来るよう配慮したいからスケジュールやら教えてほしいんだ。最後に3つ目。『神に仕えろ』。これは君を公式の出す公認のNPCとしてプレイしてほしくてね。プレコロの世界観で言うなら、「神からの刺客」と言ったところだろうか。詳しくはこの契約書を見てくれ。」


 そう言って出された契約書にはかなりの内容が書かれていた。だが、俺は伊達にサラリーマンをやっていないのでこれくらいの契約書はすぐに読み終えられる。

 内容をまとめると、


・NPCとしてプレイする。

・プレイ時間を一定に保つ。

・会社との連絡先を作り、常に情報を仕入れ、その通りに従う。


 といった内容だ。細かいものとすれば、俺に経験値倍率が大きくかけられ、挑戦意欲が上がりやすくなる。もちろん、俺にもメリットはあるようで俺が敵を倒した時の経験値倍率も上がるし、職員扱いということで少なからずお金も出るそうだ。もちろん、承諾しだが、趣味としてゲームをやっている以上、今お金をもらうとストレス発散という本来の目的から外れそうなので、お金の部分だけはとりあえず却下することにした。欲しいけども。


「ありがとう。これで君をNPCにすることが出来たよ。明日メンテナンスを入れるから、その時に色々な情報を出すから、よろしくね。あ、あとそうそう連絡先も交換しないとね。」


 そういって交換された連絡先は、GMTの社用スマホの連絡先。お互いの情報を出すわけにもいかないからそりゃ個人用じゃないよね。


「とりあえずこれで話すことは一通り終わったけど、何か質問ある?」

「じゃあ、昨日のユウトってプレイヤーが[神化]した時にどうしてキルされたんですか?」

「それは私が答えるのだ!!」


 グリードが話そうとした矢先にテレビに突然出てくるマスコットキャラクターかのようにグリードとの目線の先にひょこっとでてきて説明を始めた。


「[神化]のスキルは称号持ちになることで獲得できる。そのスキルの説明欄に使用可能時間が設けられているが、それはあくまで時間が書いているだけじゃ。「勝手に解除されるからそれまで存分に使っていい」とか考えた欲深いやつがキルされる。そういう仕様なのだよ。ちなみにこれは私のおふざけだから、使えるのは1度きり。それ以上使えたら、プレコロの本来の目的と離れるからな。一応説明を出しておくから見ておいてくれ。」


 そう言ったナビはすぐさま俺のスマホに画像を転送する。

 スキルの説明は「神に認められたものが得られる力。これを使えば今立っている状況を覆すことが出来るであろう力が引き出される。ただし欲深きものにこれを扱う資格はない。使用可能時間は1分。1度きり」

 と書かれている。


「これくらいでいいか?」

「はい、ありがとうございます。」

「あ、そうだ。今日はログインしないでくれ。メンテで情報を出すっていうのもあるからな。それと、情報に「神の刺客」とかつけると思うが、その自覚はない設定でいきたいから、プレイしている時に聞かれても知らないふりをしてくれ。」

「分かりました。」


 こうしてGMTから家に帰ることになるのだが、改めて考えてみると、結構すごいことなんじゃ……

 St7からSt9を管理する人は一応いますし、本編に出てきた3人は1日中働いてるわけじゃありませんから安心してください。彼らは人です。

 ぶっちゃけで言うと神の名前は同じでも中身が違うみたいな感じです。時間ごとにサーバーを監視する神の中の人が変わるという設定です。

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