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イベントの質問タイム

投稿遅れちゃいました!平日でも、もう少し早く投稿したかったんですが、今週末までに終わらせないといけないものが多くて……土日もたくさん投稿できないかも……ウゥ

 さっきと変わることもなく、何もない空間にポツンと、グリードがいる。ただ、さっきとは違い、ゲーミングチェアに体重をかけるように座り、複数のモニターを目の前に並べている。

「現在3時間と23分が経過。さっきより戦闘数が落ちキル数も落ちている。バランス的には安定したが、まさかお前がたった1人のプレイヤーにやられるとはな。」

「え……あれプレイヤー?というか何だったんですかあの轟音は。」

「説明するより見た方が早いだろ」


 グリードはそう言うとモニターをいじり、俺に1つの画面を見せた。

 その画面には走っている途中の俺が映っている。今見て思ったけども、あまりNPCらしくない。というか必死に走っている姿がかなり人間らしく感じられる。

 それだけ追い詰められてたって考えでいいか。


 そんなことを思いつつ改めて画面を見る。暫く走っている姿が映っていたが、突如としてカメラが引いていき、広い景色を映すようになる。

「どうして突然空を撮り始めたんだ?」

「まあ見てろ」

 疑問に思いグリードに聞いたが、映像を見る方が早いと言わんばかりにその質問は一蹴された。

 カメラは未だに引き続け、ついに捉えたいものを捉えたかのようにその動きを止めた。

 左下には走っている俺、右上には鷲のような鳥の影が映る。その時突然、鳥の影が急降下し、俺の方にかなりの速度で向かう。カメラもそれに合わせてズームしていき映る範囲を絞っていく。

 鳥の影がズームされたことで明確に映る。機械仕掛けの羽のような装備を纏った男のプレイヤー。

 俺に近づくと手を広げ、戦闘機が爆弾や銃弾を飛ばすように羽を俺の元へと飛ばす。その後急上昇し爆風を避けるように飛ぶと、俺は爆散。そのままこちらへ送られていったわけだ。


「ちなみにこのプレイヤーの方から撮ってるのもあるぞ」

「見せてください」

 グリードの話に俺は噛み付き、その映像を見始める。機械仕掛けの羽を纏ったプレイヤーははるか上空から地面を見下ろしており、その少し上からカメラがその情景を撮っている。

 はっきり言ってグリードが俺のいる場所を指差した後、その部分にしっかりと目を凝らさないと俺が動いているのが見えないくらいの距離だ。それをこのプレイヤーは首をキョロキョロ動かし全体を見渡しているのだ。そして俺を見つけた途端に首を動かすのをやめ、少しずつ距離を詰めるように追いかける。

 そしてタイミングを見計らって一気に急降下。あまりの速さにカメラが全然追いつけてない。

 そうしている間に俺が爆発したのがカメラに映り、その男がまた急上昇して上空に戻っていく姿をカメラがすれ違いざまに撮ってまた追いかける映像で終わった。

「速すぎない……?」

「ああ、結構速い。プレコロで使われてるカメラの最高速度はAGI400だから、大体2倍くらいの速さかな」

「大体800って……俺でも追いつけませんよ……」

「まあ、考えようによればそうなるな。だが、このゲームのステータス合計値は装備を付けない場合で考えると1350。そう考えれば他のステータスにあまり数字を振っていないという考え方もできる。」

「あっ……!!そっか!……いや、でもあの速さでワンパンされるのもどうかと思いますけど」

「それなら、STRも高いっていう考えを持つとか、逆にHP、DEFが低いとか、そう言った考え方もあるんじゃないのか?」

「まあ、そうかも……?」

「ただ、別に必ず倒さなきゃいけないわけじゃないし、見つからないよう、木の下で移動していればそのプレイヤーが襲ってくる心配もないだろ」

「確かになぁ……HPが満タンなのにスキルを(しょ)(ぱな)から使うわけにもいかないし、そう簡単に対処できる相手じゃないしね……」

 どうにかして対処法を考えてみたけど何も思いつかない。守りに入ってもあの速度じゃすぐに背後に回られるし、かといって攻撃しに行ってもすぐ逃げられるだろうし。


 グリードと一緒に考えてみたが、案が出ることなく、10分程経ってしまった。暫くお互いが話すことなく、静かなままだったが、ふと思ったことがあったので質問してみることにした。

「そうだ、このイベントで勝ったらなんかあるんですか?」

「あぁ、ある。」

「それってどんなものなんですか?」

「確か、イベント終了後に集計してトップ5入りしたプレイヤー全員にスキル1つの無料配布と順位に応じての経験値の譲渡だな。勝ち負け関係無しだったら、キル数の多さとか、デス数の少なさとか、あとお前を倒したプレイヤーに別々にスキル1つを無料配布するな。だからこの後は集計がめっちゃ面倒。タスケテ」


 グリードは内容を言いながら徐々に眼の光が消えていき、目の色が失われると共に体も真っ白になって俺に助けを求めてきた。なんなら寒い日に息を吐くと煙が出るように大きなため息とともに白い煙が辺りを覆うようにもこもこと溢れてくる。


「えと……手伝うのは無理ですけど……俺の場合って報酬?ってどうなるんですか……?」

「うーんと……確かお前はキルが100行く度にスキル1つの無料配布がされるはずだったんじゃないかな?よく分からん」

 グリードは気が抜けたようにふわふわしながら会話を続ける。

「今、俺のキル数はどのくらいですか?」

「ちょっと待ってな……今……のキル数は……あったあった。62人だな。このペースで行けば1つはもらえるから大丈夫だな。ただ、2個欲しいなら上位勢との戦闘を避けて約3時間と30分で148人……1時間に42人ペースでキルしなきゃだな。」

「えぇ……無理じゃんそんなの……」

「まぁ……頑張れ。」

 気を取り直したグリードは、新たに手のひらから出現したモニターから俺のキル数を見て、残りのキル数を計算する。どのくらい倒せばいいかの助言はありがたかったけども、なんかこう、急に現実を見せつけるみたいに大量キルをしなくちゃいけないのはどうかと……

 せっかくだし、スポーンするならグリードが言っていたように、上位勢がいない場所かつ、多くのプレイヤーが集まっているところだな。

「そうだグリード、スポーン地点を決めたいんだけども……」

「どこがいいんだ?」

 俺はグリードにまたスポーン地点を選べるように頼み、さっきの通りに条件を注文する。

「上位勢がいない場所かつ、多くのプレイヤーが集まっているところ……いいんだが、俺の技術じゃせいぜい予測程度だな。さっきスポーンする時の要望はルリのパーティーに近い範囲でのスポーンだろ。あれはその対象から一定範囲内でスポーンするよう調整すればいい。だが……今回の条件はちょっと難しい。全員の動向を把握するだけでもかなりきついのに、そこから上位勢とプレイヤーを分断?無理だ。というわけでお前がそれっぽそうなところを決めてくれ。」

「は?」

「何言ってるんだ。決めろ。時間はたっぷりあるからな。」


 そう言って彼は俺にタッチペンと、全プレイヤーの現在地を赤い点で示しているイベントのフィールド全体のマップを渡してきた。

「そのペンでタップしたら、そこにスポーンできるから。で、二本指使えばズームとか大きさの調節が出来るし、赤い点をタップすれば、各プレイヤーの詳細が分かる。まぁ、後は頑張れ!俺は忙しいからな!」

 グリードは俺にスポーンのことを丸投げした。いや、確かに自分で決めれるならいいかもしれないよ?でもさぁ……点が多すぎるのと、どの点が上位勢か分からないんだよ!

 まぁ……頑張るしかないか……

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