全力逃走した結果
久々の投稿です!本当にパソコンいじってなかったのでこのエピソードの内容考えるのに少し時間かかっちゃいました。
木を避け、茂みを飛び越えひたすらに走る。敵の姿が見えたなら、見つかる前に逃げて戦闘を避ける。
正面から向かってくる敵を木の上に隠れてやり過ごしたり、木の上から他の敵が走っている姿を確認していて思ったが、さっき花火が打ち上げられた方向に集まっているな。
ただ、花火の打ち上がってからすぐに逃げていたおかげでかなりの距離を移動できたのか、俺を狙って集まっている敵たちが未だに反対方向から来ているであろう敵に会っておらず「逃げている」なんて疑うこともなく走っている。
とは言ったものの、そこまで時間を稼ぐことはできなかったようで、花火が打ち上がった方向から俺がいないという報告?みたいな感じの声がいくつか聞こえてくる。
「NPCはいないぞー!!」
「解散だ解散!」
「ほら!キルされたくなきゃ散らばれー!」
こんな感じで聞こえるが、こいつらはイベントのフィールドでポイントを稼ぐためにキルしまくる的なことをやっていたんじゃないのか?もうちょっと根気強く探してくれよ!!
使用後の花火の筒が消える仕様なら仕方ないけども俺、多分あれ破壊してないから残ってるはずだよ?
それに、花火が上がったならいたってことなんだからもう1回言うけども……必死に探してくれよぉ!!
そう心の中で叫んでいると突然、真下から花火が打ち上がる。
「……」
どうやら心の中で叫んでいる途中木の枝を叩くとかして木を揺らしていたのか、見つかったようだ。木の下にいるプレイヤーは「あ、いた」といった感じで目を丸くし、こちらを見ながら花火を打ち上げた。
いや、探してほしいとは言ったけども。別に見つけろとは言っていないよ?
「だあクソ!!」
真顔を貫きながら心の中で叫ぶ。木から飛び降りそのまま花火を打ち上げたパーティーメンバーに攻撃する。
見つかっているので既に武器を構えられているが、知るかそんなもん!槍で剣の隣を突き、槍を右に振り剣を放させる。そのまま無防備の体に槍を斜めに振って斬りつける。周りにいた数人のプレイヤーにも、持ち手の端で刀の攻撃を止めて腹部に蹴りを入れて距離を離したり、大きな斧を振るタイミングで横に避けて、振り切った後の無防備なタイミングを狙って斧を上からハンマーで釘を打つように槍を叩きつけ、そのまま回転しバットを振るように相手を槍で殴り、吹き飛ばす。今はキルよりも逃げることが最優先。
その言葉を胸に刻んでその場をまた後にするのだった。
+++
「待てええ!!」
あれから10分程経ったけども、逃げては止まって確認していると見つかり、また逃げては止まって確認しているの繰り返し。ついには残っている敵もある程度の実力を持つ人しか残っておらず、例え撒いてもすぐに見つかるか、足止めするにも実力差が小さく時間稼ぎにもならないか、そもそもAGIが殆ど同じでずっと追い回されているか。最初から一心不乱に逃げていればよかった…………反省。
このまま逃げていると埒が明かないどころか、他の集団までもが混じってきて追いかけてくる敵全ての対処が難しくなってくるだろう。ついさっき数を減らそうと一時的に戦闘を試みたけど、あまりの人数差にチャンスを作っても他のプレイヤーに邪魔されて相手の数を減らすどころか、俺のHPが減ってしまった。
1人1人や3~4人の少人数なら俺1人でも問題なく処理できる実力なんだが、なんせ数が多い。20や30なんて量じゃない。見えないだけだったり、俺が逃げる足の速さに追いつけていないだけだったりする人を合わせれば100程はいるだろう。と言ってもさっき戦った時は30か40人くらいいたかな?
ただ、こいつらにも明確な弱点はある。それは、パーティーが同じじゃないので攻撃が他のプレイヤーに当たってしまうことともう1つある。
まず攻撃が当たってしまうこと。これは魔法とか撃てばそうなるような話だが、そういう奴らは多分今頃キルされているからいない。それに魔法を撃てるような奴は例えいたとしても今の俺を負っている集団にはいないと思う。AGIに振るような魔法使いはいないと思うから。ルリ達みたいに箒を持っていれば話は別なのかもしれないけども。
だからここから戦闘に持ち込んで俺が必死に頑張ったとしても、攻撃が当たってこのプレイヤーの集団が自滅してくれるようなことはない。というか、これに頼れるほど余裕を持って対処できる人数差じゃない気がする。
もう1つは、こいつらが俺を探すときの行動だ。
今は俺を補足できているからこうやって大人数で追っているわけだが、見失えば話は変わる。大人数で行動するのを一度やめ、パーティーごとに探索を始めるのだ。
つまり俺はこいつらをどうにかして撒いてパーティーに分割化させることが目的だ。
ただ、殲滅が目標じゃない。さっき少しずつパーティーを減らそうと分割してみたが、そのパーティーの中でも数人が足止めしているうちに1人が花火を打ち上げてしまえば意味がない。
だから俺は考え方を改めて、一度撒くことにする。
森の中、俺は瞬時に跳躍し木の上に移動する。追いかけようとAGIに振っている双剣を持った数人が同じような動きをして追ってくる。俺はわざと振り向きその数人に近づく。そうすると俺を倒そうと武器を振る。俺はその衝撃をわざと真に受け後ろに飛ぶ。木の上にいるので、追いかけられずに木の下にいる人は人影を見ただけではどれが誰なのかは分からない。
そして、木の上にいる人達は空中にいるので身動きは取れず追いかけることはできない。と思っていたが、何らかのスキルを使用し空中を蹴ってこちらへ向かってくる。なんでだよ。
ただ、多くのプレイヤーとの距離を離せたことは大きい。仮に双剣持ちのプレイヤーのパーティーがあの集団にいたとしても、そうすぐに追いつける距離ではないので、少なからず俺には余裕が生まれる。
着地してすぐさま走り出し、距離を離そうとする。空中で移動できても、すぐに木の下に移動するのは難しいため、木の葉で視界が遮られ一瞬見逃すので俺を探そうと周囲を見渡す分、必ず遅れる。
それにさっきの大勢のプレイヤーたちも俺を見失っているので全体の行動が少し遅くなっている。
走っているところを見られて追いかけられればせっかく撒いたことに意味がないので、しゃがんだままの低い姿勢で素早く移動する。
そうして俺を追っている集団が本格的に探そうと散らばり始めたのを遠目に見つけたので、前傾姿勢で走り出す。時々後ろを確認したが、追ってくる気配はない。
かといってまた止まって見つかっては元も子もないのでしばらくの間、走った状態を維持する。
しばらく走っていると一瞬だけ木がない日の当たりがいい場所を通る。森の中ではあまり感じられなかった暖かい日光と走っている途中に目の前に当たる風。涼しさを感じながら走り続けていると、後ろから轟音が聞こえた。
聞こえたと思えば、目の前にはグリードがいた。
「やぁ。ここまで逃げてこられたね」
「死んでたら逃げ切れたというより追いつかれたの方が正しいんじゃないんですか?」
キルされました。
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