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双剣と槍

 久々投稿です。活動報告に投稿頻度が落ちると書いていましたが、まさかここまでかける時間がなかったとは……(半分くらいゲームで消費してました。スミマセン)

 空いている日に頑張って書きはしましたが、投稿期間があいたのかサボり癖が発動してしまいモチベーションが少し下がっています。週2投稿は維持できるよう頑張りますが、投稿できていない2回分を巻き返せるのが少し先になるかも……

 頑張ります。(´・ω・)

 双剣に再度力を入れて槍を押し女性はバネの様に跳躍し距離を取る。そのタイミングで俺は距離を詰め、着地するために態勢を整えないといけない、攻撃を避けるために思うように動けないタイミングを狙って何度か突きを繰り出す。彼女の俊敏性から反撃を恐れたからだ。

 ただ、突きを繰り出しても、彼女は体をひねることで最初の突きを避け、槍の持ち手に刃を当て、距離を取った時のように動くことで、2撃目を避けるようさらに距離を取る。

 それでも力を入れるために少し溜めが必要なことや、槍がどの方向に押されるかでどの位置に飛ぶか予想はできるので彼女が避けるのに合わせてその方向へ走り出す。


 空中でその動きを見るかのように目が合う。俺はそんなことを気にせず突きを繰り出したが、今度は、力を入れるのではなく、槍に軽く触るように短剣を当て、それを支えに器用に着地した。

 俺は着地したばかりで即座に動けないであろう彼女に間髪入れず、さらに突きを繰り出す。


 その攻撃も華麗に避けて一度距離を取ると、どう出るかを見計らうためなのか、槍の届かない距離から双剣を構えたままこちらの様子を窺うように目を動かす。俺も同じように彼女の動きを窺う。


 改めて彼女の姿を見る。髪の毛を団子状にまとめており、目が緑色になっている。確かお団子のカスタマイズはほんの少しの課金が必要だったはずだから、結構このゲームをやり込んでいるっぽい。警戒しておかなきゃ。武器も商店街でチラッと見えたような気もする……いやでも似てるだけかも?どちらにせよ一瞬しか見てないし、情報は知らないに等しいか。今度別アカウントでリサーチに商店街歩き回ろうかな……

 服装は個人用のカスタマイズフィールドに備え付けとして売ってあったから、性能は分かる。あの時は早くプレイしたかったからざっと見た感じだったけど。

 性能は備え付けで売ってる中では結構な性能だったはず。値段も結構張ってたし。

 でもその肝心な性能が思い出せない……

 えーと何だっけ……?スキル何個あったっけ……?


「戦闘中に考え事か!?」

「やってちゃ悪いか!?」

 女性に一喝され、慌てて槍で攻撃を弾く。ついカッとなって叫んじゃったけど、まぁ他人から見ればいつもの感じだとは思うから大丈夫……だよね。

 それはさておき、攻撃を弾くとき、少し力任せに振ったのが仇となったのか、槍を流され、懐に入られてしまい頬に短剣が掠ってしまった。

 懐に入られてしまい槍を振るにも、相手の体に刃が当たらないので、距離を離す意味も含めて、膝蹴りをして距離を離す。相手の腹部に蹴りを入れることが出来たが、逆に太ももの部分に短剣を刺されてしまい、高速での移動が少し困難になってしまった。


 双剣相手に速度で上回れないのはかなり辛い。双剣の方が速いと攻撃の手数で負けやすいので、防御に回らざるを得なくなってしまう。それに防御の合間を縫って攻撃を入れても防御している側にとっては攻撃が上手く刺さらなければその後隙に防御できずに一気に防御を崩され致命的な一撃を食らうことだってある。ハンマーとかはそういう状況になりやすい武器種だと思うんだけども、そう考えると、ツリアとかカーズとかってかなりやばい方なのかな……


 まぁどちらにせよ、今は目の前に集中しないと。ツリアとカーズに出来るなら俺にだって出来る……はず。

「ハアァッ!」

 すぐに女性が攻めてくる。左上から右手に持っている短剣を振り下ろし、左手に持っている短剣を下から刈り上げるように首を狙って振る。

 首を狙った攻撃の方が致命傷になりやすいので、そちらの攻撃を避けるように動き、左上から振り下ろされる短剣は動いた時に向きを変えた槍の持ち手の端を短剣の軌道にピッタリ重ね、止める。女性は右手に持っている短剣の刃の向きをずらし槍の持ち手に沿って振り下ろす。それならばと持ち手を動かし女性の右肩目掛けて逆突きする。よろけた女性は足をフラフラと動かし、転びそうになるが、しっかりと足を地面に乗せるかのように音を立てて体勢を安定させると、再度突撃し双剣を振りなおす。

 左手の短剣で突きを繰り出すように腕を伸ばし胸元を狙う。槍を動かし、刃の真ん中あたり目掛けて持ち手をぶつけ、攻撃を弾く。その後右手の短剣をさっきダメージを受けたばかりの太もも目掛けて振る。


 怪我していない方の足に力を込めて跳躍し攻撃を避け、女性の背後に動くよう女性の体を視界に収めながら飛び越える。

 女性の頭上辺りで牽制程度に何度か槍を振ったり突いたりしたが、勿論直撃することなく弾かれてしまう。そのおかげで着地狩りはされなかったけども。

 ただ攻撃を弾かれたということは相手も同じように視界にとらえたまま。変則的な動きをしても相手は対応できるということ。こうなると一筋縄ではいかないだろう。どちらにせよ、まだ相手の手札が全て分かったわけでもないし、可能性としては他の人が来る可能性もあるし、早めに処理しておく必要があるのかも。

 そう思い、自分から仕掛ける。一歩踏み出し、5回突きを繰り出す。胸、左肩、右腿、頭部、左脛(ひだりすね)の順に。

 女性は攻撃を弾き、腿や脛への攻撃は双剣のリーチの短さから防げないと考えたのか、少し距離を取るように下がり避け、間合いを図るように一定の距離を保ったままにしている。

 それだと双剣を持っている彼女は攻めることが出来ないので、続け様に何度も突きを繰り返し攻撃出来る隙を作らせない。

 数十回ほど突いていると、タイミングを見計らって両手に持っている双剣を器用に使い、突きを強引に止め、上に弾く。その隙を狙って距離を詰め右手の短剣を振り、攻撃を始める。

 上体を逸らし、攻撃を避けた後、右から槍を大きく振る。

 自分が調整できる程度の力を込めて振った槍は左手の短剣で流されてしまうが、槍を引っ張るようにして刃をこちら側に寄せた後、左肩目掛けて突きを繰り出す。槍を流した後体勢を崩すことを予想していたのか、体勢を崩していない場合を予想していなかっただけなのかは分からないが、彼女は慌てて攻撃を防ぐ。

 ただ、双剣には[不壊]のスキルがついていないのか、左手に持っている短剣の黒い刃にヒビが入る。

 チャンスだと思い、俺は彼女の左半身を中心に攻撃をする。もし攻撃を防ぐなら、反射的に左手に持っている短剣を使うはず。右手の短剣を使って攻撃を防ぐにしろ相手が攻撃を防ぐとき、一瞬だけ考えるロスタイムが発生するだろう。そのタイミングを狙って攻撃し続ければ、いつかは消耗して致命傷を与えられるようになるだろう。

 だが、相手も防御すればそうなるだろうことは分かっているのか、逆に攻めてくる。手数は最初の時よりかは少し減るだろうけども、防御する時間が減るので防御したときに短剣が壊れて攻撃を止められずにダメージを受けるよりかは、攻撃していて壊れる方が幾分かマシなのだろう。


 そんな考えを浮かべながら攻撃を弾く。攻撃の頻度にさほど変化はないが、左手を使っての攻撃の頻度が減っている。右手の攻撃3:左手の攻撃1くらいの割合だろうか。左手の短剣を振って「まだこっちの短剣は攻撃できるぞ」アピールの牽制はしているが、それでも左手の攻撃の頻度が減っていることは確かだ。また、さっきは後隙が少しある攻撃も、もう片方の短剣でカバーできるから頻発していたが、もし壊れた時の対処法が万全じゃないのか、さっきよりも奥手になり、こちらとしては対処がしやすい。と言っても、攻撃できる隙は作らせてくれない。

 しばらくそんな膠着した状況が続いていると、刃が当たる金属音に交じって小さな足音が聞こえる。

 近づいているのか、少しずつその音は大きくなってくる。正確には分からないが、警戒はしておこう。

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