やりすぎたかもしれない練習の成果がでてきた
もうそろそろで別作品が目標の50,000文字いくのでいったときに今まで投稿するの一時的に止めてたやつ更新し始めるので、それぞれの作品の投稿ペース落ちます。
頑張る(つもり)ですので応援、お願いします。
俺が行ったこの場所は、空を見ればピクニック日和とでもいえるほどの晴天。地平線を見れば絶えず続くプレイヤーキル。ここはSt10、ネットでの通称名は「魔境」。その名の通り、プロゲーマーがほぼ全体を占めるフィールド。エンジョイ勢が入れば虐殺の如くキルされ、例え生き残るために大量にキルをしてもキルされれば通常のゲームプレイに支障しか出ない程のデスペナルティ。
デスペナルティは一定数キルをすれば解除できるが、Stの数字が低いほど、必要キル数が増加するし、レベル差が一定以上あるとハンデとしてステータスを下げられる。かといって元のStで挑戦すれば格好の獲物だ。
「とりあえず、腕試しと行くか。」
そう言って俺はNPCらしく、感情を殺し、機械らしい直線的な動きと焦点の合わない目線の動きで行動することにした。
歩いている途中、そこかしこで戦闘が起きていて、目線を動かさなかったため、よく見えなかったが、見えるのは拮抗した強者同士の戦いか、会話をするほど余裕が生まれる圧倒的な戦力差の中での戦いのどちらかしかない。
そういえばここで設定した名前を言い忘れていたので言っておくが、槍の英語名である「スピア」にした。NPCは色の名前である「レッド」とか、見た目の通りの「半袖小僧」といったキャラが多いからだ。
しばらく能天気な顔で歩いていたであろう、俺。その顔が気に食わないのか、盗賊のような見た目をしていて眼帯を付けている3人組がいた。見た目は直接言うと失礼なのは分かるので間接的に言うが、横に広めで顔に大きなムチムチなものが同化している人、いたって普通な体系だけど、少し筋肉質で髭の濃い人、体がゴボウよりもひょろひょろで今にも倒れそうなのに無駄に背の高い人。いちいち説明しているのが面倒なので、特徴を捉えて説明した順に「ポチャ」「モサ」「もやし」と命名する。
「おいおいテメェ、この俺様が近くにいるってのに無視してんのか!?アァ!?」
とモサ。
「僕たちを知らないなんていい度胸ですねムフフフフ!」
とポチャ。
「ンまぁまぁ、この子にはン~死んでもらうのが体に恐怖を刻み込めるのでン最もいいかとゥ。」
ともやし。
「そうだなぁ!!じゃあ死ね!!」
モサが持っている剣を僕の首元目掛けて思いっきり振ってきた。でもこんなことになるのは予想できたわけで、槍の持ち手部分で受け流す。そしてそのまま流れるような動きで槍を回し、刃の部分をモサの首元にスッと通す。
「ガハァ!!!」
モサはHPとDEFにステータスを振っていないかったのか、すぐに倒れて「DEAD」の表示が出てきた。
「「ア、兄貴ィィ!!」」
ポチャともやしは叫ぶ。
「よ、よくも兄貴を!!」
ポチャは涙を流しながら背中に装備して持ち運んでいた大槌を取り出し力任せに振る。
俺はこの力任せに振られた大槌を軽くジャンプして避け、大槌を使用するプレイヤーの特徴である後隙の攻撃を耐えるためのHPとDEFのステータスの高さを警戒し首元、両肩、胸にそれぞれ高速で突きを繰り出す。
「お、お前ェ!!」
もやしも仲間が呆気なくやられていくことに涙を流して悲しみながら持っている槍で突きを繰り出す。
ただ動きが直線的だったので、槍の持ち手で簡単に受け、そのまま持っている槍をもやしの槍の直線状に重なるよう回転させ、もやしの槍を遠くへ飛ばす。そしてそのまま槍を横に振り首元を斬る。
プレコロは出来るだけのキツめの描写を避けるため、血の表現を■、こんな形のモザイクのエフェクトで表現して斬り飛ばされた腕や首はすぐに消える仕様になっているため、もやしの首はすぐに消えてなくなった。
初めて対戦してみたけど、なんか一瞬で終わってしまった。ポチャとモサともやしの3人が自分の強さに驕り負けただけなのか、威勢を張ってただけで本当は弱かったのか、逆に練習しすぎていたのか結果が分からなくなってしまった。
そう考えることが頭に浮かんだが、NPCらしくすぐに感情を殺し、またゆっくりと直線的に歩いていくのだった。
しばらく進んで行くと、そもそもSt10にNPCがいるのが珍しいのか、多くの人が興味本位で寄ってきて、戦いを挑んでくる。ただ、今のところ全員、俺の攻撃に対処できず、粘るどころか、急所の一突きを反応することなく受けてしまい、そのまま倒れていってしまう。
途中から敵が来なくなったので、せっかくならと、わざとプレイヤーが大量に戦闘している中心部まで行った。
プレイヤーはほぼ全員が戦闘中だが、負けていくプレイヤーや勝つプレイヤー、勝って安堵しているところを漁夫りにいくプレイヤー、勝っても満足できずすぐに別のプレイヤーと戦うプレイヤー、他のプレイヤーと結託したりチームを組んだりして戦うプレイヤーと様々だ。
僕は戦闘が起きることなく、泳ぐ魚が周囲にいる水族館のトンネルを通るように悠々と歩いていたが、ついに俺の戦闘が始まろうとした。
「オイ」
この言葉を聞くも、あえて無視する。だってNPCなのだから。
「お前、見ない顔だな。初めてか?」
俺は答えずそのまま歩いていく。
「話くらい聞け!!」
男は反応しないことにイラっとしたのか、右手に持っている斧を振り下ろす。
俺はこの斧を左に避け、振り向いてこう言う。
「……戦うのか?」
クーッ!!かっちょええ!!自分で言うのもなんだけど、我ながらかっちょええー!!
「そうだな、語るなら自分の命を賭けるもんか。」
そう言った男の顔を初めてみる。頭は希望のない、側面に生えているだけの可哀そうなつるつるした髪型だけど、その髪型と、口の形を四角に区切るようなカクカクした髭の形がマッチし、ダンディーな感じがする。
ただ、装備の方は盗賊――というより獣を殺し、皮を剥ぎ自身の服にするような蛮族のような見た目をしている。
「ラァッ!!」
男は声を上げ斧を振り下ろす。斧はプレコロでは性能が武器ごとに違っていて、両手で持ち大型のモンスターを倒すために作られたような大斧と、木を伐る用にあるデフォルトの斧、そして、バーサーカーが持っているような両手持ち用の、リーチが少し短い両手斧だ。
男は両手斧を使用しており、片方の斧の後隙をもう片方でカバーする、ちょうどいいバランスの戦い方をしている。
ただ、骨が折れそうなほど苦戦を強いられる相手でもなく、槍の特性であるリーチの長さを生かせば、攻撃をいなせず、男は一瞬で負けるだろう。ただ、プレイヤーの戦闘を楽しませるのも、NPCの役割のようなものだ。すこしは付き合ってあげよう。
「フッ!!オゥラッ!!」
縦に振った後に横降り、横に振ればその後に縦振り。癖として規則性がついているのか、槍で受け流さずとも、普通に避けられる。
「クソッ!!オラッ!!何で当たんねぇんだ!!」
男も少し疲れの色が出てきたし、これ以上続けると埒が明かないから、終わらせるとしよう。
持っている槍の逆側――刃のない方を蹴り、回転させ、そのまま逆突きをする。そうすると男は吹っ飛ぶのでそのまま走り込み、ジャンプ。
「バイバイ。」
そう言葉を放つと、
「ヘッ、俺じゃ満足できねぇってか。」
と男は返してきた。俺はそのまま槍で心臓の部分を一突き。男には「DEAD」の表示が出る。
このまま続けようと思ったけど、予めゲームを始めるときに設定していた22:00のアラームが鳴る。
「ヤッべ!」
心の中でそう叫んだ俺は、NPCらしい落ち着きを保ったまますぐさまログアウトした。
画面が真っ黒になり、ハードの稼働音も静かになる。
「楽しかったー!!」
俺はそう言いながら体を伸ばし、ゲームの時に流れていた汗を流しに風呂に入る。
「いやー、いいストレス発散だし、NPCとしてやってみるのも楽しぃー!!」
風呂場で響く自分の声を聴いて鼻歌を歌う。そのまま風呂を上がった後、牛乳にはちみつとレモン汁を混ぜて暖めたものを冷蔵庫で冷やした自家製はちみつレモンミルク(そのままの名前)を飲む。
やっぱり、風呂上がりにはこれが一番だな~!
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