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兄弟喧嘩に混ざる仲間たち

 活動報告を先に出したので先に分かる人は分かるかもしれませんが、前話の「1」が無くなっています。今回のお話の題名が前話と違うのはそういうことです。


 それと、今回、パソコンで書いていませんので、誤字が多いかもです。気をつけて書いたつもりですが、間違っていたらごめんなさい。

「テメェが俺のバフをもらうってんなら、俺ももらえばいいんだろ![負けん気]!!」

 カーズはそう言いながら、相手のバフ効果の50%を受け取るスキルを使用する。また、こういう相手のステータスを反映させる系のスキルではお互いが使用したときに片方が先にスキルを使い一定値上がった時、もう片方が一定値上がり、それに反映されて最初にスキルを使った方が上がる。もう片方がまた上がるという無限ループを防ぐため、ツリアの所持する[執念]の効果や、カーズが使った[負けん気]の効果が及ぶのは、[狂戦士(ベルセルク)]や[天の恵み]といった強化系のスキルのみだ。


 つまり現在のおおよそのステータスはツリアが通常の79.2%([執念]の効果でステータス50%、[天の恵み]の効果でデバフ半減により、75%、天の恵みの強化で75×5%=3.75追加)、カーズのステータスが元のDEFの4分の1が戻り、全ステータスに2.5%の強化が入っている。

 これだけではどちらが優勢かは分からないが、2人はこんな表面上の数字だけで決着がつくわけではないことは分かっている。


 カーズは斧を構え、鏡合わせのようにツリアもハンマーを構える。

「「さぁ、始めるか!!」」

 同じように一歩を踏み出し、同じタイミングでそれぞれが斧とハンマーを振る。

 カーズは左から、ツリアは右からそれぞれの武器を振り、当たったと同時、武器同士が当たった感覚が伝わるよりも早いのだろうか、即座にカーズは武器の持ち手を使い、突きを繰り出し、ツリアは左足で蹴りを入れる。

 お互いが同時に反応しカーズは攻撃の軌道を少しズラしながら、斧で蹴りを防ぎ、ツリアは体を後ろに反らしながら蹴りをより強く入れようとする。その動作と同時に、不安定な体勢で無理矢理にハンマーを振りカーズに一撃入れようとする。

 その動きに気づいたカーズは斧で受けた蹴りを即座に右手で掴み上に流すように投げ飛ばそうと腕を動かす。ツリアの体勢は崩れ、ハンマーを振るのをやめると思ったが、その体勢のままハンマーを振り切る。ハンマーの遠心力で体勢を力づくで安定させながらカーズに重い一撃を食らわせる。

 カーズは空中に浮かす前に攻撃されたので、片手で攻撃を防ごうとするが、それだけではツリアのハンマーの直撃の衝撃を受けきれないことは分かっているので、膝も使い攻撃を受け切る。

 そして浮いたタイミングで斧を振り上げ、ツリアが安定させようと振っていたハンマーの間に割り込ませる。

「ハアァッ!!」

 振り上げた斧を両手でガッシリと掴み、ハンマーの衝撃を和らげる。ビリビリと流れる衝撃に耐えながら、次の動きへと切り替える。

 ツリアもカーズにハンマーを止められたので同じ様に次の動きに移る。

 ツリアはハンマーを振るのではなく槍の様に突き、カーズも斧を同じように突きとして攻撃する。

 ただ、お互いの狙いが違っていたようで、ツリアは次の攻撃に繋げるため、カーズはツリアからの攻撃を防御するため。

「考えが浅いよッ!!」

 ツリアはハンマーをカーズの斧に当てないよう、ハンマーをずらし上から下へ落ちていく、力の加わっていない状態から瞬時にハンマーを振り、カーズに攻撃する。

 ただ、ツリアもハンマーに意識が向いていたせいか、カーズが防げないと諦めと同時に振った斧に当たってしまい、お互いにダメージを食らう。

「やっぱり、似たもの同士なのかもな。」

「ハッ、言われたかねぇが、そうかもしれないかもな。」

 ツリアの振った会話にカーズは納得したくなさそうにしているが、そう納得せざるを得ないのかもしれないと、嫌そうに空を向きながら頷く。

 ツリアは、ため息を一度つき一言。

「それなら勝負が決まらないからね!!」

 ツリアは軽快にジャンプしながらカーズから離れ、

「ミユ!!ワタル!!マリー!!全員でやるよ!!」

 ギルドメンバーである3人に声をかける。ツリアは戦いながらも全員の状況を見ていたのだ。

「んなら、俺たちもそうしなきゃな!!リク、エイタ、フィリス!!」

『ああ!!!』

 お互いのギルドメンバーが同時に叫ぶ。そして全員が無意識に列を揃え、同時に走り出す。

 さっきまでの組み合わせとは打って変わって、全員が立ち位置など気にせず、自分の役割を意識した、個人のような行動をする。ただそう見えるような行動でも、お互いが味方を意識した行動に回っているのか、全体を見れば自然と連携が取れているような、そんな景色が映る。

「あんたたち!!今後のことはこの状況で考えなくていい!!全部出しな!!」

 ツリアのその声で、全員がスキルを唱えていく。


「[最後の一輪]」「[紫炎(しえん)]!!」「[導きの讃歌]!」


 ワタルがスキルを唱えると、何本もの蔓が一本の茎となって生える十数メートルにもなる大きさの赤い花が咲く。黄色い雌蕊に、花びらの根元から焦茶色のグラデーションが広がる5枚の花びら。ただその花は枯れているのか、ところどころに穴が開き、穴が空いている部分は色が落ちたかのように黄土色へと変わっている。

 ミユがスキルを唱えた時、ミユの青い炎はさらに火力を上げ、体から、紫の炎へと変わっていく。それに合わせてミユの装備も色と形を変え、鎌はより太く、より鋭利に、ドレスも色を赤紫へと変え、黒のフリルが付く。

 最後にマリーがスキルを唱えることで、マリーの体力が大幅に削られ、スキルの使用を一定時間封じられるというデバフを食らうが、代わりに自分を除く味方全員が被ダメージの75%減少という恩恵を得る。


「俺たちもあいつらに負けてられねぇぞ!!」

「勿論だ!![阿修羅(アシュラ)]」「[丸呑み(びと)]」「[原初の髑髏(どくろ)]」

 リクがスキルを唱えると、靄のように溢れ出る白い炎。殺気のようにひたすら出てくるそれは、彼の目を白く染め、髪を1束分白く染める。

 エイタがスキルを唱えると、元々口周りにあった牙のようなエフェクトがより大きくなり、それに合わせて、エイタの目元に、獲物を狩る肉食動物のような目を浮かばせる。

 フィリスがスキルを唱えると、ついさっき纏った骨に加え、地面から様々な骨が掘り出され、サイコキネシスで操るかのようにフィリスの体の周りをフヨフヨと漂う。


「私は」「俺は」


「「フィジカルで(スキルを使わず)戦う!!!」」

 それぞれの位置で戦い始める。

 終止符が打たれるまで残り16分。

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