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両ギルドメンバーの意地 1

 本当は金曜日に伝えたかったのですが、これに気づいたのが投稿後でした。(´・ω・)

 なんと!この作品、50,000PVと、ユニークアクセス10,000人達成しました!!パチパチパチ(セルフ拍手)

 他の作者さんはきっともっと多くの方に見てもらっていて、もっともっと大きな数字を達成しているから、きっと私の言っているこの数字は全体で見たらちっぽけかもしれません。

 それでも、私がはじめてこの数字までいったのは嬉しいことです。これから週2投稿になってしまい、毎日投稿ができるのは7月下旬頃からですが、その間でも作品投稿を頑張っていきます。今度は10万PV、アクセス二万人目指して頑張っていきますので、応援お願いします!!!

 ワタルが手を上げればそれに対応するように多くの植物が同じように動く。上げた手の先を波を描くようにうねうねと動かせば、動いた植物がそれぞれの指に連動するように波を描きうねうねと動く。

「さぁ、かかってこい!」

 ワタルが戦闘態勢に移る。3人に向かうように走り、同じように植物も3人へと向かう。

「邪魔くせぇ!」

 エイタがこれ以上植物を動かすまいと動いていない植物と向かってくる植物を一口に嚙む。すると待ってましたと言わんばかりにエイタを縛るように周囲の植物が動く。

「エイタ!無策で突っ込むんじゃねぇ!」

 リクがエイタに纏わりつこうとした植物をハンマーで千切る。

「フィリス!根っこごと潜って千切ってこい!」

「分かった!」

 フィリスはリクの指示を受け、浅く潜り地表の部分を掘り起こすように地中を進む。彼女の通った道はジャガイモを掘り起こすように乾いた土のまとまりと粉のように細かい土が散らばる。

 

「[地下茎]」

 これ以上掘り進めるわけにはいかないと、ワタルが一度立ち止まりスキルを唱えると、フィリスの動きが止まり、地面を掘るのをやめる。

「地中にもなんか生やされた。硬くて掘れない。」

「呑気にお話しなんてしてたら俺が殺しちまうぞ?」

 ワタルは3人の前に現れ、背中に盾を持ち、持っている短剣を右手に持つことで接近戦を始める。

「そんなちんけな武器じゃ俺たちを殺せねぇよ!代わりにお前が死ぬんだな!」

 リクがハンマーを振り下ろす。ワタルが左手で植物を操作しハンマーの動きを止める。左に回り、側面からリクを攻撃しようと短剣を振り下ろす。その時、リクの叫び声と同時に植物が千切れ、ハンマーが横に振られる。

「私だっている!」

 そこにはミユが立っている。ワタルを攻撃させまいと加勢しに来たのだ。ただ、そうするとマリーを護衛するものがいないので、そのタイミングに合わせてエイタが向かう。

 フィリスはリクの数的不利な状況をイーブンにするためにそちらに加勢しに行く。

「がら空きだぜ!!」

 エイタが走り込み右足での蹴りを入れようとしたとき、

「[逆行]!」

 マリーのスキルが発動し、数秒前の走り始めた位置に戻る。エイタは軽く舌打ちし、再度走り出すが、一度対処されたこともあって、ワタルの植物による援護でマリーに攻撃できなくなってしまった。

「んなら!食いつくしゃあいい話だ![暴食]!」

 エイタの目が[狂戦士(ベルセルク)]のように赤黒いオーラを纏い、瞳孔が猫のように細くなり、赤く染まっていく。

 ワタルは警戒して少し多めに植物を伸ばし、防御を固めるが、さっきとは段違いの速度で植物を食べ始め、さらには食べた時の範囲も空間を抉るように植物が減っていることから大きくなっていることが分かる。

「[生存戦略]、[粘着液]!」

 ワタルはそれの対策に植物に粘着液の効果を纏わせる。攻撃された部分から粘着液が滲みだしてくるのでエイタのように同じ場所を攻撃するようなプレイヤーには効果的なのだが、それすらもエイタは捕食し始める。

「ミユ!そっち頼んだ!俺はあいつとは相性が悪いが、こいつらなら対処はできる!」

「分かった!!」

 ミユはワタルの言葉を聞き、一度フィリスとリクの対処を彼に任せマリーの援護に向かう。それを見た2人は

「いいのか?俺たち2人残してよ」

「ああ、問題ない。俺ならやれるからな、[食人草(しょくじんそう)]!」

 1時間前、スピアに向かって放ったスキル。今の状況で使うことで無数にある植物の先がハエトリソウのように変化する。

「なめんじゃねぇ![回転槍(スピニング)]!」

 槍の先がドリルのように回転しながら植物を削っていく。着々と植物が減るものの、

「そんなんじゃいつまで経っても俺を殺せねぇよ。」

 それを凌駕する速度で植物が増えていく。さらに追い打ちをかけるようにスキルを唱える。

「[硬質化]」

 植物の耐久を上げ、フィリスが削る速度を遅める。

「[纏う毒の蔓]」

 そして、防御するように伸ばしていた植物を削っていたフィリスは、その事に集中し過ぎたせいか、周りが見えずにワタルのスキルに絡め取られる。

「させるか![グラウンドインパクト]!」

 リクが援護として衝撃を伝播させ攻撃を行う遠距離のような攻撃を行ったが、ワタルは巧みに植物を操り、リクが起こした衝撃を回避する。

「グ、アアアアア……!!」

 ワタルの出した蔓にバラの棘に似たものが生え、フィリスの肌を刺していく。一目見ただけではわからないが、ワタルの使用したスキルは、スキル名の通り、毒属性がある。

 毒属性を解除する方法は主に3つ。

 1つはスキルで状態異常を解除すること。1つは消耗品である毒を解除する薬を使用すること。この2つが主な解除の方法だが、回復を担う後衛のいないパーティーが解除するには消耗品が必要となる。しかし、解除するための消耗品を取り出すためにはインベントリを操作するのだが、ワタルのスキルで拘束され、動けない状態では消耗品を取り出すことはおろか、使用することもできない。

 もう1つの解除方法はこのような状況でもできるが、望みは薄い。その解除方法は、[毒無効]のスキルを得ること。このような状態異常に耐性を得るスキルは実際にその状態異常を食らうことから始まる。この行動を何度も繰り返し、はじめてその状態異常への耐性を得る。ただ、耐性は耐性。無効ではないのだ。耐性を得ても尚状態異常を食らい続け、その努力の結果として無効のスキルを得るのだ。

 フィリスは今までこういった状態異常を受ければ即座に消耗品を使い、解除していた。[毒耐性]は、「何度食らったか」ではなく、「何秒食らったか」なので、すぐに解除しているようでは到底[毒耐性]のスキルを得ることは叶わない。

「まずい!!このままじゃ……!」

 フィリスの体力がどんどん減っていく。気づけばもう半分を下回っているのだ。

 リクも精一杯の抵抗にスキルの使用元であるワタルに攻撃を仕掛けているが、生い茂った植物に阻まれ、近づくどころか、攻撃してくる植物を弾くのでやっとだ。

 リクはこのままじゃ埒が明かないと、

「エイタ!こっち来てくれ!フィリスがピンチだ!」

 エイタに救援要請を出す。

「分かったよ!!だが、こっちもピンチ!!リク、チェンジだ!!」

「応!」

 エイタとリクが立ち位置を入れ替える。対面状況はワタルとフィリス、エイタの1対2。ミユ、マリーとリクの2対1。

 それと同時にエイタはフィリスに纏わりついている蔓に噛みつき、フィリスから蔓を剥がす。フィリスは解放されてすぐに消耗品を使用し毒状態を解除する。

「危なかった……サンキュー、エイタ。」

「どういたしまして。って言っても全体的に言えばピンチかもな。」

 そう言ってエイタはミユの方に振り向く。そこを見れば、鎌を持つ赤黒いドレス姿に変わったミユがいるのだ。

「……まぁ、どちらにせよ、私たちで勝つぞ!!リク、エイタ、全力でやるぞ!!」

『オオ!!』

 [バーサーク]のギルドメンバーが声を上げる。それに負けじと、

「ワタル、マリー、私たちも頑張るぞ!!」

『ああ!!』

 [薔薇の国]のギルドメンバーも、声を上げる。

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