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公認NPC?これ、俺なんだが。 ~NPCのふりして遊んでたら運営にNPCになれと言われてしまった~  作者: おさかなの煮物


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やっと始められるストレス発散

 毎日続け様に出そうかと考えましたが、別作品と並行して書いていることや、書いていない作品があるのと、ちょっと疲れたってのがあるので、一日空けての投稿になりました。

 戦闘前の動きを完璧にするため、視点を動かさず、周りの状況を知る方法。それは音を聴くこと。

 というわけで最後の仕上げに「音感知」の練習を行う。これは、何も見えない空間で一定時間、音を頼りに寄ってくるマネキンを攻撃すること。攻撃すると「HIT!!」の演出が出てくるので攻撃できたことが分かるが、出来なければマネキンが近づき確認できずに攻撃されるらしい。どうしてマネキンって分かったのかは知らないけど。


 やるからには勿論、「難しい」を選択。振り向いて音の方向を絞り攻撃する方法が主流だが、NPCとしてやっている間に首をぶんぶん振って音を確認するくらいじゃそれは見ているのと一緒。だから俺は首を動かさず、ノールックで対処していくのだ。そもそも見えないからノールックでカッコつけた意味ないけど。

 音については立体的に捉えられるよう、通常販売しているギアのイヤホン部分をカスタマイズできる部品を買い、ギアに対応している高性能イヤホンに変更したのだ。お金めっちゃかかったけども、音が凄い立体的に聞こえるし、めっちゃリアルなゲームによくある服がこすれるような細かい音も鮮明に聞こえるのだ。

 自慢話はあとにしてさっそく「音感知」の練習を行う。「耳で視ろ」という言葉と共に、3:00のタイマーが動き始める。その空間は目を開いていても、光が届かない程の闇。見えるのは自分の体と持っている槍だけだ。

 早速音が聞こえる。左耳から大きく音が入っているけど、右耳からもかすかに音が入ってくる。


「ここだッ!!」


 そうして突きを放った方向は左斜め後ろ。画面外の場合は画面端に参画マークの矢印と一緒に「HIT!!」の文字が出てくる。

 もちろん、これで終わりというわけにもいかないので、次々と音が多方向から聞こえてくる。

 視覚からの情報ならどれが一番近くてどのくらいの距離にあるかがわかるけど、聴覚からの情報は俺が聖徳太子みたいに大量の音を聞き分けられるわけでもないので、一斉に多方向から大きい音、小さい音が聞こえる。

 かといって状況を整理するために振り向くわけにはいかないので、できるところまでやってみてそこから調整していくことにする。


 とりあえず音が大きい方が近いというのは大声で叫ぶ人が耳元で叫ぶか山の上で叫ぶかくらいの違いという謎の理論で決めつけたので音が大きい方向に攻撃していく。「HIT!!」という文字がでてくるので、順調に対処できている。ただその状況は一変する。


「痛ッ!!」


 正面からダメージを受けた。すぐさま振り払ったが、「HIT!!」の文字が出てこない。マネキンが寄ってくるような大きな音は正面から鳴ってもいない。ただ、続け様にもう一発ダメージを受けた。

 俺はすぐさま正面の音を漏らさないよう、注意を向ける。すると小さな「ヒュン」という音が聞こえてすぐにまたダメージを喰らった。


「遠距離攻撃かよ!」


 俺はすぐさま対処しようとしたが、闇雲に動き回って下手にやられるよりも、この何も見えない状況下で「ヒュン」と音の鳴った時に来る攻撃を受けるか、躱すかすればいいのだ。


「そもそも見えない中での戦闘のためじゃないもんな。」


 そうやって余裕ぶっていた俺だが、大量の音が聞こえる中、小さい特定の音を聞き分けることは至難の業だったようで、マスターするのに、2日かかってしまった。


                      +++


「ようやく、PSP完全制覇……!」


 そう言った俺はPSPのランキングを確認し、全てのランキングトップに俺のユーザーネームが入っていることを確認し、PSPのソフトをハードから抜く。


「ついに始まるぜぇ……」


 そうして俺が差し込んだソフトはプレコロ。それと課金用にキャッシュカードを差し込む。


「スイッチ、オン!!」


 耳元にある電源を入れ、目の前に移る画面からプレコロを選択。そうして演出とともに体の感覚がゲーム内に呑み込まれていき、ついに現れるキャラクター設定画面。


「なんか強そうな見た目にするぞ~!」


 そうして作ったアバターは灰色の髪の毛に深紅の色をした瞳、3本の傷が入った顔、体型はいたって普通な感じの大きさにする。

 プレコロでは戦闘の情報が漏れ出るのを極力避けるため、戦闘に関する注文や、課金、カスタマイズは完全プライベートのスペースで行われるのだ。


「まずはレベル100からだな。」


 そう言いながら、キャッシュカードの暗証番号を入力し、100レベル分の課金額を支払う。基本的に課金は武器や見た目の拡張目的なので、レベル購入には上限がある。俺は上限額を購入したのだ。


「とりあえず、次の収入までもやし生活かな~」


 そう言いながら俺はゲーム内通貨の課金も行う。これではもやしどころか、文字通りの道草を食べないと生きていけないレベルまで行っただろう。


「戦闘中に装備品が壊れるのは嫌だしなぁ~」


 そう言って俺の選んだ装備はこれ。


武器:武芸者の槍 TP+10 AGI+10 STR-5 [不壊(ふかい)

 頭:音探りの羽[赤]TP+15 STR-5[聴覚強化][空間認識][不壊]

 胸:胸当て DEF+20 AGI-5[耐久強化1.3][不壊]

 腰:もんぺ [足音軽減][疲労軽減][不壊]

 足:足袋 AGI+20 STR-5[疲労軽減][不壊]


 となっている。この英語はなんだ?と思ったが、すぐにステータスポイントの割り振りが行われた。


「武器ごとに初期ステータスが違うのか~」


 本来、最初に始めたら、装備品は見られるだけなので、ステータス調整の前に武器を選ぶのだ。

 俺は槍を買ってしまったので、槍に選択されたが、チュートリアルが消えず、説明が入った。

 槍の初期ステータスはこれ。


 HP:20 TP:30

 STR:20 DEF:10

 AGI:20


 となっている。初期ステータスは全部合計値が100となっているらしく、その後ステータスの説明を受けた。

 HPは体力、TPはテクニカルポイントの略らしく、別ゲーなどで分かりやすく例えると、MP。基本的にスキルを使うときはTPを消費して使用するものだが、一部例外として、他ステータスを犠牲にして使用するらしい。そして詳しい説明が入らなかったが、TPが高いと稀にダメージの通らない相手でも1入るという情報もあった。

 STRは攻撃力で、DEFは防御力。最後にAGIが素早さとなっている。

 このゲームではPSPのマネキンに攻撃するときと同じように急所に攻撃するとダメージが大きくなるらしい。ということで俺が割り振るステータスはSTRを低めにして、避けるならDEFも低くていいけど、紙防御のNPCはいないということで、HPを高めに設定。一応TPもスキルとかで必要になるかもしれないという理由でステータスはこのようになった。


 HP:300 TP:300〈+25〉

 STR:225〈-15〉 DEF:50〈+20〉

 AGI:400〈+25〉


 〈〉内のステータスは装備の影響。レベルごとにステータスポイントがもらえるけどどのくらいか分からないので考えるのはやめにする。ひとまず初期ステータスを足して自分の割り振れるステータスポイント合計1350とプラスアルファというのが分かった。

 スキルがもらえるらしいけど、最初は武器ごとのスキルしかもらえないため、【槍術(そうじゅつ)】しかもらえなかった。この【】のスキルはこのスキル内に複数スキルが入っていることを示しているらしい。


 初期設定が完全に終わったことで、チュートリアルも終わった。最初はNPCと対戦できてプレイヤー同士の戦闘もない練習向けのフィールドをお勧めされたけど、却下。100レベルが低レベル層の楽しむフィールドで暴れたら邪魔なので、このゲーム内で最も高い経験値が入手でき、ペナルティが大幅なハイリスクハイリターンの猛者しかいないであろうフィールド「St10(ステージテン)」へと行くことにするのだ。

 最後の方の説明、ちょっと曖昧な感じで終わったかもしれないので、分からないところがあれば質問ください。答えられるところまで答えます。

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