今後の対策として参考程度に
昨日、初めて2000回この作品を皆さんが閲覧してくれました!嬉しいです!!頑張ります!!(今の気持ちを表す言葉が無かった)
ツリア達の行動をしばらく見ていたが、様々なプレイヤーを観戦できる中でツリア達のパーティーだけを見ているのはどうかと思ったので、一度[モニタールーム]へと戻る。
「さて、次は何を観ようかな?」
見たいものは上位勢というのはある程度決めてあるが、それなりに人数がいるし、見るにしてもどういう考えを持ってみるかで今後の行動の見通しを立てるということがあるので、しっかり観察するのなら、観察するべきプレイヤーを決めておくのも大事だ。
「あ、そういえば」
俺はとあることを思い出し、とあるパーティーを見つける。そのパーティーは、ルリ率いる[ロッズ]のギルドのさや、バーン、ブルーの4人のパーティーだ。これもバランスとしては後衛4人という絶望的な構成だが、これで何とかなっているのが、彼女たちの実力の現状。俺は、戦っていたメンバーからパーティーを組んでいそうなグループを考えた時、同じギルドのメンバーでまとめるのなら、[ロッズ]の4人が思いついたのに加え、上位勢の対策をするうえでランとかの未知数のプレイヤー1人だけを見るよりも大人数を一気に見られるなら一回戦っていてかつ複数で行動している人たちを観られればいいと考えたのだ。
俺は早速カメラに憑依しルリたちのパーティーを観察する。
「さてさて、ツリア達のギルドに追い抜かれ、もうそろそろTOP10に入りそうな勢いだが、私達のギルドは大丈夫なのか?」
「ま!まぁ、大丈夫じゃないかな~?」
「そんな心配があるのは大丈夫じゃないんだよ~!」
「えー!!」
「まぁまぁお前ら……」
バーンがさやとルリの会話を止めようとするが、さやはそんなことお構いなしに、
「だいたい、私たちの実力が高いにしても!魔法しか能がない人しかいれないギルドは、こういうイベントでボロが出るんだよ!分かってるんじゃないのか?」
「だって……某作品の魔法学校再現したかったんだもん……」
ルリはハリ……まぁ、魔法学校を再現するためにギルドを創設して、杖持ち───後衛しかいないギルドが完成してしまったと。そりゃランキング追い抜かれそうになりますわな。
「別に……後衛だけでも戦えるってことを他のギルドに知らしめればいいんじゃない。」
ブルーがルリのフォローに回る。
「そ!そうだもん!そういうことだよ!私たちがそのことを示せれば、きっとそうなるよ!!」
ルリが焦りながらブルーのフォローを生かし説明する。何言ってるかは分からないが。
「いや、何言ってるんだお前」
「説明になってないが……」
「もー!いいでしょ私ばっかりに詰め寄ったって結果は変わりませんよ!とにかく、勝てばいいのよ!勝てばぁ!」
ルリは半ギレのまま1人で走り出す。
そうえいばなぜ箒に乗っていないのだろうか。俺は疑問に思ったが聞き出す方法がないので頭の片隅にでも入れておく。
「やってやるわよ!![ソナー]!」
ルリは走って一定の距離を進んだ後スキルを放つ。索敵系のスキルなのか突然進行方向を変え
「私こっち行ってプレイヤー倒してくる!」
さらに走り出していってしまった。
「やれやれ……」
「しゃーねぇ、ついてくか。」
「元はといえばさやのせい。」
「っ!なんだとぉ?」
「キレててもしょうがない悪いのはさやなんだから。」
「アーモウハイソウデスヨ!」
バーンは呆れながら、さやは自分の行動を棚に上げ、ブルーはその行動を指摘しながらルリについて行く。
俺は戦闘を早めに見たいとルリについて行く。
「見ーっけ![大炎弾]!」
ルリはパーティーを見つけると出会い頭にスキル名通りの大きな炎の弾を放つ。それも殆ど距離も離れていない中で。
そんな攻撃を振り向いた途端に撃たれるのだから、反応が間に合っても体の動きが間に合うはずもなく。
「グアアア!!」
「熱い熱い熱い!!」
「やばいやばいやばい!!」
みんな燃えてしまい、そのまま灰になってキルされてしまった。
その後、置いてかれた3人も追いついたが、着いた頃には終わっているのでやることがない。
「ルリ、私たちはチーム。みんなでやればもっと早くなる。」
「分かってるよ!」
「ルリのポジティブシンキング始まったわ」
「ポジティブとは失礼な!前向きなだけよ!」
「どっちも一緒の意味なんじゃないのか?」
「ハイハイ。んじゃ、みんなでポイント上げ始めるか―!」
『オー!!』
ブルーが改善案を出すようにルリに助言を出す。ルリも含め全員が分かっているのか、声を上げてパーティー全体での士気を上げる。
「[ソナー]!」
ルリが索敵スキルを使い近くのパーティーの位置を特定する。
「近くに4パーティー!どうする?」
「警戒しとくに越したことはない。一緒に行動。」
「オッケー!じゃあ、こっちのパーティーから!」
ルリが全員に確認を取り左前のパーティーから処理を始める。
「なぁなぁ、別に位置が分かるなら遠くから撃つだけでいいんじゃないのか?その方が安全だし」
今まで戦ってみた感じ一番全線で戦っていたさやが後衛らしいまともな質問をする。
「何言ってんの!後衛だけで戦うなら安全圏から撃って勝つんじゃなくって、近づいてから戦って勝つ方がもし前衛と戦うことになった時に対処のしようがあるでしょ?それなら出来るうちにやっておかないと!」
「まあそうだな。さっき言ったこと的にそうでもしないとな!オッケー!」
さやはルリの説明に納得すると同時に自分からそれを実践しようと敵のいる方へと向かう。あれ?確か防御魔法持っていなかったはず……
「オイさや!お前防御系のスキル持ってないだろ!」
「だいじょぶだいじょぶ!それでも勝つために前に出ていくんだろ?」
止まることなくそのまま走って行ってしまった。
俺はさやを追いかけ、この先にいるパーティーを含めて視界に収める。
「ヘイヘイヘイ!後衛が前に出てきてやったぜ!」
演出なのか、わざとらしく高く跳躍してパーティーの目の前に登場する。
「いたぞ!殺せ!」
パーティーにいる剣持ちが真っ先に反応しさやを斬りつける。だが、それはどういうわけか偽物だったようで、煙のように消えてしまった。
「じゃーん!後ろでした!」
さやは風景を身に纏い、それを洗い流すように後衛である弓持ちの後ろに姿を現す。盾持ちが護衛として弓持ちの近くにいたが、盾持ちはさやが現れた方向を警戒していたため弓持ちを挟んだ先にさやがいるのだ。盾持ちは弓持ちをやらせまいと、弓持ちはやられまいと2人の立ち位置をスイッチして防御しようとする。
「遅い![形代]!」
さやはなにか紙のようなものを発生させ、弓持ちとタンクに張り付ける。
「2枚張ったからな。頑張れよ!タンク!」
さやは突如として体を広げ「狙ってください」と言わんばかりにタンクに寄る。
「ウッ、ウオオオ!!」
タンクは一度躊躇ったものの、キルが出来るのはチャンスと考え、さやに向かって盾と一緒に装備している短剣を刺す。
「ウワァァァ!!」
とさやは叫び大袈裟に動く。そして笑みを浮かべながら、
「なーんてね!」
と言いながら刺さった短剣を押さえながら一歩下がる。すると盾持ちの後ろにいたはずの弓持ちが突如倒れる。腹部に傷のエフェクトが発生し、そのまま「DEAD」の表示が出てしまった。
「な……何をした!」
盾持ちは状況が呑み込めず持っている短剣をさやに向けたが、
「何って、スキルを使ったんだよ!」
さやはふざけた回答をして相手を挑発する。だが、盾持ちはスキルを使ったということからさっきのスキルが関係しているということを考え、自分にも同じ効果のスキルをかけられたことからもう一度攻撃すると今度は自分に攻撃が帰ってくると考えたのか、迂闊に手を出せないでいる。
「うーん……やっぱりバレてる感じ?まぁいいや。別にこのスキルで相手をキルするのは簡単だからいいもんね![自死の呪い]!」
そう言うとさやは突如として血を噴くようにモザイクのエフェクトを飛ばす。その場に倒れ込んだのでおそらく自殺をトリガーに発生する何らかのスキルを使ったのだろう。その証拠にさやと剣を持ったプレイヤーの影が一直線に繋がれ、剣持ちも同じように倒れ込んだからだ。だが、突如として影が結ぶプレイヤーの先が変化し、盾持ちと剣持ちを結ぶ。すると盾持ちも同じように倒れ込む。
「さてと……あとはそこの1人だけど……」
さやはこの場を見ただけで3人しかいないのにもう1人いると言いながら杖を構える。
「戦うのか?それとも逃げるのか?」
さやは茂みに目を向けその場で立って相手の動きを窺う。
さやが見ていた茂みが突如として揺れ人影が現れる。だがその人影はさやから離れ一目散に逃げているようだ。
俺は逃げている人を見るために移動し、視界に収めながら移動する。
「ハァ……ハァ……あんなの、勝てっこないよ!!」
飛び道具で戦うプレイヤーなのか、女性は腰の部分に多くの消耗品を装備している。
だが、遠目に見えるさやは杖を振り、スキル名こそ聞こえなかったものの、瞬時にこちらへと届くスキルを放つ。
「カ……ハッ……!!」
胸元を大きく抉りながら貫いたスキルは長い手の形をしていて腕を伸ばして体を抉り、抉った部分を持ちながらフッと消えていく。
プレイヤーはその場に倒れ込み、「DEAD」の表示を出す。
グロイ……




