暇つぶしに1人で実況する
本当は昨日言いたかったんですが、投稿時間過ぎたのでこの話の前書きに書きました。
この作品、なんと500ポイント突破しました!!
本当に嬉しいです!このサイトに投稿を初めて約8ヶ月、この作品を投稿し始めて4ヶ月。振り返ってみれば長い……という話は置いておいて、本当にありがとうございます!!
グリードにモニターでも見てろと言われたけど、この空間はさっき見た通り、一面真っ黒。
「あの、モニターって……」
「ああ、そういえば説明してなかったな。」
質問すると、グリードがさっきの説明責めとは全く違い、丁寧に説明してくれる。
「この空間は[モニタールーム]の類だ。いつもの時はStごとにそれぞれの’’神’’が見ているだろ?それが[モニタールーム]だ。いつもはマークしたプレイヤーを表示するボードとか、それぞれの担当が好きなようにフィールドを改装したりしているからもうちょっとオブジェクトはあるもんだ。だが、今回のイベントで称号を付ける気はないし、それぞれが各自自由に動いてイベントフィールドを動き回っているから[モニタールーム]はお前が死んで一時間待っている間、暇だろうからここに引き止めるために急ごしらえで俺が作ったってわけだ。」
グリードが俺から少し離れ、見やすい位置に移動すると、[モニタールーム]の使い方を一通り教え始めた。
「ま、その話は置いといて、[モニタールーム]は本来、GMTのプレコロ担当職員しか入れないからな。ギアを付けてここに入る前に大抵説明されるからすっかり忘れてたんだ。ま、簡単に使い方を説明するなら、スキルみたいな感じで[モニター:ON]って言うとほら、画面が出てくる。増やしたいときは[モニター:3]とか語尾の数字を変えてくれ。んで、モニターが表示するカメラの位置や視点を変えたいときは[カメラマップ]って言ってカメラの位置を見てからタップしてモニター画面を変更したり、見ているモニターの設定、視点とかだな。それを変えたいときは[カメラオプション]って言えばいい。そうするとフィールドに設置されている透明なカメラに憑依して動ける。一部の職員はカメラに憑依して見たいプレイヤーをひたすら追っかける人がいるとか。臨場感があるからな。ま、好きなようにするといい。俺も近くで見てるから、なんかあったら言ってくれ。」
一通り────と言ってもそれなりに長い説明を受けて、実際に使用してみる。
「[モニター:ON]」
試しにモニターを1つだけ開いてみる。そこにはツリアと共に行動しているミユ、ワタル、マリーの4人が映っていた。
「グリード、これって音聴けないの?」
「ああ、それなら[オプション]使ってカメラに憑依したらできるぞ。」
「分かった![カメラオプション]!」
実際にスキルを使用すると、カメラに憑依することが出来た。
カメラに憑依すると、突然視点が落下し、地面に激突し、その場に転がるように視点が動いた後、地面を映し、止まる。
「おわァッ!?」
さっきのカメラは空を飛んでツリア達を撮っていたのか、ドローンのように飛ぶことが出来るらしい。
操作方法が分からないので、視界の右上に表示されている「?」をタップする。
ふむふむなるほど。イメージするだけでいいのか。飛びたいと思えば飛ぶイメージをして、カメラをズームしたいと思うのならそういうイメージをすればいいのか。
試しに自分の背中に翼が生えて空を飛ぶイメージをする。すると、視界がフワッと浮き空を飛ぶ。
「さて、ツリア達はどこだ?」
さっき、左側に移動した気がするのでそちらへ進む。そこに映るのは、ツリア達のパーティーと4人で行動するパーティーが戦闘を始める映像だ。
「行くぞ!!上位勢だろうが何だろうが、俺たちは負けねぇぞ!!」
「「「オオ!!」」」
ツリア達はさっき見た通りの、タンクと後衛というクソみたいな編成をしている。だがまぁ、ただでさえ1人で強いような奴らが集まってある程度のチームワークがあるなら正味どんな編成でも勝てるとは思う。
対する相手の構成は槍1盾1魔法使い2の前衛、タンクと後衛2に別れた構成だ。タンクがしっかり働けるのならある程度実力に差があっても安定して戦えるだろう。
「[防御強化:小]!」「[聖なる護り]!」
お互いの後衛が味方にバフを与える。ただ、マリーのスキルの方が効果が強そうだ。
相手の槍持ちはツリアが迎撃してきたので対面を始める。
「ハッ!!」
一手一手を正確に攻撃する。ただ、一手一手が丁寧すぎて少し動きがゆっくりなのとツリアの行動が早いので、どの攻撃も攻撃が届くよりも前に止められている。
「ハァッ!!」
今度はこっちの番だと言わんばかりにツリアは次の攻撃が届く前にハンマーを当てる。槍持ちはハンマーの衝撃を受け止め、地面を擦りながら後ろに押されるが、ダメージが大きいのか、その場に倒れる。
「![回復]」
後衛は驚きつつも槍持ちを回復する。だが、そんな休憩できる時間などなく、ツリアは間髪入れずに攻撃を続ける。
「[防御魔法]!」
後衛が防御魔法を放ったが、この防御魔法に耐久値があることは俺が知っているし、割った場面をついさっきツリアは見ている。それに、俺よりSTRが高いとなれば、防御魔法を割るのは容易い。
防御魔法が割れる音が響くと同時に、力任せに振られたハンマーは槍持ちの体にクリーンヒットし、「DEAD」の表示を出す。
前衛がいなくなったパーティーが次に狙われるのはもちろん、残った後衛。タンクなどしっかり役目を果たさない限りは優先されないのだ。
「[力の祝福]!」
マリーの強化バフ───恐らくSTR上昇のバフをもらったツリアは赤いエフェクトに照らされ、タンクが邪魔だというように、ハンマーを横に振る。攻撃が直撃しようが盾で受けようがお構いなしに吹っ飛ばし、後衛二枚だけを残す。
「さてと、君たちの拠点はどこだい?死にたくないなら教えな。」
ツリアはハンマーをしまい、後衛2人を脅す。本来ならキルされる方がポイントの減少が少ないのだが、パーティーの2人がやられ、焦っている今ではそんなことなど考えることが出来なかった。
「ハァ……やることなかった……」
「まぁ、それだけ俺たちが強いとでも捉えておけばいいだろ」
やることのないミユとワタルは少ししょんぼりしているが、まぁ相手のパーティーが自分自身の実力に合わないツリアと戦ったわけだから当然の結果と言えばそうだろう。
ツリアに脅され、自身のギルドの拠点へ敵を連れ込んでいる後衛2人。ツリアの実力的に始まりの村に魔王を連れ込む村人AとBとでも言えばいいのだろうか。
「こっ、ここです……」
村人AとBが案内した場所は大きな岩に暖簾のようにかかる茂みの下。ツリアはその先を覗き、実際に拠点というのを確認したのち、
「おー!ここが君たちの拠点か。んじゃ、ご苦労様。」
役目を終えた村人Aと村人Bは魔王がハンマーを一振りするだけで消えて無くなってしまった。
「よし!突撃するか!!」
ツリアは少しだけ上機嫌になりながらギルド拠点へと潜り込む。本来は見つかりにくい場所にあるため、防衛がいないのだが、上位勢たちが解散したことで戦闘が活性化し、死んだことで拠点にいる人が何人かいたのだ。
「!?てっ、敵襲!?」
「構えろ構えろ!!」
本来敵など入れないよう隠れ家的な位置にあったのだが、村人が導いたことにより、魔王がやってきてしまった。
「私たちも、頑張りましょう!!」
「はーい」「分かったよ」
「「……って言ってももうツリアが全部やっちゃってるからなぁ……」」
3人を見ている間に、ツリアは拠点にいるプレイヤーを一掃し、オーブを破壊する。
すると、アナウンスが入り、
『ツリアがギルドのオーブを破壊しました。』
と共に、ランキングにいるとあるギルドのポイントがガクッと下がった。
「さ、また移動するか。」
ツリアは満足したように拠点を後にする。
「もう、俺たちいらないんじゃないか?」
ワタルは少し疑問に感じながらとぼとぼとツリアについて行く。ミユも話してこそいないものの、同じような行動をしている。
そして、マリーはそれを面白そうに見ているのだった。
これからも頑張って次の目標は1000ポイント目指して、頑張っていきます!
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