戦闘は残酷であることが一番の時短であるがそれはNPCとはかけ離れているものであり
これまでの話を投稿した時に、今まで以上に多くの方が見てくださったので、今日は別作品と同時に投稿させていただきます。
俺の朝は少し遅い。
アラームを6時から7時まで5分おきにセットしても、どうしても7時過ぎに起きてしまう。もう習慣化してしまったのだろうか。
起きたら部屋のカーテンを開け、うがい、顔を洗った後に白湯を飲む。コーヒーはあまり好きじゃないからね。
朝ご飯は基本的にスーパーで売っている総菜パンや食パンにバターを塗りオーブンでこんがりと焼いたものを食べる程度。野菜が取れないので野菜ジュースか青汁も一緒に飲んでいる。
食べ終わったらシャワーを浴び、着替えて歯磨きをする。後は8時になるまで、会社に持ち込む資料の確認や忘れ物がないかのチェック。
8時を過ぎたら駅に向かい、電車に乗る。自分の駅がA線の終点なので、運が良ければ椅子に座れる。まぁ、基本的に椅子は空いてないから立ってるんだけどね。
電車の中では暇つぶしに今日のニュースの確認。
そうすれば9時までには会社に着く。
「おはよう、力くん。」
「おはようございます、部長!!」
部長の優しい声で元気が湧く。そうすれば仕事にありつけるのだ。
ちなみにストレスの原因となる部下たちは本日たまたまお休みのようで……無断欠勤なんだけど。
ということでストレスの原因がいないので部長にストレスがたまってないかチェック!
「部長って最近ストレスとかって溜まってたりします?」
「まぁね~ここで堂々と言うのもなんだけど、溜まってるよ。まさか、今日飲みに連れてってくれるの!?」
「いや~ごめんなさい!!飲みに連れていくのはしばらく無理そうです!!いや、連れてけない原因にもなるんですけど、最近、ストレス発散目的でゲーム買ったんですよ。」
「なるほどねぇ~確かに力くんゲーム好きだし、楽しく出来そうかもグフフフフ!」
部長は僕がゲーム買ったことに対し、どうやってストレス発散しているのか思い浮かべながら悪役みたいな笑い方をする。でもそこも含めて癒されるんだよなぁ~!ちなみになぜだかは知らないけど、部長の頭の上に可愛げなイラストで僕がどうストレス発散しているのかが描かれているように見える。これも会社全体で部長についての話題にもなっている。
「部長はストレス発散に何してるんですか?」
「まぁ、僕はさっき言ったみたいに飲みに行くこととか、あと子供たちと遊ぶとか?それでも貯まるストレスはあるから悩みすぎるのもよくないと思うよ!」
「適度な発散が大事ですね~」
「よし、ある程度まとまったところで僕たちは仕事に取り組むとしますか!!」
その言葉で僕の集中のスイッチが入る。それからは資料をまとめたり、経費を整理したり取引先とのメールのやり取りなど、様々あったが、疲れれば部長を見て癒される。まるで在宅勤務で飼っている犬や猫をみてリフレッシュするように。
そんなこんなで今日の仕事は残業する必要もなく、定時に帰ることが出来た。でも、電車で帰るので、家に着いたのは19時ごろ。……と言いたいけど、今家の冷蔵庫は空なので、スーパーである程度食材を買ったので30分に帰ってしまった。
夜ごはんは、白米と味噌汁と、惣菜コーナーにあった鮭の塩焼きと野菜サラダ。
すぐに食べ終わり、歯磨きを済ませてからPSPを始める。
部長に話して、飲みに行くことを期待した以上、遅れるわけにはいかないので、急いでプレコロを始める準備を済ませる必要がある。
と言っても、昨日とやることは変わらない。カウボーイの持つ銃口の向き、トリガー部分の動き、順序、避けるための無駄のない動作をただ極めるだけ。
最初は一日空いたせいで感覚がおぼろげになっていたけど、すぐに立て直すことが出来た。
何度も挑戦するたびに失敗し、どこを改善すれば流れるような動きになるか、動きに連動してどうやって物を見れば次の動きにつなげられるか理解できてきた。
幸いにも明日から土、日、月の3連休。明日の土曜日は有休をとるので好きなだけゲームしても、仕事に影響は出ない。
追求したいことをひたすら追求していき
「これで……最後ォ!!!」
ついに3:00間全ての弾を避け切ることに成功した。俺はとにかく喜んだ。声を上げ、腕を高く掲げ体を反って……
「いや、でも偶然かも……」
とっさに浮かんだ考えの真偽を確かめるため、この後10回ほど挑戦したが、全てノーダメージでクリア。
弾避けが終わったところで、次は実戦形式の練習。様々な攻撃手段を持ったマネキンのような見た目のNPCが大量に襲ってくるので、的確な判断をしつつ、攻撃をしていく必要がある。
そこで俺の選んだ武器は「槍」。剣や刀もいいと思ったけど、リーチがないので、囲まれたときの遠距離に対する有効打がない。大槌や斧は重量なので、避けきれない。弓や投擲などの攻撃手段も、近づかれては意味がない。それならリーチがあって近距離も対処できる槍か薙刀のどちらか迷ったけど、突きという攻撃の隙が小さい手段を持つ槍の方がいいと判断して選んだのだ。
弾避けで「難しい」を選んだので、こちらでも「難しい」を選択。
すると、東京のビル群が何らかの影響で崩れ落ち、ところどころ煙の立っている荒廃した街並みとなっていた。そこの瓦礫からマネキンのような見た目のNPCが大量に出現。「すべて倒せ」の文字と共に、5:00のタイマーが動く。
マネキンにはHPバーがないが、一定ダメージを与えると壊れてくれる。それに情報によれば、急所に攻撃することで、ダメージの数量が上がるという。
つまりここで求められるのは「弾避け」の時と同じ反射神経、視る力、状況判断、体の使い方に加え、的確な予想、体の使い方を応用した攻撃の方法などだ。今述べたほかにもまだあるとは思うが、思いつかない。
とにかく、マネキンの急所目掛けて攻撃するのと、すべての攻撃を避けることを前提にやってみることにする。
最初の方は順調に言っていたけど、後半になるにつれ、マネキンの出現数が増え、遠近両方の攻撃に対応する必要が出てきた。
そこで俺は今までの方法を振り返る。避けることに意識を向けすぎて、決定的な攻撃を与えられていない。そして急所を狙うことに意識を向けすぎてしまい、一体ずつしか攻撃していない。
そのため急所を狙ってマネキンを減らすよりも、いかにマネキンを遠ざけて余裕を作ることを中心として練習することにした。
避けることは最低限にする。その意識をするだけで俺の攻撃スタイルは変わった。
ダメージを受けようとも攻撃をやめず、近くにいるマネキンを巻き込み遠距離攻撃を持つマネキンがいればマネキンをボウリングのピンのように飛ばして最優先で突撃したり、マネキンを盾に攻撃を防いだりした。
この状況を見れば俺は狂戦士とでも言えるのだろうか。それでも順調にマネキンを倒せるし、タイムだって稼げている。
こんなことをするだけで、最初は1:00程度でゲームオーバーになってたけど、今じゃもうクリアしてしまった。
「クリアしたはいいけど、これじゃNPCっぽさに欠けるな~」
そう考えたことを口に発した俺はNPCらしさを出すための正確な動きを意識する。
ときには囲まれたピンチを抜け出す少し荒っぽい動きが必要になるかもしれないけども、それでもNPCらしいきれいで正確な動きを心がける。
急所を狙った動きは、首や頭部だけでなく動きを封じるための太もも目掛けて攻撃するだけでなく、避ける動きに対応できる範囲の急所を狙って攻撃するようにする。
これらを意識してやるとかなりの時間がかかってしまったが、マスターすることが出来た。
「あとは接敵時以外の動き方や反応の方法かな……」
戦闘の動きは問題ないのだが、そもそも戦闘になるためにどうするべきなのかを考えた。NPCというのは攻撃されるまで反応せず、決まったルートをひたすら歩き続ける。俺自身がNPCの時、不意な攻撃に対応するために常に首を振って動くわけにもいかないので、次は音から周りの状況を察知できるように頑張らなきゃ!!
前書きに別作品と同時に出すと言いましたが、それが原因で明日は投稿できないかもです。自業自得ですが、明日から予定が入り始めますのでね~。
……毎日が休みってないのかな~