ウォーミングアップのために上位勢を狩る
本当は日曜日投稿でしたが、時間が過ぎて……
せっかく集中して書くためにエナドリ飲みながら書いたのに……意味なかった……
今、俺が向かっている方向には一度戦った上位勢が1人、戦闘している。
ただ、その上位勢は大量のスキルで相手を押し込み、着実にダメージを与えている。
そう、俺が今戦おうとしているのは、フウまるだ。ただ、彼自身も何かしらの練習をしているのか、前回よりもスキルを中心に戦うというより、スキルとスキル無しの個人の動きの繋がりをより滑らかにする戦い方へと変化し、前回戦った時よりも隙がより少なく、スキルとスキルとの繋ぎかたも巧くなっている。
「それでも、ウォーミングアップとしていく感じだから、なんか申し訳なく感じてきたなぁ……」
そんな言葉を言いながらも反対の行動をします。
フウまるが戦闘が終わりそうになった瞬間に、歩きながら割り込む。
「ウオッ!!また来んのかよ!」
フウまるがこちらへ刀を振り下ろしたので攻撃とみなさせるクソみたいな行動をしたのち、フウまると、戦っていたプレイヤーに突きを放つ。
少し短く軽いクルセイアは180度の反対方向でも滑らかに突きを放てるほどの使い勝手の良さ。
1人のプレイヤーは致命傷となり「DEAD」の表示と共に倒れていく。フウまるは、反応はしたが、腕に浅い傷を負う。
「なんか、前より強くなってねぇか?それに武器も変わってやがるし。」
焦りを含んだ声が聞こえるが、戦うという意思に変わりはないようで、刀を構え、走り出す。
「俺は、あの時とは違うんだよ!!」
あの時、最初に放った瞬間移動にも近いスキルを先手に使わず、自ら走り出す。反撃されることを読んでの行動なのだろう。
「[昇竜]!!」
前も放ったようなノックバック効果のあるスキルで攻撃し、宙に浮かす。
「ここだ![一閃]!」
行動しにくい空中にいる俺に向かって前回最初に放ったであろうスキルを撃ち込む。俺が空中での攻撃の対応の際にダメージを受けたことからの改善策なのだろう。確かに、俺が本当にNPCで成長しないのなら、当たっていたのかもしれない。でも俺はこのままじゃカーズに勝てないと日々努力してるんだ!
そんな熱い気持ちと反対に冷静な顔つきで刀を弾く。刀を弾かれて無防備な体に一度突きを入れる。
「嘘だろ!?」
彼は反応こそできたものの、あの時の俺と同じように空中での行動が制限されているため、体を横にずらし避けたが、胸部に一本の傷跡が出来る。
血を噴くようにエフェクトが飛び散り、フウまるも咄嗟に手で傷口を押さえる。
地面に着地し、数歩下がるフウまる。ただ、劣勢の中で希望があるような輝く目が一瞬見えたので、無闇に突らず、一度距離を取る。
「結構ダメージ痛いけど、こっからこっから!お前だってそうなんだろ!?俺も、強化できるんだ![血刀]!!」
そう言うと、フウまるの傷口から出ている血のエフェクト含めて棒状にまとまっていく。その形はフウまるの持っている刀と同じような形へと変化する。それに加えて、刀から球状の赤い球が現れ、形を変えながらフウまるの体に装着される。両腕に着く籠手と顔の下半分を隠す般若の牙をむき出しにするような形をしたマスク?が装着される。
「さぁ、復習の戦いだ!」
フウまるは闘志を燃やし、こちらへと向かってくる。
「[血染]!!」
そのスキルを叫ぶと、フウまるの刀身が伸び、軌道上にベールのように広がる血のエフェクトが伸びる。何かしらの効果があるのが分かるので、近づかないようにするが、フウまるはそこに触れても特に問題ないのか、軌道上にできたベールを気にせず進んでくる。
反撃として何度か突きを食らわせるが、届きそうな攻撃はすべて弾かれる。また、軌道上に近づけないため、クルセイアのリーチの短さが仇となり、満足に攻撃できない。
ただ、赤いベールにどんな効果があるか分からずに触れていないが、別に武器なら問題ないだろうと、一度それを通して攻撃してみる。効果が分からない以上、ただの目くらましだからね。
一歩下がり、フウまるが攻撃しようと踏み込んだ瞬間にベールとフウまるの視線が一直線になるように動き、一突き。
当たったような手応えはあったが、その手応えは赤いベールに弾かれた手応えであり、フウまるに当たった手応えではない。
「かかった!!」
フウまるはというと、ベール越しの俺は見えていたようで、素早い振り下ろしを正確に当ててきた。
反応こそできたものの、来ることを予想していなかったため、少しだけ遅れてしまい、左腕に傷を負う。
「仕方ない。お前が強くなったと言うのなら、こちらもやる気を出さねばな。」
前回と同じようなくだりを通して[狂乱の宴]を発動する。
それと同時に武器をクルセイアからイネイシァルに変更する。
「前回と同じようにはいかないぞ。」
見下すような口調でフウまるに話しかけ、さっきの戦い方と変え、フウまるへと突撃する。
フウまるは刀をわざと闇雲に振り、蛸が墨をばらまくように赤いベールを大量に発生させる。目くらまし兼防御の役としてはかなりいいのかもしれないが、闇雲に振ったことでわずかな隙間が残っている。
イネイシァルに変えたことでさっきよりもリーチが伸びているため、攻撃を加えやすくなった。
それでも加えられる攻撃には制限があるため、俺は満足にダメージを与えられない。それにフウまるは問題なく攻撃しているので状況はあまり変わっていないと言えばいいのだろうか。
俺はこの状況を変えるために赤いベールに攻撃を加えると弾かれるという特性から、一度跳躍し、武器を足場に高く跳ぶ。流石にフウまるも予想していなかったのか、上側にベールは発生させていない。それでもベール越しに見られているのですぐに発生させられてしまう。
それでも跳んでしまった以上、ここから行動はできないので、上に敷かれたベールに向けて落下の動きを力に変え、思いっきり突く。
ベールはビニールに指を突っ込むように伸び、そのまま弾くと思われたが、ビニールのように破れてしまう。
俺はそれを見た途端「力任せに振れば全部破れるんじゃね?」と考えたので、ベールがあって槍を振りにくい狭い空間だろうが関係なく、いつも通り、力任せに槍を振る。
実感としては重さが増したこと、持ちやすさが格段に良くなったことでより力が伝わりやすくなっている。
さっきの苦戦はどこに行ったのかというほどに槍が当たるたびにベールが破け、フウまるも
「嘘だろ!?壊れんのかよ!?」
と千鳥足になりながら後ずさり、焦りを全面に出している。
ただ、ベールが破れると言ってもある程度振る速度が遅くなるし、破った後に結構な力を加えていて少し振り回されそうになっている。それでもフウまるは危険だと判断しているのか、後ずさりしながら刀を振るい妨害し続ける。
このような状況が続き、いたちごっこが始まると思ったが、そういうことはないらしく、
「あ」
フウまるのこの声で突如ベールが熱で溶けるアイスのように消えていき、フウまるの体についている籠手や持っている刀も同じように消える。
「スキル切れたぁ!」
フウまるはもう勝ち目がないと、諦めたように一目散に逃げていく。
勿論、AGIの数値は元々俺の方が高いので普通に追いつかれ、背中を斬られる。
「あぁ……もう勝ち目無いやろこんなん……」
と弱音を吐き消えていく。
誰もいなくなったところで
「うーん、武器の扱いは問題ないけど、クルセイアの使い方がちょっと難しく感じるなぁ……リーチは仕方ないにしても、突きが難しいのはなぁ……」
考えたことを独り言として漏らす。
「よし、もっかいメルクのところに行こう!」
そう決めたところで一度St11を抜けることにしたのだった。
最近の前書き見てたら「投稿遅れました」が多いことに土曜日、気づきました。
基本的に投稿は遅い方だと思いますが、それでも言っちゃいますね。
来週末あたりから投稿ペース上げられるので頑張っていきたいです。(願望)




