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他にはないNPCだけの武器

 投稿遅れました。平日、書く時間あったんだけども、最近ゲームにのめり込みすぎて……(目を逸らす)

 ゲームをやめ、さっさと寝た次の日、スマホの通知音と共に起きる。

「お、GMTからイベントの通知来てる」

 その内容は、今週末に開催されるイベントの、スピアがNPCとして実装されたころに先にグリードからもらったルール内容がより細かく書かれている。

 中にはルールが変わっているものもあり、俺がキルすると元々は2ポイント減少だったが1ポイントに減らされている。

 あの時説明されていない情報を加えるとするのならば、開催日が今週の土曜日であること、20:00~21:30の開催でも試験的な運用でサーバーの時間間隔の引き延ばしを行い、体感の時間をおよそ8時間にするそう。

 そして、そのサーバーの時間間隔の引き延ばしを行うことでサーバーに負荷がかかるから休息としてSt11(ステージイレブン)がイベント終了から日曜日まで封鎖されることが告知されている。

 会社に行く準備を終え、電車に乗り、掲示板の方はどうなっているのかと確認する。

 会話の内容はそのまま出しはしないが、掲示板ではイベントで燃えている人が多い。また、時間間隔の引き延ばしがどのようなものか、気になっている人も多くいるようで、時間間隔の引き延ばしの方法を考察するスレも立っている。

 会社に着けばいつも通りの風景。最近は部下たちもどういうわけか、仕事をこなすことに積極的になっている。ただ、それでも反抗的な態度はあまり変わっていない。

 今日は部下たちは告知されたイベントについて楽しそうに談笑しながら仕事している。

「イベントの詳細、前も少し出ていたからそこから考察している人もいたけど、内容としてはシンプルなギルド対抗戦って感じだったな~。」

「ね。あれってチーミング的なギルド間の同盟があるけど、あのNPC倒した後仲間割れのリスクあるから、個人的には参加したくないけど、メリットはあるにはあるし、別のギルドが積極的に戦ってくれるならそこで消耗させられるから、結構悩むところなんだよね~。」

 ギルド間の作戦の話でもしているのだろうか。ま、作戦のスレ見てないからよく知らないし、知りたくないから仕事に集中しよ~っと。


                      +++


 毎日ログインして今日は金曜日。しばらく印象に残ったプレイヤーに会わず一瞬で終わる試合ばかり続いていた。

「そうだ、メルクの事だからはりきって武器もう作り終わってるとか無いかな?まだ会って一回しかないけど。」

 せっかくなら新しく手に入れられる武器をイベントで使ってみたいものだ。というわけで思い立ったら行動。21:00に一回抜けるけど、まぁいいよね。メルクがいる路地裏まで爆速で駆け込み、メルクの店まで行く。

「お!1週間言ったのに早いな!!待ちきれなかったのか?」

「実は次の日にイベントがありまして……」

「そいつは丁度いい。俺も武器がついさっき出来上がったってもんだ。見てぇんだろ。こっちだ。」

 そこには2本の長さと色がそれぞれ違う槍がある。

「まずはこの長い方。お前の戦い方の1つである攻撃優先の戦い方。力任せにやっている感じだから、頑丈で少し重めの力が乗りやすい槍だ。一応持ち手部分の太さはお前の手の大きさから大体フィットするよう調整したが、大丈夫そうか?」

「ああ、丁度いい。重さもずっしりしているが、振った後の遠心力で振り回される感覚が少ない程度の重さなのもいいな。」

 どういうわけか俺自身にフィットする槍となっている。オーダーメイドではあるけど、一回しか会っていないし、ましてやどんな戦い方かも説明していないのにここまで分かるなんて、逆にメルクの方が神だろ。

「そうだ、こいつの名前は[イネイシァル]だ。まぁ、使い続けるなら愛称でも考えるといい。」

 イネイシァル。もう一度その槍に目を向ければ全体的にレンガのような赤茶色をした武器となっている。刃も赤茶色となっているが、錆ではなく、鋭く、滑らかと言えるほどまでに磨かれた刃となっている。

 持ち手は黒こそ大部分の色となっているが、デザインとして赤茶色が多く使われている。赤茶色の部分は石でも使っているのか、そう思えるようなザラザラとした手触り。これが滑り止めとなり、格段に持ちやすくなっている。

「そして、この短い方。お前のもう1つの戦い方、正確な動きによる攻撃と回避を両立させる動きに対応できるよう少し短くした。少し狙いをつけやすくするために刃を2つ重ねて上から見れば十字の形になるようにした。回しながら突きを撃てるのなら攻撃力は大きく上がるが、その時はその時用に作るから回すことで攻撃することを中心に作ったわけじゃないことは理解してくれ。それと耐久性はもちろんのこと、動かしやすいように中を空洞にしているから結構軽めだ。」

「おわっ!軽ッ!」

 さっきとは驚くくらいに重さに差がある。見た目はほとんど変わらないというのに。

「こいつの名前は[クルセイア]だ。[イネイシァル]と使い分けるようにな。」

 クルセイア。イネイシァルと対比でもするかのように、紺色を中心に作られ、刃も青みのある黒い刃となっている。さっきの説明の通り、刃の形が少し特殊になっている。ただ、正しい使い方をしないと、刃が変に引っかかってしまい十分なダメージを与えられない場合があるだろう。例えば、振り払いをするとき、刃の部分が直角に曲がっているのでその部分が邪魔になり、最後まで斬ることが出来ない。癖があると言えばあるし、そもそも扱うのも少し難しいだろう。ただ、それでも突きを意識した動きがしやすくなるという点ではかなりいい武器なのかもしれない。

「ありがとうございます!」

「おう、また今度気になることがあったらいつでも頼んでくれよな。」

 俺はお礼を一言いい、練習がてら、もう一度St11(ステージイレブン)へと潜る。

 早くイネイシァルとクルセイアを使いたい気持ちを抑え、NPCとしての動きを頑張る。

 いつも通りの動きとしてなら、最初はクルセイアを使うべきと俺はクルセイアを持ち、歩き続ける。

 すると1人のプレイヤーが俺の実力を確かめるよう、剣を構えながら少しずつ近づいてくる。

「ハアッ!!」

 目の前に構えたまま、ここだと言わんばかりに剣を振り上げての攻撃。ただ、勢いよく振り下ろしているのもあるのでおそらくがら空きの腹に攻撃するとそのまま背中に斬撃を食らうと思うので、振り下ろされた剣を持ち手部分で流し、刃でより正確に狙いを定め、腹の中心めがけて突きを放つ。この時、メルクが言っていた回転しての攻撃を少し意識する。メルクは回すことを中心に使ってほしくないと言っていたが、威力を確かめるという意味でも今回は回して使ってみることにする。

 威力は申し分なく、腹が抉れ、そこから奥の景色が少しだけ見える。

「グフッ!」

 血のエフェクトを口から吐きながらプレイヤーは消えていく。

 周りに人がいないのを一度確認してから独り言を漏らす。

「クルセイアを使ったからイネイシァルを使いたいんだけど、おそらくこの武器は[狂乱(フィーストオ)の宴(ブフランジー)]か[愚者の矜持(フール・プライド)]を使わないと戦闘スタイル的に無理そうなんだよなぁ……なんか強いプレイヤーいないかなぁ……」

 俺はそう言った後、NPCらしく歩きながらそんな感じの強そうな人がいないか探す。

 しばらく探して、俺は少し前に戦ったそれなりに強い人を見つけたのでその人を倒しに進路を変えて進むことにした。

 最近、スピアが途中でいなくなるけど、大丈夫なの?と思う方、大丈夫です。そもそもいなくなる場面を見られていないし、商店街の場所でもスピアの目撃情報はありません。そもそもスピアと戦うこと自体、珍しいので会えなくても違和感はないんですよ。

 という作者のご都合展開です。ま、本人(久ノ又力)もそれを自覚しているので大丈夫だと……

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