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ミンチにならないための戦い

 投稿遅れました。今、投稿時間を増やすために策を練っているので、今月のどこかで投稿ペースが一時的に速くなるかもです。

 元の投稿速度を上げればいいのですが、意外と集中が長続きしないもので……

 ツリアはハンマーを巧みに使い攻め続けている。俺が強いということを認めたのかさっきよりも動きが洗練され、殆ど隙のない動きへと変わっている。

 ところどころ生まれる隙に突きを通しても全て持ち手部分で止められてしまう。

 ただ、小回りは効きにくいようでツリアの周りを走るように避けるとどうしても動きに乱れが出来てしまう。といってもそこまで大きな変化があるわけではない。

「さて、どうしたものか……」

 攻撃を避けながら考える。

 俺が今この状況を打破する手段はほぼ0に等しい。俺の実力ではあのハンマーの弾幕を突破することは難しい。立ち回り次第でどうにかなるかもしれないけどそれに勘付かれればツリアはカウンターを狙った戦い方に変えるだろう。

 正直言って今の状態じゃカウンターは一番受けたくない。カウンターなら何とか避けられるかもしれないと思うが、ハンマーを軽々と持ち異常なくらいの速さで振るプレイヤーの攻撃なんていくら上位勢でも避けられない。それにレベルがあれば耐えられるであろう攻撃も今のステータスは殆どAGIとSTRに振っているので紙っぺらに等しい体力というわけだ。

 さらにプレイヤースキル関係なく動けるスキルは基本的なもの。動き方がバレているスキルはすぐに対処されてしまう。それに自己強化系スキルも持っていないので、プレイヤースキルを底上げして正面突破することは難しい。

 ルリと戦った時のように氷みたいな攻撃に使えるオブジェクトさえあれば何とか対処でき……

 俺は考えていて思いついたかのように槍を持っている手を見る。練習とかは全くしたことないけど、まぁ、今まで動いただけ動いたんだし、どんなゲームでもいろんな状況に対応してクリアしていったんだ。

「やってみなきゃ、分からないか」

 俺は冷や汗を垂らしながらほんの少しだけ笑みを浮かべる。

 ツリアも何かを感じ取ったのか、一度攻撃をやめ一歩下がったところで構える。

 俺も数歩下がり、深呼吸する。

「[突き]!!」

 俺は空に向かって【槍術】の中にある基本的な技を繰り出す。[突き]は、最速で一筋の突きを繰り出す初歩的なスキル。最速の突きなので、対面時に無理な体勢からでも安定して一突きを当てられるお手軽スキルなのだが、スキル名を叫んでからの突きなので反射神経がいい人や上位帯では殆ど通用しない。

 ではなぜここで俺は[突き]を放ったのか。

 武器ごとについている【槍術】などのスキルは、戦闘の際に安定して戦えるスキルの集まりなので初心者でも使いやすいよう、後隙が無いのだ。

 つまり[突き]をした時の慣性は残ったまま次の動きに動けるのだ。俺が突きを放った方向は距離こそあるものの、ツリアへと向かっている。俺はここで持っている両手を離すと同時に前傾姿勢になり、全速力で走る。

 「?」の文字を浮かべていたツリアも、意外な攻撃に驚いたのか、慌てて槍を弾く。

 そこまで距離が無いため、慌てて弾いたせいで大きく振ってしまったハンマーを走っている俺に正確に当てられる動きが出来る時間は稼げていない。それでもハンマーは振られてくるので軽く跳躍して避け、ハンマーを持っている両手目掛けて蹴りを一発入れ、怯んだところで低い姿勢のまま足目掛けてもう一度蹴りを入れる。転ばせたときに反射的にハンマーから手を離してしまったため、ハンマーを手に取り、ツリアへ投げたところで飛んでいった槍を取りに行く。

 槍を取りに行き、持ったところでツリアを向くと、少しだけ装備が汚れた程度で大きな傷を負っていることはない。

「危なかったよ。でも私はね、あんなハンマーなら簡単に受け止められるさ。」

 嘘でしょ。結構思いっきり投げて体の中心に目掛けて投げたつもりだったのに。

「驚いた顔をしてるね。まぁ、無理もないか見てるかは分かんないが、私はハンマーを取るために、タイミング見計らって持ち手に手を伸ばしただけだよ。」

 うん。もっとヤバかった。スキルでとってほしいという気持ちはあったけども、それだけのフィジカルがあると考えればいいのだろうか。

「これは、使った後のデバフが大きいから使いたくなかったんだが、まぁ、使わないよりましだからな。」

 そう言いながらツリアは空を指でなぞる。これはステータスや持ち物をいじる時の動き。人に見えないようになっているのでこう見えてしまうのだ。

 ツリアは装備を変更する。

「[継承された遺物]」

 ツリアの装備はさっきまで来ていたお嬢様のようなドレスから、所々赤黒く染まり、錆がある鎧に変わっている。ついでにハンマーもさらに重みが増した見た目へと変わり、デザインも鎧に似ているものへと変わる。

「早めに終わらせる!」

 ツリアは兜をかぶったことにより、少し音の籠った声で話してくる。

 動きはさっきとは大きく変わっていないが、ハンマーの軌道が通ったところにもう一度ハンマーが通ったようなエフェクトが追加される。

 確証が持てない以上その軌道に当たらないよう出来るだけ離れて戦っているが、多分ハンマーの判定がもう一度当たるようになる効果があるのだろう。

「[生贄(いけにえ)儀式(ぎしき)]!!」

 ツリアは攻撃が当たらないことを見越してか、ハンマーの持ち手を突如として地面にたたきつけ、スキルを叫ぶ。

 叩きつけた部分から影のような手が伸び、俺の体を掴み、突然地面に現れた影に呑み込まれる。見えただけだが、ツリアも同じように影に呑み込まれていた。

 影から出られたとき、そこに広がるのは、St11(ステージイレブン)の灰色の景色ではなく、闘技場ともいえるような会場が広がっていた。客席と思われる場所にはさっき伸びてきた影の手の全身が映ったような人型のなにかがたくさんいる。全員立ち上がり、俺とツリアの戦闘を促しているようにも見える。

 中心部分、俺が今いる場所には審判らしき人型の影と、ツリアのみだ。

「5分間。この時間でどちらが勝つかが決まる。では、始めェ!!」

 審判がある程度の説明をし、試合が始まる。

「お前のために少し説明しておいてやるよ。このスキルは、分かりやすく言うとお前が不利になるタイマンの状況を作り出すスキルだ。HPとTPが半分になってランダムなステータスが3分の1になる。そして私のステータスが少し上昇するんだ。」

 確かに、デバフを受けてHPは減ったけど、AGIとSTRに影響はない。もしかしたらDEFにデバフ入って変化しないままだったのかも。まぁいいや。

「じゃあ、1つだけ質問。5分で勝敗が決まらない場合は?」

「分からないが、傷を1つでも受けたのなら、体力的にお前が負けるぞ。逃げ切るなんて考えない方がいいんじゃないのか?」

「確かにそうだけども、こうでもしないと俺は勝てないからな。貪欲に行かせてもらうよ!」

 そう言って俺はツリアから逃げる。

「さっきの説明は簡単に言っただけだ。ここでしか使えないスキルがあることは、言ってなかったな。[攫い(さらい)の手]。」

 ツリアは手を前に出すと、その手からさっきの影が無数に伸びてくる。すぐさま追いつき俺の体を掴み、ツリアのもとへと運ばれていく。そこにはハンマーを思いっきり構えているツリアがいるわけで、

「ふん!!!」

「危なッ!?」

 全力で振られたハンマーは槍をハンマーに当ててその衝撃から離れることで避けられたが、かなりギリギリだった。

 ミンチにされなかっただけマシだが、そろそろ槍の耐久がやばい。あと十数発かハンマーの攻撃を数発受けるだけで壊れてしまうだろう。

「それでも、逃げる!!」

 俺は無策でとにかく逃げる。勝つにはこれしかないのだから。

 書くことがないので、後書きの欄は空白になっています。

 空白ですから、まじまじと見ないでください。

 ほら、早く別のお話を見ていなさい!!

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