初心者が激戦区に行けば遠慮されるもので
投稿期間空いちゃった(´・ω・)
それなのに今回ちょっと短いです……ゴメンナサイ
夜ご飯を食べ終わり早速プレコロを始める。画面を見るとメールが一件届いている。「神」から送られてきているので恐らくグリードからだろう。
内容は……「はちみつレモンミルクへ」から始まって……あ。
まずい!アカウント変え忘れてスピアじゃない方のアカウントで始めちゃった!!
って言ってももう20:00に間に合うようログインしているので今からアカウントを変えると間に合わないので途中からスピアとして入ることはできないのだ。
「まぁ、毎日やるなんてグリードには言ってないしね。」
そんな言い訳を漏らしながらこのアカウントのままプレイすることにする。
グリードからのメールの内容は称号について。今回は選択できるようになっていて、「天賦の才」か「世の理を知る者」のどちらか。
どちらも条件があるらしく、メールを読むと、天賦の才は、レベルが1の状態でSt10で一定以上のレベル差があるプレイヤーをキルすると手に入れられるそう。世の理を知る者は、何かしらの手段で運営とつながっていること。俺で言うならNPCということだろう。つまり今のところ俺しか手に入れることが出来ないというわけだ。
それなら難しさより珍しさの方を重視したいので後者を選択することにした。
「これで、St11でプレイできるぜ!」
そう言いながらSt11を選択する。
広がる景色はもう見慣れた火山地帯のような薄暗い地帯。改めて見てみるとSt10ほど戦闘が少ない分、1つ1つの戦闘が激しいのが遠くから見て分かる。
「今回は!!」
そう言って俺は見つけたプレイヤーのもとへ駆け出し
「自由だからな!!」
叫びながら槍で攻撃をする。最初に狙ったのは槍持ちとしては対処しやすいハンマー持ちの敵。薄暗い中でもひときわ目立つピンク色のドレスに身を包んだいかにもなお嬢様の姿をしたプレイヤーだ。この光景を見ると俺は初心者のふりをして初心者を狩る図に見えなくもないだろう。だがそんなことはなく、ハンマーを持ったプレイヤーは声を上げることもなく、ハンマーを片手に攻撃を止める。
「……」
女性はこちらを向き、俺の服装をジッと見てくる。
「あんた、初心者かい?最近称号を手に入れたかなのかは分からないが、こんなところにいればそこら辺のやつらにすぐやられるぞ?早いうちに別のフィールドで装備を整えた方がいいと思うが……」
俺は女性の忠告を無視して
「問題なしだ!!」
だってここの常連だもの。姿形は別だけども。
「そうかい……」
女性はその話を聞いて少し考える。
「じゃあ少し手加減しておく。これでも通用しないなら私の言うとおりにしてもらう。まぁ、強いなら私はすぐにでも本気を出すと思うから、全力でかかってこい。」
ハンマーを構え待機する女性。
「そうだ、戦闘の前に自己紹介お願いします。」
水を差すようで悪いとは思っているが一応名前を聞いておくに越したことはない。スピアとしてプレイするときも対策できるしね。
「知っていると思っていたが……名前なしの設定か。まぁいい。私はツリア。[大槌使い]の称号持ちだ。」
「俺ははちみつレモンミルク。[世の理を知る者]の称号持ちだ!」
[大槌使い]。フウまるの言っていた「どのプレイヤーよりも武器の扱いが優れている」ということが正しいなら、恐らくフウまると同等かそれ以上の実力持ち。そしてスキル無しで戦うのなら俺の実力はフウまると同等かそれ以下。それにレベルもまだ60なのでさらに実力差が広がってしまうだろう。
「じゃあ行くぞ!!」
考えている暇はないので俺は叫んでツリアのもとへと突っ込む。俺は今の言葉から恐らく防ぐか反撃に出ると思うので、最初はフェイントを入れて顔もとに突きを入れるふりをする。
ツリアはそれに反応し、ハンマーを振るが、予め警戒していたのでハンマーは空振りに終わる。そこへ俺はもう一度突きを入れる。
「!!」
が、そこではハンマーの持ち手の端で槍を止められている姿が映る。
「この程度でやられるようじゃ[大槌使い]なんてできないからねッ!!」
そう言ったツリアは、先ほど振り切ったハンマーをもう一度振る。俺は数歩下がって攻撃を避けたがツリアは、ハンマー特有の振った時の遠心力で動きが止まってしまうことがなく、振り終わることもなくこちらへ寄ってきてもう一度ハンマーを振る。かなりSTRに振っているか、元々のフィジカルが高いのかどちらにせよ、かなり厄介な動きだ。
それにハンマーの当たり判定が今までのハンマーよりも明らかに大きい。そのせいで避けるための動作が毎回大きく動くことになってしまうので隙をよく作ってしまう。そしてその隙を狙ってハンマーが振られてくるわけなので、防戦一方になってしまっている。
「ハァッ!!」
それでもハンマーを振り回すのを止めるためにほんの、ごく僅かに一瞬だけ止まるのでその一瞬を狙って俺は反撃に出る。
「この様子じゃあ、手加減なんて要らなかったかもね。こっから本気で行くよ!!」
ツリアは余裕そうにこんなことを言っているがこちらとしてはかなり辛い。さっきの戦い方だけでも勝てるかどうか怪しかったし、何より、俺のスキルもほとんどない。あるのはせいぜいモーションが決まった基本的な【槍術】のスキルだけ。できるなら逃げたい。逃げたところで負けるけど。
ツリアはギアを上げ、さっきよりも速く、隙のない攻撃を繰り出す。ミキサーに突っ込まれて少しずつ刃が迫ってくる恐怖を感じる果物たちってこんな感じなのかな……
隙がないにしろ、攻撃の範囲が異常なまでに広いわけではないので武器一つで攻撃の範囲を広げれば当然、攻撃の軌道に隙間ができる。
「今だ!!」
その隙間の一点を正確に狙い、渾身の突きを繰り出す。
ただ、その隙間から急所に届くことはなく、与えた傷は脇腹を浅く掠った程度の傷だ。
それでも僅かなタイミングを計り、正確な攻撃を与えたことがわかっているツリアは
「なるほど。結構な実力を持っているようだね。と言っても、私が負けるわけじゃないがな!!」
俺の攻撃を褒めつつも、負けることはないという自信。おそらく彼女は相手の攻撃を受けた上でどのくらいの実力があるかを定規みたいに正確に測れるのだろう。だから俺の勝てる確率は低いかもしれない。
それでも、負けイベントみたいな状況でも、勝ちに行くのがゲームってもんだ!!!
最近、週の始めの時間が案外ないことに気付き始めているが、まぁ、頑張ればいけるよねというどこからともなくやってくる自信に満ち溢れています。
それでも投稿できていないということはそれは自信じゃないんですがね。(´・ω・)




