表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/100

時間限定のNPCは戦闘中であっても時間になれば消えてしまう

連続投稿できなかった...トホホ

「シェアッ!!!」


 カーズは続けざまに連撃を繰り出し俺の攻撃の隙を作らせないようにする。

 カーズの持っている大斧は本来重量武器として、手数よりも一撃を重視した武器バランスとなっている。そのはずなのに、俺が使う槍よりも遥かに軽く感じるほど斧の使い方が巧いのだ。

 右上から、左から水平に、上から垂直に振り下ろしその後下からの振り上げ、動きが固まったので反撃を入れようと一歩踏み込んだ途端、固まった体勢から斧を振り下ろす。避けはできても攻撃は続く。


 そもそもとしてカーズは隙の作り方が上手だ。動きに緩急を入れることで緩くなった途端にチャンスと錯覚させることで相手に隙を作らせ、例え躱せたとしてもさらに攻撃を加えチャンスを減らし、少しでも有効打を与えさせようとわざと隙を作るのだ。


 実際、その策が分かっていてもその戦法で作られた隙を攻撃できない限りカーズは突破できない程その実力がある。それに予想になるが、フウまるやついさっき戦った魔法使いの女性のように奥の手を隠しているかもしれないのだ。


「足りない……足りないぞ!お前の実力は所詮こんなものか!?アァ!?」


 カーズの本心にも近いだろうが、挑発される。この挑発に乗って逆上するのは正直、良くない行動だが、俺はそれを分かったうえでわざとその挑発に乗る。


「分かった……使ってやるよ。[狂乱(フィーストオ)の宴(ブフランジー)]!!」

「そうだ!!そう来なくっちゃなァ!!!」


 包帯越しにも分かるほどの狂気的な笑み。そしてカーズは嬉しそうに、


「俺も!!楽しまなくっちゃなぁ!![狂戦士(ベルセルク)]!!」


 スキルを叫び、ギアを上げる。


「「ガァッ!!!」」


 お互いに一斉に叫び、槍と斧が衝突する。

 俺は黒いオーラを纏い、カーズは赤黒いオーラを纏う。

 エフェクトの考え方でいけばオリジナルはカーズの使っているスキルなのだろう。


 ただ、スキルに上下関係があるのは少々解せない。それぞれに個性があるからこそ、様々なスキルが使われる。


 俺のスキルはTPを引き換えにSTRとAGIを上げ、視界に映るプレイヤーモンスターを強調表示する。

 カーズの使った[狂戦士(ベルセルク)]はTPかDEFを引き換えにSTRかAGI、その両方を大きく上げるのだろう。

 それなら耐性が低くなっているはず!!


「ウラァッ!!」


 槍でカーズの胸元を突き、弾かれたところに蹴りを入れる。それでも防がれるので、槍を横に思いっきり薙ぎ払い、衝突しあい、お互いの武器が止まったところで二段蹴りを入れる。

 カーズはそれに反応し斧の持ち手で止めるのだが、二方向からの攻撃に対応しきれず、槍こそ受け止めきれたものの、二回目の蹴りに当たってしまう。


「!!」


 カーズは歯を食いしばりながら地面を滑りながら後ろへ下がっていく。


「いいなぁ!!これからもっと楽しくなるぜぇ!!」


 カーズが高揚し、続け様に話す。

 だが、その時は突如として終わる。俺のアラームが鳴ったのだ。

 俺はどうやってログアウトするか考え、とっさに思いついたセリフで抜けることにした。


「カーズよ、時が満ちた。この戦いはまた次の時にするとしよう。では、さらばだ。」

「おい!!待ちやがれ!!」


 そう言ってカーズは焦りながら、こちらへ向かう。

 俺は焦りつつも平静を装い、そのままログアウトする。

 ギアを外した時、俺は大きく叫ぶ。


「怖ッッッッわ!!!なんだよあのカーズ、ログアウトして視界が見えなくなるころにはもう斧振ってるとか、どんだけ執着心ヤバいんだよ!!あの距離ざっと20mだぞ!?陸上選手より速いとか、どうなんだよ!?瞬間移動だろ!?ホラゲーかよ!!」


 俺は思ったことをありのままに叫ぶ。このまま叫びすぎるのもよくないので、一度深呼吸し、心身を落ち着かせる。

 うん。落ち着かない。

 今の状況を言うなら、あの光景が頭に残りすぎて放心状態になっている。

 あんなに怖いことがあったのに、今はリラックスしている。バカにでもなったのだろう。

 俺はさっさと風呂に入って今日はもう寝ることにした。


                      +++


 月曜日は前みたいに深く考えることもなく、異常なくらいリラックスできていたので、問題なく出勤が出来ている。今は昨日キルした女性について、カーズがその後どうしていたのかが気になったので、情報を得られるであろう前回、フウまるの情報を手に入れた掲示板を見ている。



題:実装されたNPCについて


3022:ちゃっかりNPCがキルした相手が誰なのかのアナウンス機能実装されてるわな


3023:ほんと。おかげでSt11いるだけでいつ殺されるかも分からない恐怖をより鮮明に感じて心臓がバクバクしてたわ


3024:3022≫11行ってないから分からないけど、上位勢でキルされたのはいたん?


3025:3024≫「ルリ」っていう魔法使いがキルされた。

ちなみにアナウンス見なくても分かるくらい白熱した戦いが繰り広げられてた。

見ていない、見られない人たちに言うなら、遠くでも見えるくらい広範囲の攻撃をバンバン繰り出してる感じかな?一応彼女の通称は「天災」とか「厄災」やで


3026:つまりあのNPCは自然にも勝ちうると


3027:人間は自然に抗えないみたいなの無かったっけ?

     いやあいつは人間じゃないか


3028:3027≫それでも充分おかしいやろ


3029:3024≫上位勢とか言ってるけど、この前にあるフウまるより実力はどうなん?


3030:そこは本人が解説してあげるよ


3031:出たフウまるご本人


3032:いつもの風景


3033:3031,3032≫まあまあ落ち着け情報は人を介すると真実があやふやになるもんだ。噂で聞くものより一番実感している人が言うのがいいと思うが?


3034:それを本人が言うと意味ないんだよなぁ……

まぁ、情報は信ぴょう性が高い方がいいと思うから、教えてくれ


3035:3029≫これの質問に答える感じでいくわ

まずルリは[魔法使い]の称号を持っている。これを持つだけでどんな形にしろ上位勢の仲間入り。


3036:何でなん?そこんところ教えて下せえ


3037:3036≫まず称号は何らかの形で貰えるんだがそれぞれが何かに特化している、他より秀でていると称号をもらいやすい。んで[○○使い]って感じの称号、俺の[刀使い]の称号もそうなんだが、これは「どのプレイヤーよりもその武器の扱いが優れていますよ」的な感じ。だから簡単にとれるような称号よりも称号としての格が違うんやで


3038:勉強なったわ


3039:なんだかんだで初耳。称号なんて全部一緒だと思ってたわ。


3040:続きオネシャス


3041:話を戻してどのくらいかでしょ?

実力で言えば俺と同じくらい。まぁ、相性の問題ってのもあるけど戦い方次第ではあいつは普通に一位とれると個人的に思ってる。


3042:何でそう思ったんですか!!(マイクを差し出す)


3043:そうですよ!!あなたの個人的な意見にはきちんとしたお考えがあるんですよね!!(カメラの録画開始)


3044:どういう考えですか!?(テレビ中継開始)


3045:結託すんなやw

まず、魔法使い自体戦闘面ではあまり強くない。TPを大量に使うからそれに振る人が多いから対面だとそういうステータス面で負けて最終的に負けることが多い。だからあいつが先に仕掛けないと基本的に対面は出会い頭に攻撃されて負けることが多い。それに加えてSt11のやつらは索敵上手いから


3046:なるほどぉ……(メモメモ)


3047:そうですか……(うなずく)


3048:……だそうです。スタジオの佐藤さーん


3049:おい誰だよ本当に生放送してるやつ


3050:話し戻すぞー

それでさっき話したことに加えてルリは戦闘で結構ピンチになると焦りやすいし、仕掛けるって言ってもイタズラ感覚で攻撃してくるからせっかくのチャンスをものにできないと言いますか……何と言いますか……


3051:何それ絵面想像しただけでイタズラされたい


3052:3051≫別にいいと思うがそこにたどり着くまでにSt11という壁が……


3053:アッ………………


3054:イタズラつっても即死もんだと思うが………………


3055:アッ………………



 アナウンス機能っていつの間にか追加されてたんだな〜と思いつつスワイプしようとしたとき、ちょうど駅に着いて電車内に大量に人が押し寄せてしまい一度見るのを中止せざるを得なかった。

 書くことが思い浮かばなかったので、ページ下側の評価を付けてほしいです。私自身の作成の励みになりますので、強要じゃないですがつけていただけると嬉しいです。



定型文だと気持ち悪く見えてきたのは私だけなのか?次から手打ちにしよーっと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ