新スキルは使いどころが限られているので実質無いに等しかった
最近評価ポイントが上がって気分が上がったり、評価ポイントが動かなくてランキングが落ちてウッ!ってなったり、この作品で感情がめっちゃ変わる日々でございます。
グリードからのスキルについての話を聞いた次の日、たまたま会議があって少しだけ遅れてしまったので、今日はゲームにログインできない。というわけで今はスキルの案を連絡先に打ち込んでいる。
まず、俺がとっさに口ずさんだ「狂乱の宴」。これの名前についてはもう確定でいいだろう。なぜならこれはプレイヤーの前で披露したのだから。
そしてイメージとして「身体能力の強化」が第一にイメージとして挙げられるのと、戦闘スタイルが変わっていることから何かしらのデバフを付けて性能を安定させるという考えに行きついた。
俺はこの技を使う時、防御の行動をとるより攻撃する行動に特化させている考え方を説明。するとグリードはSTRとAGIを一定値上げてTPを一定値下げればいいのではないかと提案。俺はその案に乗っかり、ついでならとノックバックを付与させようという話になった。
次に決めるのはその変化させる値の量。特にスキルを使って戦うわけでもないので極端に変化させてもいいのだが、それはバランスが良くないとして却下。高くても30%しか変化させられないと言う。
というわけでSTR・AGIの30%上昇と引き換えにTPを30%下降させることに決まった。
効果時間は分単位で決められるけど、第二形態として話が進んでいるなら、戦闘中に解除されるのは良くないと任意で解除できるようにされた。
エフェクトとしてはそこまで話す内容じゃないと思っていたが、これが結構面白い。各所各所に好きなエフェクトを入れられるので、ユニコーンが出すようなエフェクトみたいに背後から虹色のエフェクトを出して、キラキラさせたり、体を発光させたりとか出来るのだ。まぁ、今回はそんな明るい感じのスキルじゃないから派手にできないけど。
俺は画像として出されたエフェクトを一枚一枚見比べながら選択する。
それぞれに良さはあるんだけど、どこかがフィットしないと試行錯誤する。
悩むこと10分、俺はついにエフェクトの形を決めた。
まずは「狂乱」と書いているのでバーサーカーとかそこら辺をイメージさせるために、目を赤く発光するエフェクトを選ぶ。動いた後も光が残るけど、そこをほんの少ししか出ないよう調整してもらった。
そして技的にも体の中のどす黒い気持ちのような「ナニカ」が出てきたイメージということで少し黒い炎のような靄のようなエフェクトを出してもらうことにした。……なんか厨二病みたいな考え方だな。
ざっとイメージをまとめたところでグリードがまとめるということでしばらく作業に取り掛かるとのこと。この時間は自己練習するべきなのだろうが、スキルのイメージがどうなるのか気になるのですぐに反応できるよう、今日はスマホをいじることにするのだ。
この前みたいに掲示板を見ればスピアの情報があるかもな。
スマホ画面をスライドしていると、早速プレコロのNPCについて書かれている情報がある。
結構盛り上がってるから入ってみることにする。まぁ、見ているだけだけど。
少し時間経っているのもあって最初から見るとキリがないので昨日キルしたフウまるについて書かれている部分から見ることになったけど、それでも結構面白い内容となっている。
題:実装されたNPCについて
1035:NPCにやられたわ。ちなみにフウまるが。
1036:マジ?
1037:これはかなりの強さを持っていそうですね。
1038:フウまるって誰?
1039:1038≫フウまるは、プレコロの上位勢。本人はたまに掲示板に来るから、詳しく聞きたいなら見つけて聞いた方がいいだろうけど、説明できるところだけ説明しておくわ。ちょっと待っててね~。
1040:ども、フウまるだよ。
1041:示し合わせたように本人キターー!!
1042:今書こうとした俺の努力が……
1043:1038≫俺は[刀使い]の称号を持っていて上位10には入っているけど、10から20を行ったり来たりといった感じ。たまに配信サイトで配信してるけど、酔うから誰も見に来てないわ(笑)
1044:ちゃっかり勧誘してるわ
1045:1043≫ありがとうございます!
1046:聞きたいのはNPCとの対戦でしょ?
1047:説明オネシャス
1048:教えてくれプレコロの未来のために!!
1049:まず、普通に動きだけで言ったら俺と同等。スキルにも普通に対応してくるし、何なら空中にいて体勢が安定してなくてもほとんど攻撃防ぐ。
1050:もう未来が消えたわ。
1051:平和に生きたいからSt10いるわ。そこが平和とは言い難いけど
1052:いいかお前ら。俺は「まず」って言ったんだぞ
1053:あっ…(察し)
1054:そういうことですねオワタ\(^o^)/
1055:NPCは第二形態がある
1056:あっ、そっち?
1057:1055≫もっとこう……「スキルが変則的だった」とかだと……
1058:1057≫スキルと言えばそうなんだけどなぁ……
分かりやすく言うとNPCが「本気出す」とか言ったらスキル名を叫ぶ。
それと同時に戦闘スタイル変化。パワー特化なのか、スピード特化かは分からんが、普通に動き方が変わって負けた。
1059:もう俺たちみたいなほとんどの下位勢は終わりだよ
1060:1059≫何で?St11行かなければ大丈夫じゃ……
1061:あっ
1062:そういうことかーーーーーーーーーーーーー
1063:今月末のイベント
1064:救済措置とか無いん?
1065:囲めば何とかなりそう……?
1066:ちなみに悪夢を見せるようで悪いけどNPC拠点にも入り込むっぽい。それをしますみたいな感じで説明入ってたから。
1067:( ゜Д゜)
1068:終わったわ
1069:NPCの対処法のスレ立てとくわ。
1070:あ、そっちに俺入るわ
この先はこのやり取りに驚いている人がいっぱいいる感じなのと、今日は見つかった報告がないことに少し困惑する人たちがいる感じだった。
ちなみに対処法がどうとか言っていたけど、せっかくの手段を最初から知っているのはゲームとしてそもそもの面白みがないので見るのはやめておくことにする。
掲示板を見ていると、グリードから調整が終わった通知が入ったので、使い心地を確かめるためにゲームに入ってほしいと言われた。時間がずれているのにログインしていいのかと俺は疑問に思ったが、グリードが、そうならないよう新要素などを調整する特設のサーバーコードを出したのでそちらで試すこととなった。
早速ログインすると、特設のサーバーはとにかく無の空間が広がる。青い線で刻まれた六角形が無限に続いていてどう説明すれば分からないけど、何か、ワクワクする。
ログインして周りを見渡した後、グリードがマイクを繋げたので、会話が始まる。
「[狂乱の宴]を使ってみてくれ。そうだ、一応追加した機能が正しく表示されるか確かめるためにモンスターを出しておく。攻撃しないから安心してくれ。」
すると目の前にモンスターが数体出てくる。スライムにも見える柔らかそうな姿をしていて少しだけ愛着が湧きそうになるが、おそらく攻撃するよう言われそうなのでその愛着は切り捨てる。
ともかく、スキルを使うよう言われたので俺は
「[狂乱の宴]!!」
スキルとして追加された言葉を叫ぶ。すると視界が少しだけ赤くなり、スライムのようなモンスターがさらに赤く、強調表示される。エフェクトも、注文した通り、黒い靄が出ている。目は……見えない。
「うん、エフェクトは大丈夫だな。スピア、視界はどうだ?分かることを説明してくれ。」
「あっ、全体が赤いです。それとモンスターがさらに赤くなってますけど……どうしたんですか?」
「いや、これは俺で追加したんだ。せっかく目が赤いのに映る視界が普通ってなんか違う感じがするし、せっかく使ったスキルを逃げられたので解きますなんてことがあったらヒットアンドアウェイで負けそうだから視界に移っているならプレイヤー・モンスターを強調表示されるようにした。まぁ、一部のスキルで姿を隠していたり、一定距離離れてたりとか完全に物陰に隠れていたりしたら強調表示されないからそこは気をつけろよ。」
グリードの追加した内容は嬉しい。だが、メリットとデメリットが釣り合ってない気がするとゲームをやっている身としては少し不満があるので
「そうだ、スキル内容自体をつけるのはいいんですがこの強調表示される機能を付けるなら、スキル使用後、使用した分だけ視界が狭まるとかどうです?目を酷使したから……とか?」
グリードは少し悩んだような声を出し、
「いいんじゃないか。早速取り掛かる。使い心地はほとんど変わらないから、テストしなくていいだろ?」
そう言って終わりかと思いログアウトしようとしたその時、
「あ、そうそう。このスキル実用化できても使っていいのはピンチの時だけだからな?」
グリードにそう言われた。
あ。そういえばこれ、常用するようなスキルじゃなかったわ。
早くイベントの展開にしたいんですけど、この作品の日にち的に三週間ほど先なので、その間に何もないはずがないのでどのキャラを出して展開を面白くするか、お悩み中です。