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第85話:サンドワーム

『魔術を剣術に沿わせる意識が重要です。魔術の当たるタイミングを最も威力の高まるときに調節することが大切です。』


「魔術を剣術に沿わせる感じです。どこで魔術が敵に当たればより攻撃の威力を増すことが出来るのかを考えるといいですよ。」


 と、Sariのアドバイスを俺がアーレウスに伝える。


 本当はSariが脳波に直接教えることもできるが.....


 アーレウスはSariではなく俺に教えてと言ってきたわけだ。


 うん。


 格好をつけておきたい。


「こうか.....??」


 うーん.....


 何か足りないんだよなぁ.....


 アーレウスの振るう剣には何かが足りない。


 もちろん弱い訳ではないが、今まで戦ってきた敵の剣術や、ジェット、ミルみたいな剣士と何かしらの差がある。


 それは何なんだ.....??


「もう一回振ってもらえますか?」


「ああ。」


 アーレウスがそう言って剣を振るう。


 その斬撃は50メートル程離れた場所にいる魔物へ命中する。


 ちなみに今仕留めた魔物は美味しい。


 丁度お昼時だし.....


 《混魔術:火炎放射》


 ということで美味しそうに焼き上がった魔物を頂くとしよう。


「いただきまーす!」


 この地域には普通魔物はいないが.....


 なんか多いな.....


 まあ、戦争でここら辺の魔物の討伐が減ったことが原因なのだろう。


 おかげで想像より食料調達が楽である。



 ただ.....


「ここら辺の村は全滅ですね。」

「ああ、ここらは王都へ向かう道にある村だからな。」


 ジャック王国により村は壊滅させられている。


 復興にはかなりの時間もかかりそうだ。


 そう言う意味では、隣国で新しい村を作るのもいい選択だっただろう。


 あとはそれを俺たちが実現させてあげるだけだ。





 ーーー





「あははは!あは!」


 子供が走り回っているようだ。


 結構危ないけど.....



 《ロックショット!》


 まあ、大丈夫だろう。


 前方にいる魔物を倒しながら進んでいる。


 余程の強さでない限り接近戦にはならない。


 Sariによる魔物探知で早めに敵を捕捉出来るのも大きな要因だ。


「こらダイ!走り回らない!」

「うー!!!やだー!!!」


 アイルがダイを注意していた。


 うん。可愛いもんだわ。



 接近戦にないならばそこまでの警戒は必要ない。


 もちろん危険ではあるが、まあ大丈夫だろう。


『しかし、ダイは今後常に我々と行動する訳ではありません。ある程度の警戒をさせる程にしておくべきかと.....』


 なるほどねぇ.....


 確かにここら辺が安全だと思わせておくのはいけないのかもしれない.....


 だが、それをどうやって教えようか.....


 協会を出発してからもう十日が経ち、もうすぐ国境付近に着きそうだ。


 結構ハイペースで進んだし、魔物も未だに遠距離からの攻撃でほとんど済ませている。


 一、二回はアーレウスのためにわざと近づけたが、それでも三十メートルぐらいだったな。


 うーん.....


 方法が思い浮かばない。


『報告します。地中五十メートルより、魔物が接近、二秒後に到達します。』


 うん。タイミングばっちりだね。


「調停の技」


 《霹空》


 全員を巻き込み霹空で三十メートル後退する。



 同時に移動前にいた場所の地が割れる。


「ずいぶんデカいやつだな。ドラゴンレベルか?」


『地中に潜むサンドワームの変異種と推測。ここらの地域では殆どみられません。』


 珍しいのか.....それに....


「八岐大蛇みたいだな.....」


 首八本のサンドワームだ。


『同時に八本斬ることで絶命させられると考えられます。』


 了解!


「ダイ!」

「は.....わ....あ、はい!ひゃい!」


 あーびびってるー。


 まあ、あそこまでの迫力のやつあんま居ないしな。


「今回は俺たちがいるからいいけど、これからは居ないからな!分かったらもう勝手な行動はするなよ!」


「う、うん.....!!あ.....!!」



 サンドワームの頭の一つは地中からラーファルト目掛けて攻撃してきていた。


 すぐ後方の地面が割れる。



 《ウォーターソード》


「クリス流」


 《水碧》



 クリス流.....魔術との組み合わせの多い流派。


 水碧は水上段魔術であるウォーターカットと組み合わせて使用される。


 自身は剣術で攻撃、その余波や敵の攻撃はウォーターカットにより遮断する。


「久々の接近戦だな.....アーレウス!しっかり見とけってか、お前も戦え!」


 そっちの方が経験になるだろうしな。


「フォローは俺たちがする。」


「ああ、頼む。」


 そう言ってアーレウスが剣を抜いた。


『戦闘サポートモードへ移行しました。また、戦闘掌握へ移れます。移行しますか?』


 いや、今回はアーレウスの特訓も兼ねてるから遠慮しとくよ。


「アーレウスを中心にジェットとミルは攻撃してくれ。俺は避難民を守っておく。」


「了解!」

「分かったわ!」


 二人ともいい返事だなぁ。


 さあ、戦うか.....!!


 こいつを倒せば国境は近い!

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