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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第七章:旅の終点へ

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第83話:選択

「改めて、俺がアーレウスだ。アーレウス・スコット。」


「ああ、よろしく頼む。」


 そうして、アーレウスが話し始める。


「本当は全員の紹介をしたいところだが.....」

「ああ。流石に人数が多すぎるな.....」


 ラーファルトが周りにいる人々を見渡しながらそう言葉の続きを補足する。


「とりあえず今日話すのはアーレウスたちの今までの話とこれからの話だけにしないか?」

「ああ。賛成だ。」


 意見はそうして纏まる。


「じゃあ早速だが、今までのことについて教えてくれ。」


「ああ。俺たちはここら辺に元々あったハラド村というところに住んでいたんだ。」


 Sariハラド村ってのは実際に存在しているのか?


 話を信用しない訳ではないが、話の背景情報が裏付けとして存在していれば、何かしらのの疑いを持つ必要性が低くなる。


 これも万が一を考えた大切な備えだろう。


『ハラド村。ルインド王国の王都より東にある村です。その村の東には森が広がっており、その森から出てきた魔物を狩って生活をしてます。』


 なるほど.....ある程度戦闘はできるのだろう。


 そして、アーレウスはその中でもかなり強い。


 といったところだな。


「俺たちは狩りをして生活していたからある程度の強さを持っていた.....」


 話は完全に信用できる感じだな.....


「そんな日にアイツがやってきた.....」


 アーレウスはそいつき恐怖するような表情をして話していた。


「十超神聖の一人.....魔神聖だ.....」


『十超神聖とはこの世界に存在する者から選りすぐりの実力者である選抜された十人の神聖級の技の使い手のことを指します。』


 神聖級.....武の局地だ。


 神聖級のような階級がない技もある。


 例えば調停の技。


 また、アリエルの使っていた神託もそうだ。


 が、これは禁忌魔術の応用の類いだと考えられる。


 平均難易度としては神聖級より少し劣るところの帝王級あたりだろうか?


 少なくとも覇倒級よりは魔力消費がある。


 この世界ではより複雑な魔術が魔力を使用するため、覇倒級と神託や調停の技に何かしらの差があるのは明確だろう。


 ちなみに魔神聖って.....


『十超神聖の中で三番目の強さを誇る者です。』


 三番目.....


「.....アーレウスたちはそいつに捕まったんだよな?」


「ああ、そうだ。反撃する暇さえ一切与えてもらえなかった。」


「.....じゃあどうやって逃げてきたんだ?」


 俺はそうして純粋な疑問を口にする。


 世界三位の実力の持ち主に捕まったのならばそう簡単に逃げることなどできるはずがないだろう。


 ならばどうやってアーレウスたちは脱獄したのだろうか?


「なんかジャック王国の方に帰らないと行けなくなったらしくてな。一度捕まえたはいいが脱獄した奴がいるらしくて、そいつを追うためだそうだ。」


 へぇ。脱獄ねぇ.....そんなすごい人が。


「確か、ガリストの街に逃げ込まれてしまったから何たら.....と言っていたな。」


 ガリストの街......それって......


『ルイスら避難民が現在も滞在している街です。』


 なら脱獄者って俺たちのことか.....


 早めに帰って戦争を終わらせないとまずいな.....


「ああ、あと協力してくれた敵の者もいたぞ。」


「それは、誰ですか!」


 そういう人物の存在は大きい。


 協力できる者がいるかいないかで大きく戦況は変化する。


「いや、名前は知らないんだが、魔術師だった。」


 名前が分からないのか.....


 まあ、敵としても身元が割れたときのデメリットが大きすぎる。


「ちなみにその人の他にはどんな者がいましたか?」


 世界三位のやつが率いていた部隊だ。


 精鋭が揃っていないわけはないだろう。


「少なくとも、技巧級の剣士と魔術師がそれぞれニ名いた。人数は割と少なめだったが、全部で十人はいただろう。結構強い部隊なんじゃないか?」


 技巧級の剣士と魔術師が2名ずつか.....


『マスターは無詠唱で速度にアドバンテージがあるとはいえ、人数を踏まえれば単独で挑むと互角でしょう。』


 ああ。それに技巧級までしか使っていないだけで更に上を使える可能性もある。


 大体、今のミルの階級は技巧級ガルス剣士。


 努力を続ければ覇倒にも届くだろう。


 その実力と恐らく敵の剣士は互角.....


 案外簡単に倒せないかもしれない。


「最後の質問だが.....これからどうしたい?」


 そう質問するとアーレウスはハテナマークを頭に浮かべたような顔をした。


 強いが頭はあまり使えないのだろう。


『選択肢を提示すべきではないでしょうか?』


 例を挙げてくれ。


『承知いたしました。

 ⓵王都まで着いてくる

 ⓶少しルートから外れるが途中にある避難場所へ行く。ただし少し逆走する必要性がある。

 ⓷一度国外へ出る。ルインド王国北部の国である、ヴァスティード王国が最適です。』


 ⓵は着いてきてもいいが.....まぁ危険が伴う。


 それぞれに負担も増えてきついだろう。


 ⓶でもいいのだが、戦争が終わるとその避難場所からはいなくならなければならない。


 基本、避難場所は王都の人々の行く場所のため、帰りに問題が発生しそうだ。


 それに少しルートをずれるならまだしも逆走となると、俺たちの到着が遅れ、ルイスらに危険が伴う可能性が高まる。



 最後に⓷だが、まあ懸念点があるとすれば国外にでれるかということだ。


 戦争に関わる人々を隣国が歓迎してくれるか。


 また、期間が決まっていないが、彼らは故郷と離れることになる。



 故郷と離れるかとの心細さは俺が一番知っている。


 そしてそのまま、俺は故郷を燃やされ、失った。



「うーん.....」


 迷う声を思わず漏らす。


 結論がでないな.....


 まぁ見捨てることはしない。


 俺の目指す世界は自由な世界だ。


 この戦争という束縛から抜け出させてあげたい。


 俺が今できることはそれだけだ.....



 ーーー




「ということなんだが.....どのルートがいい?」


 なおもアーレウスは何を言っているのか分からない表情をする。


 起こった事象に対してについては話せるが、自分で思考した後に話すのは無理なようだ。 


「どの答えでもいい。決めた答えを俺は応援するよ。」


 俺は、もう一度......自由を知るために動く.....!!


 アーレウスたちの自由をもちろん取り戻す。


 だから選んで欲しい.....自分たちの生きたい生き方を.....

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