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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第七章:旅の終点へ

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第82話:席について

短めです

「こんにちは。ラーファルト・エレニアです。」

「私はミル・ルインドよ!」

「俺はジェット・ノイルだ。」


 俺たちを見上げる五十人以上の人々へそう自己紹介をした。


「う.....ねぇね.....あの人たち.....怖い.....??」


 今にも泣き出しそうな顔でいる人が一人。


 恐らく外まで泣き声の聞こえてい人だろう。


 確かダ.....みたいな感じの名前だったと思うんだが.....


『音の解析結果、ダイと推測できます。』


 へえ、分かるのかナイス。


「そんなことないわ。この人たちは味方よ。だから泣き止んで。」


 と慰めている人が目に入る。


 そういえばこの人の名前は聞いてなかったな。


『脳波から推測するに、アイルだと推測出来ます。』


 おお、それはすごい!


 すごい!けど!プライバシー的に大丈夫なのか.....?


『名前程度、後に分かるため大丈夫です。』


 ほんとかなぁ.....教えたくない時もあると思うけど.....


 まあ、それは置いておくとして.....


「どの人がアーレウスさんなんですか?」

「俺だ。」


 そう言って手を挙げたのは完全にイメージと一致する体をしている男性だ。


 筋肉質な体に上背があり、弱い部類の人間ではないことが容易に想像できる。



 《タワークラフト!》


 俺が地面に開けた中にいた人々を地上へ移動させる為に魔術を使いながら話を続ける。


「まず、アーレウスさん.....いや、他の誰でもいいですけれどジャック王国の情報を教えて欲しいですね。」


 これから王都へ行く身としては敵の情報を細かく知っておきたい。



 と言っても.....


 《ロックショット!》


 地中から出て来たの人々の後方から迫って来ていた魔物を一撃で倒す。


 Sariが戦闘サポートモードなど使わずにとも戦闘を終了させた。


「ここは危険ですから別の場所ですかね.....ミル、ジェット。いいですか?」


「ええ、もちろんよ、」


 ミルはそうラーファルトへ同意し、ジェットも異論はないというように頷いていた。


「それでは皆さんついてきて下さい。」


 が、完全には信用してないような様子で俺たちを多くの人は見ていた。


 うーん。困ったなぁ。


 信頼関係が結ばれない限り俺がこの人たちにできることは限られてくる。


 先を急ぐ関係もあって、早めに信頼してもらわないと手厚いサポートはできない。



 と、思っているとアーレウスが一歩前へ出た。


「俺は着いていくよ。」


 アーレウスが全員に語りかけた。


「この人はさっき見ていたと思うが俺らの誰よりも強い。敵意があるならもう殺してるさ。それは信頼する理由にもなるだろ。」


 そう言うと、彼らの表情は柔らかくなった。


 この人らをここまで導いてきたのはアーレウスだったのだろう。


 彼に信頼があるからこそ、俺たちにも信頼がおける。


 お陰で案外楽になりそうだ。


「それじゃ、行きますよ!」




 ーーー




 なんか懐かしいな。


 と五十人以上の人々を引き連れ歩いている時に思った。


 ルイスらとガルストの街を目指して歩いていた頃を思い出す。


 同じ脱獄犯らしいしな。



「着きましたよ。」


 そんなことを考えている間に冒険者協会へ辿り着いた。


 結界もあるし、安全面でいえばここらでは一番でないだろうか。


 唯一、懸念点があるとすればここらには魔物が多いことだろう。


 ここまで辿り着くことに苦労する。


 最も、ドラゴンを倒せる者にとってはそれほど脅威ではないレベルなので、魔術などであしらって倒していた。


 それにしてもこんなに魔物がいるのにドラゴンへ向かわせたのって.....



 ドラゴンとの戦闘したかったみたいな感じだったりする.....??


『違います。』


 即答か。うん。図星っぽい。


「ねぇ、ラーファルト。冒険者協会は国同士の争いに関与させちゃいけないんじゃ.....」


 ミルがラーファルトへそう質問を投げかけた。


「冒険者協会は戦争に直接関与しなければ基本的に寛容なはずですので、まぁある程度休息はとれると思いますよ。多分。」


『恐らく、お金さえ払ってもらえればいけるかと思われます。』


 まあ、これからのことも考えるとこの人数でくつろげるのは2日程度といったところだろう。


 いつまでもここにいても戦場に近いことから色々不安もある。


 この短い時間の中で様々なことを決めないといけない。


「あ、おかえりなさいませ。」


 まるでメイドのような出迎えをした冒険者協会の人は後ろからぞろぞろと入ってくる人の数に困惑しているようだ。


「あのー.....その人たちは.....??」

「ああ、さっき保護した人だ。この人たちも泊まらせてくれ。」

「それは構いませんが、お金は取りますから。」

「ああ。分かってる。」


 どうやら大丈夫なようだ。


「それと場所は自由に使っていいのか?」

「ええ。他の方の迷惑にならない範囲なら。まあ、多分来ませんが。」


 じゃあ完全に自由ということだ。


 人が来る確率なんてないに等しい。


「それじゃあ、アーレウスたちの話を聞こうか。」


 ラーファルトが席に座るように促す。


「改めて、俺がアーレウスだ。アーレウス・スコット。」


 促されるまま席についたアーレウスはそうして話し始めた。

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