表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/139

第72話:頭と体

 数が多い.....


 ロードリング!呪いの時の様に一回で敵を減らす方法はないの?


『確率は低いです。呪いではなく魔術によるこれが攻撃です。』


 なるほど.....呪いではなく攻撃.....


 攻撃を止める手段が見当たらない。


 無限に出てくる敵を足止めすることしか出来ない。


「ミル!こいつら多すぎる!どうする?」


 ライオがそう問いかけてきた。


 どうする.....??


 どうするべきだ?


「.....時間を稼いで。」

「だから、それでは俺たちが.....」


 ライオはそう言葉を私にかけた。


 確かに.....このままではこちらがやられる.....!!


 急げ.....探せ。


 反撃の糸口.....!!


「少し、時間が欲しい.....反撃する。そまでライオに指示を任せる。」

「.....そうか。分かった。」


「全員、体力を温存し反撃に備えろ!」


 探せ.....!!


 何かあるはずだ。


 ない訳がない。


 普通の魔術をレジストするのと同様にこの禁忌魔術を止める方法が.....!!




 ーーー




「総員!一斉に攻撃!物は試しだ!行くぞ!」

「おおおおおお!!!」


 ライオの指示でミクロス族の者達は戦う。



 依然、ミルは考え込みながら戦っている。



 俺は戦士として育てられた。


 ミクロス族は子供の頃から戦闘第一で生活する。


 それは俺も例外でない。


 何も考えず、ただひたすらに、目の前の敵を打ち砕くことに集中する。


 が、あのアリエルと言う敵の呼び出したこの子分共.....


 能力はそこそこ、そして多い。


 俺たちは大量の敵に弱い。


 頭を使わない戦闘スタイルだからだ。


 俺もある程度の指揮を取るが、それは大まかな指示。


 個々にその場での戦闘は任せる。


 と、いうよりそれしか俺の出来ることはない。


 それぞれの戦い方など指示する能力は俺にない。


 敵を倒すには.....この敵.....悪魔の見た目のこの敵。


 黒き羽根を持ち、爪は鋭い、これが強い。


 何より特徴的なのが、目だ。


 敵の9割は黒の目をしている。


 何も不思議なものでない。



 が、残りの1割.....赤色の目だ。


 そいつらには俺たちの攻撃を見透かされている。


 いや、実際にそうなのかは分からない。


 攻撃が当たっている所を一度も見ていない。


 なぜ、当たらないのか。


 それが分からなければ勝てない。


 頭を使う、そして同時に体も使わなければならない。


「うわああああ.....!!」


 叫び声があがった。


 咄嗟にそちらの方向を見ると一人の戦士が倒れている。


 怪我をしていた。


 その目の前にいるのは.....赤い目の悪魔.....!!



「赤い.....」


 同時にそう声がした。


 頭と体。



 同時にそれをこなせるのは.....


 ミル。お前だけだ。



 どちらか一方をこなす。



 専門でこなす。


 それではこの戦いの指揮はできない。


 無論、俺もこの戦いの指揮は向いてない。


 実際、簡単な指示の後臨機応変に対応できなかったからな.....


 俺は、考えない。


 戦いながら考えられない。


 考えが纏まらない。


 言葉がちぐはぐになるのだ。



 指示の中で、戦う。


 戦闘という得意分野で戦わせてもらおう。



 だが、お前は違うだろ。


 ミル。


 頭も、体も、こなせ。


 一つずつでは駄目だ。


 同時にこなせ.....!!



 その先に.....


「その進化の先に.....!!」



「ガルス流急手」


 《光剣!》


 調停者ルーナをも超える強さが手に入る.....!!




 ーーー




「敵の動き.....」


 見ろ.....反撃の糸口を見つけ出せ.....!!


「ガルス流見切り」


 《合わせ太刀》


 敵の攻撃に合わせてカウンターを繰り出す。


 自身の攻撃と同時に敵の動きを読む。


 考えながら攻撃だ。


 この一カ月、ジェットとの特訓で培われた力の一つもそれだろう。


 どうすればジェットに勝てるのか。


 どうすれば攻撃を当てられるのか。


 考えて考えて、そして実行に移す。



 常に考えろ。


 まとめろ。


 勝つ方法を.....!!


「ガルス流(かさね)


 《十連》


 その攻撃が敵を薙ぎ払う。


 次々と敵を斬りつけ、地面に伏せさせる。


 が、十連目.....


「.....!!」


 避けられた。


 攻撃を読まれた.....


 避けたその悪魔と目が合う。



 赤い.....目.....!!


 黒と赤の目の違い.....


 今日、初めて攻撃を避けられた。


 赤の目のやつだ。


『赤の目の悪魔の方が段々と割合が増えています。何かしら違いがあると考えられます。』


 赤い目と黒い目の違い.....


「くっ.....!!」


 敵からの攻撃が次々と来る。


 恐らく連撃後の隙を狙ったのだろう。


 敵も頭を使って勝ちにきているということだ。


 考える暇など与えない攻撃を.....


 が、そんなこと気にしてられない。


 見ろ。


 感じろ。


 この戦場を。


 戦況を。


 何が起こっているのかを見渡せ.....!!


 体と頭を同時に使え.....!!


「うわあああああ!!」


 攻撃を受けたミクロス族の前にいたのは.....


「赤い.....」


 赤い目が私たちの動きを読んでいる。


 または、次の動きが既に分かっているから倒せるのだとすれば.....


 たまたま隣にいたライオが微笑んでいた。


「ガルス流急手」


 《光剣》


 ミルの攻撃は赤い目の悪魔を斬る。



 動きを見切られているのならば.....


 ただ、死角から。


 敵の見ていない方向から、潰せばいい.....!!

諸事情により更新が遅くなりました。

申し訳ありません!


2月上旬までこのような事が続く可能性があります。


ご容赦ください。

基本は月、水、金での更新のままです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ