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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第六章:世界と呪いの森

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第71話:掴み取れ

「荒野独流」


 《炎斬撃》


 剣が赤く光る。


「オマエ、タオス、キケン」

「チッ.....!!」


 楽々と攻撃をこいつは止めてくる。


 やばいかもしれねぇな.....!!


 ラーファルトやミルのカバーも望めねぇ。


 敵は全員それほど強い。


 恐らく、荒野の覇者をも上回る強者だろう。


 この勝負は勝てるかじゃない。


 勝たなければならない。


 託された。任された。


 俺個人で挑んでる訳じゃない。


 仲間の為に。


 共に戦う者の為に戦う必要がある。


「荒野独流」


 《魔終斬(ましゅうざん)


「ウオオオオオオ.....!!」


 敵は雄叫びをあげて剣を振り翳す。


「.....ここだ.....」


 こいつの弱点は知能が低いこと。


 攻撃が単調になる。


 ならば.....!!攻撃を躱すことは容易.....!!



「うおおおおおお!!!」


 かわした.....!!


 ここだ.....!!



 キイン.....!!



 ジェットの攻撃は確かに命中した。


 が.....


「刃が通らない.....!?」

「ウオオオオオオ.....!!」


 その攻撃にジェットは吹き飛ばされた。




 ーーー




「ジェット.....!!」


 《土氷(どひょう)


「くっ.....!!」


 地面をアリエルの攻撃が伝う。


 《ブロードフレイム!》


 攻撃がレジストされる。


 こいつの魔術.....早い.....そして威力も高い。


 何の禁忌魔術なのだろうか?


 いや、禁忌魔術かどうかも怪しいだろう。


「仲間の心配の前に自分の心配をしたらどうなの?ラーファルト・エレニア。」


「いや、俺たちは全員で生き残る。お前らを倒してな.....!!」


 《マグウィップ!》


「.....お前は何を見ていた?」


 冷静な表情でそう問い詰めるアリエルに攻撃は当たっている。


 マグウィップが効いていないのだ。


「な、なぜ.....!!」

「私は火柱の中から出てきたのだぞ?火への耐性があったためできる芸当だ。そんなことも考えられないのか?」


「くっ.....!!」


 そんなこと考えもしなかった.....


 《デスマジックパワー》


「.....ふん。甘いな。甘すぎる。」


「神託」


 《虚空(きょくう)


 アリエルの技の発動と同時に技が消える。


 全く原理が理解できない。


 何が.....何が起こっているんだ.....!!


 こいつの技は.....本当に禁忌魔術なのか?



 〔分からない〕



 呪いの言葉の様だ。



 今の俺は分からないことだらけだ。


 迷いばかりの心情だ。


 これを克服しなければ、自分の感情を分からなければ俺に未来はない。


 自分の過去を知る、見つめなおす。


 そうすることで将来を、夢を、希望を見つけることができる。


 だから、だから.....


 何度でも言おう。


 何回も、何回も。


 繰り返せ。


 掴み取れ....!!


 俺の全身、すべての力を勝つことに集中させろ。


 今を超えろ。


 進化しろ。


 振り返る過去がない今だから.....


 変化に怖気付かない今、今変われ.....!!


 戦え.....!!勝て.....!!


「勝つ.....!!」

「ほう、勝てると.....??」


「神託」


 《閃殲(せんせん)


 全方向への即殺攻撃.....


 当たったら死.....!!


 相変わらずよく理解出来ない原理の攻撃だ。


 危険すぎる.....!!


 防げ.....!!


 いや、かわすか.....??


 どっちだ?


 どうする?


 決めろ.....迅速に考えろ。


「勝てると思うか?」


 うるさい.....!!勝つんだ.....!!


「もう気づいているか?私らはお前らの天敵として配置された。」


 ならば恐らくミルも苦戦している。


 ジェットも吹き飛ばされた。


 俺も勝機はまだないのかもしれない。


 でもやるんだ。


 やらなければならないんだ.....!!


「お前たちは勝てねぇよ.....!!」


 うるさい.....!!勝たせろ.....!!


 お前は俺の踏み台になれ!


 進化の元になれ!


 強くなる理由になれ!


 ジェットもミルも苦戦しようと諦めない。


 記憶をなくしてから今まで、一緒に生活してきた。


 その短い期間でもあの二人の信頼は揺るがない。


 必ず、二人もこの戦いを勝ち切る。


 だから俺も勝て.....!!


 進化しろ!


 成長しろ!


 どこかに勝機を.....!!


「あ.....」


 隙.....!!


 《マッドスロウ!》


 本来、相手への目潰しとして使う技。


 が、ラーファルトの膨大な魔力はその威力を底上げする。


 砂煙.....いや、砂嵐が宙を舞う。



 数秒後、魔術は解除された。


 そこにラーファルトの姿は無かった。

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