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第68話:変化

 ルーナの呼びかけから約10分。


 既にほとんどの者が集まっていた。


「それでは行くぞ。」


「調停の技」


 《霹空》


 この移動も慣れたものだ。


 今回の移動は森の南東。



 俺の過去を知りたい。


 そのためには手段さえ選ばない。


 俺のすべてを知ってやる.....!!



 ーーー



「いつもと変わらない光景だな。」


 ジェットも私と同じことを考えた様だ。


 いつも通りの世界樹の根である。


「だが、警戒に越したことはない。まずはいつも通りの動きで行くぞ。」


「ええ、分かってるわ。」


 ルーナのそう言う声に私は返事をした。


 私がまずはしっかりやらなければ.....!!



 ロードリング全力で解析お願い!


『了解しました。』


「.....魔物がいつもより多いな。」

「ああ。だが、誤差の範囲だ。ラーファルト!足止めを頼む!」



「分かりました!」


 《ビルド!》

 《バブル!》


 ラーファルトの魔術によりいつもの如く殆どの魔物は足止めされる。


 だが.....


「数が多いな.....」

「足止めも長くは持ちません。」


 ジェットの声にラーファルトも似た見解を示す。


「ラーファルトの足止めを突破した魔物には斬りかかれ!ミルの解析が終わるまで攻撃をいなせ。危ない場面ではカウンターしても構わん。」


 状況を見てルーナはそう判断した。



 だが、それも長くは持たない。


 そして体力も削られるだろう。


 解析はまだ.....!!??


『現在50%程度です。』


 まだ半分.....!!


 どう動くべきか.....


「ミル!ラーファルトの付近を守ってくれ!魔術に集中させたい!」

「分かったわ!」


 ルーナが適切な指示を私にしてくれて。


 指示があると動きやすい。


 指示役もここ最近である程度出来るようになったが、やはりこちらの方がやりやすい。


 その為にもラーファルトの記憶は必ず取り戻す.....!!


「ガルス流見攻(けんこう)


 《流飛(りゅうひ)


 攻撃を受け流し、遠くへ飛ばす。


 次の攻撃をそうして遅らせる。


「ありがとう!」

「ええ。魔術にしっかり集中してて。」


 ラーファルトのサポートをする。


 それが私のやりたいこと。


 やらなければならないこと。


 今はラーファルトの助けになりたい。



『間も無く解析が完了します。』


 想像より早い.....!!


 助かる。


「ルーナ!恐らくもうすぐよ!」

「分かった!ラーファルト!少しの間耐えてくれ!」

「ええ!任せて下さい!」


 私の合図からそうして指示が連鎖していく。


『解析完了。解析の結果呪いの反動性には魔物二百体の首を同時にはねる必要がある模様。』


「首をはねる.....!!??」


 私たちの初めの条件と全く同じ.....


「二百体の首を同時にはねる必要があるわ!協力して!」

「全員ミルの指示通りに動け!」


 ルーナもそのように話す。


 ロードリング!今、ラーファルトが足止めしているのは何体?


『四百体程と推定されます。』


「合図で斬りかかるわ!全員準備して!」


 私も技を出す準備を始める。


 一瞬の内にどんな順番でどんな技を出せばより多くの魔物の首をはねられるか......


 どんな攻撃をする必要があるか.....


 そうやって考え始めたのは最近だ。


 だが、この一か月、ジェットと模擬戦をするときも、世界樹の根を取り除くときも、いつも考えて行動するようになった。


「最近のミルはは攻撃を読んだり、裏をついたりするのがうまくなったなあ.....」


 とジェットに言われることも増えた。



 私の成長を.....今日の、この戦いで出す......!!


「今よ!斬りかかれ!」


「ガルス流急手」


 《光剣》


 そして技の終わった後すぐに.....


「ガルス流黎撲(れいぼく)


 《貫絶剣(かんぜつけん)



「調停の技」


 《爆糸(ばくし)



「荒野独流」


 《黎明剣(れいめいけん)



 《ウォーターカット!》



 ミルの攻撃と同時に他の者の攻撃も繰り出された。


『攻撃終了。同人に三百六十体以上もの魔物の首を落とすことに成功しました。』



 よし.....!!


 調子がいい.....貫絶剣を成功させた.....!!



 貫絶剣。


 それはガルス流の技の中で四番目に難しいと言われる技である。


 空間と空間の間を斬るように遠距離の敵まで高火力で斬る。



 奥義の一閃より遥かに難しい技だ。


「奥義」と言われると難しい様な感じが出てくるがガルス流はそうではない。


 高火力である程度は難しい技だが、誰でも使える確率の高い程の難易度だ。


 なぜ奥義なのにそんな簡単に出せるのか.....


 それは初代ガルス流の剣士が


「奥義?かっけえなあ!よし、俺の一番使う技につけよう。」

 と言ったからである。



 それにしても......本当に成功したなんて......!!


 威力はまだまだ低いけれど......


「ミルよくやった。お前何体倒したんだ?」


 ジェットがそうして私に話しかけてきた。


「成功して良かったよ。でも、戦いはこれからだから......」




 ーーー




「調停の技」


 《天光(あまのひかり)


 ルーナがいつもの如く世界樹の根を取り除く。



 技の光が段々と消えていく。


 技の光が収まったその瞬間。


 地面が赤黒く光った。


 何かの模様の様だ。


「やっぱり何か始まった......」

「これは何なんだ?」


 初めから警戒していたからか混乱は少ない。


「ルーナ!森の変化は地面だけですか?」

「......少し待て。」


 つまり、まだ地面以外の変化はないということか。


 やはり召喚......のような感じなのだろうか。


 どちらにせよ今できることはないか......


「一旦村へ戻るぞ。」


 何かが起ころうとしている。


 だが、今は何もできることがない。


 危機感と不安とその他様々な感情を抱えながら俺たちは帰路についた。

この度、20万PVと20万字を突破致しました!

本当にありがとうございます!

これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします!

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