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第64話:森の北東で

 「荒野独流」


 《天閃》


「ガルス流奥義・改」


 《速一閃》


 土埃が周囲に舞う。


 普段静寂か、何かの囀りかしか響いていない森に場違いな轟音がなった。


 土埃が晴れるとミルの木刀が折れているのが明らかになる。


 模擬戦はジェットの勝利だ。


「くっ.....!!」


 ミルが顔を歪ませ悔しそうな表情を見せた。



 ラーファルトを救う。


 そうやって決意してすぐの模擬戦。


 ジェットとの実力差を考えると勝利は厳しいがもう少し善戦したいところだった。


「もう一回模擬戦を.....」


 そう言いかけた時だった。


 頭の中に声が響く。


『ジェット、ミル、ラーファルト集合だ。世界樹の根が現れた。』


 ルーナの声だ。



 ーーー



 急いでミクロス族の村まで戻る。


 既に戦闘の準備をした者たちが準備をしていた。


「遅くなった。」

 そう言ってジェットがルーナへ声をかける。


「いや、大丈夫だ。移動するぞ。」


 ルーナもそうして返事をする。


「どこまで移動するの?」


「そうだな.....森の北東部あたりだろう。」


 北東部.....歩きでの移動なら一ヶ月以上はかかるだろう。


「そんな距離.....」


 ミルはそうして信じられないという表情をする。


 一日で移動できるわけないのだ。


 毎日世界樹の根を除去するなど不可能だろう。


 だが、ルーナは平然としていた。


「黙って立っていろ。」


 そうして目を瞑った。


「調停の技」


 《霹空》


 刹那、あたりが光に包まれる。


 体が宙に浮いた。


 そして、次の瞬間あたりは闇に包まれる。


 さらに、一度瞬きをするとそこはもう知らない場所だった。



 あたりを見渡すとミルには信じがたい光景が広がっていた。


「これは.....水の塊.....」


 とてつもなく広く、大きい、壮大な光景が木々の間から広がっているのが見えた。


 海だ。


「これが、海.....」


 ミルが初めて見た光景だった。


 本の中で読んだことのある光景だ。


 思わず、その壮大さに見惚れているとルーナから声をかけられた。


「見惚れるな。集中しろ。敵は目の前にいるぞ。」


 ヒュオオ......!!


 魔物が雄たけびをあげている。


 見上げると世界樹の根が他の木々より目立って空へ伸びていた。



 ーーー



「いくぞ。各々散開!魔物を撃破しろ!」


 ルーナの指示で一斉に皆が動き出す。


「ガルス流奥義」


 《一閃!》


 襲ってくる魔物を斬る。


 だが、魔物の数は膨大である。


「いつもあの呪いみたいなのあるの?」


「ええ。あるわ。」


 ミルの質問にそうしてルーナが返事をする。



 ならば.....


 ロードリング!敵の呪いを解析して。


『了解。呪いの解析を行います。』


 よし、じゃあ時間を稼ぐか......!!


「ガルス流合わせ太刀」


 《見切り》


 敵の攻撃に柔軟に対応し一つ一つ捌く。


「ガルス流重」


 《十連》


 敵が多くなったら連撃で処理だ。


 キュアアアアアアア......!!


『魔物による音波攻撃です。』


 音波.....!!??


 どこから.....!!??


「うわあああ......!!」


 どこから来たのか分からないその攻撃を食らい倒れこむ。


 フオオオオ.....!!



 魔物は倒れたミルに襲い掛かった。


「ミル!」


 ジェットがミルに声をかける。


 ミルにまだ意識はある。


 だが、受け身が取れない。


 《ロックショット!》


 魔術が飛んできた。


 ミルに襲い掛かる魔物の頭を吹き飛ばす。


「大丈夫ですか?」


 ラーファルトだ。


「あ、ありがと。」


 そのときルーナが大きな声をあげた。


「大きい群れそっち行くぞ!」


 五十匹程の魔物がこちらに向かってきていた。


「ラーファルト!私が攻撃するからカバーを!」


 と突っ込もうとしたとき頭の中に声が響いた。


『呪いの反動を達成するために必要な条件が判明しました。』


 ロードリングの声だ。


『呪いの反動性の発動条件が判明しました。一瞬で魔物三十匹の胴を真っ二つにして下さい。』


 三十匹.....!!


「ラーファルトやっぱり待って。ルーナ!」


「ミルどうした?」


 ルーナがミルの声に反応する。


「この魔物の呪いに対しては一瞬で三十匹の胴を一刀両断する必要があるわ。」


「.....信憑性は?」


「ロードリングによる解析結果よ。だから、この群れを同時に攻撃するわ!」


「そうか分かった。全員ミルの指示に従ってこの群れを殲滅しろ!」


 よし......!!この群れを一瞬で殲滅する.....!!


「みんな協力して!」


「ああ、任せろ!」

「わ、わかりました。」


 ジェットやラーファルトをはじめとしたものがミルの呼びかけに返事をする。


 ミルによる初めての戦闘指揮が始まる.....!!

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