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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第六章:世界と呪いの森

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第59話:ミクロス

「逃げようとしても無駄ですよ。世界で竜族の次に強いとされる種族。ミクロスの者たちがいるのですから。」


 そうルーナが言うと木の影から十数人もの人が現れる。


 ルーナがミクロスの者たちと言っていることから魔族だと確信が持てる。


 肌は濃い青、長い尻尾と短い角。


 そして、何より目立つのが宝石のような色をした紅の目。


 確かに人族には見えないな。


 そんなの戦争ごとに変わるんだから関係ないんだろうが.....


 そして、ルーナは正しく妖精という見た目。


 羽根を持ち、半透明の様な体だ。


 葉を操っている様にも見える。


 いや、葉も体の一部なのかもしれない。



 それにしても.....ミクロスってそんなに強かったのか?


『相当強いです。ルーナの言うように竜族の次に強いとされています。そのため、他の魔族よりも個体数が少ないのにも関わらず五大魔族に数えられています。』


 ほお、そりゃすごいな.....


 じゃあ、とりあえず話を聞くしかない.....


「なら、早く質問するんだな。余りに長いとこうだ。」


 《ウォーターガン》


 ルーナの顔ギリギリを狙って放つ。


 が、当の本人も当たる事はないと分かっているかのように全く動かない。


 彼女は冷徹な目をしたまま質問を始めた。


「いいでしょう。まず一つ目。なぜ、この森に入った?」


 こいつの質問の意図はなんだ?


 警戒?


 確か、調停者とか言ってたな.....


 ならば、守るため?


 それならば.....


「故郷に帰るためだ。そのためにここを通っている。」


 素直に答えた方がまだいい筈だ。


「.....故郷の場所は?」


「ルインド王国、王都ピクルス。」


「.....では、旅の始まりの地は?」


「ジャック王国、ガルストだ。」


「貴方を脅威と認識し、排除します。やってやりなさい。」


 え?脅威?排除?


 キイン.....!!


 ジェットが俺の前に出ていた。


 一人のミクロスの攻撃を受け止めている。


「ほう、止めるか。」

「これが世界ナンバー2か?まだ超えられるな。」


 言葉だけで火花が散っている。


「種族としてだ。強いやつはいくらでもいるよ.....!!」


 敵が連続で攻撃を繰り出す。


 同時に他の者も戦闘を開始した。


 ミルは.....完全に防御体制だな.....


 このレベルの敵とはまだ戦わせられない。


 危険すぎる.....


 下手すると覇者以上だ。


 覇者のときでもやばかったんだから.....


 《ウォーターカット》


 水上段魔術の技。


 恐らくこの世界で原理は分かっていないが、俺には理解できる。


 なんたって、14浪して勉強してたからな。


 水分子一つ一つに刃の性質を追加し、それが攻撃を遮断。


 擬似結界を作り出している。


 さて、ミルのことは気にせず戦えるな。


「ミル、おとなしくしてろよ!」

「ええ、頼むわよ。」


 ちゃんと、実力不足が分かっているのはいいことだ。



 さてと.....


 《ムーブドウインド!》


 まずは敵の攻撃をかわしながら状況を分析する。


 敵はだいぶ強いな。


 負ける可能性もある程だ。


 今までよりも勝率が低いと考えた方がいい。


 ま、勝つしかないんだが.....


 《ムーブドウインド》


 こいつら動きか早いのか.....??


 《ムーブドウインド》


 何度回避してもすぐに次の攻撃がやってくる。


 《ムーブドウインド》


 いや、動きじゃないな.....


 《ムーブドウインド》


 反射神経か.....ならば.....!!


 《マッドスロウ!》


 目潰しの攻撃.....!!


 目をつぶす事で俺の行動に反射させなければいい。


 だが、それだけで終わる筈ないよな.....!!


 《ムーブドウインド!》


 常に回避と思考をし続ける。


 攻撃は受けてはダメだ。


 全力で回避を.....


『敵の攻撃がきます。』


 ——え、


 気付いた時には目の前に来ていた。


 ——早.....!!


 咄嗟に防御をする。


 が、もちろん防御など意味はない。


 攻撃力が桁違いなのだ。


 その威力で吹き飛ばされ、木を数本折って止まった。



 ——はは、強すぎだろ.....


 体動かねー。


 でも、動かさないとなぁ.....


 こんな所で負けるとか.....



 ミジ.....ミジ.....


 歩いて敵が近寄ってくる。


 くっそ.....


 力を振り絞り立ち上がる。



「あとはお前だけだ。」


 そうルーナが話す。


「あの女は戦力にならんだろう。見た感じ、ただの荷物の様にしか見えん。」


 荷物か.....


 ひでぇ言い方だな。


「荷物、それが何だと言うんだ?迷惑かけて何が悪い?俺の仕事はその”人”を無事に届けることだ。悪いが、お前らにはどいてもらう。」


 《ムーブドウインド!》


 動かない体を無理やり魔術で動かす。


「荷物ではなく人と言うわけか。それがこの森を侵食する口実というわけだな。謎の禁忌魔術使い。」


 謎の禁忌魔術使い.....??


 何のことを言ってる?


 が、そんなこともう言ってられないな.....


 ジェットはさっき視界の端で倒れていたが生きてる。


 なら.....心配ないな。


 半分のミクロスを任せるぞ。


「ジェット.....!!」


「荒野独流」


 《空見(くうけん)


「すべて、見た。ラーファルト、時間を作ってくれたこと、礼を言うぞ。」


「荒野独流」


 《黒殲獄豪傑斬》


 ジェットの最高火力が始めからでる。


 普段なら温存という形にしているらしいが、そうも言ってられないのだろう。


 それに「空見」のこともある。


 技の発動から五分間戦線を空から俯瞰する様に捉えられる。


 しかし、それには時間がいるからどうたらこうたら。


 と、以前ジェットに言われていた。


 だが、ジェットの最高火力を受けても倒せはしない。


 それほど強い。


 《ムーブドウインド!》


 俺の最高火力も同様だ。


 それ以上の火力を出さなければ.....!!


 《ムーブドウインド!》


 ——早い.....!!


 さっきの比じゃない。


 俺が回避していた所はまだまだ様子見だったってことか.....


 早さ、パワー、反射神経、攻撃の正確性、防御の硬さ.....


 全てが世界トップクラス.....!!


 《ムーブドウインド!》

 《ムーブドウインド!》


 考える時間がねぇ.....!!


 時間が.....


 《ムーブドウインド!》


 時間を.....!!



「ガルス流!奥義•改」


 《獄一閃》


 その攻撃が敵を吹き飛ばす。


 ——ミル.....!!


 ミルの使った獄一閃。


 奥義の一閃よりもより威力を上げた。


 さらに、ラーファルトの作った擬似結界を剣に乗せることで更なる威力の上昇に成功した。


「ミル!助かった、助かったけど!どうして出てきた!」

「えっ!言葉の裏ってやつじゃないの!?」


「そんなもん考えてねぇよ!」


「おとなしくしてろよ」は表も裏も「おとなしくしてろよ」だ!


「だが、お陰で時間ができた。」


 《マグウィップ》

 《デスマジックパワー》

 《デストロイフレイム》


 高火力の技三つ.....


 それにまだだ.....!!


 《ロックショット!》

 《ライクオーシャン!》


 そして、


 《バブル!》


 動きも封じて確実に当てる.....!!



「うおおおおおおお!!!」


 いけ.....!!倒せ.....!!



 ドゴオオオオオオン......!!


 轟音が鳴る。


 土埃が舞っている。


 カアン.....!!キイン.....!!


 なおも戦闘音が鳴り響いていた。


 やがて音が消え、土埃も消える。


 そこに立っていたのは——


 ルーナと3人程になったミクロスの者のみだった。

インフルエンザに感染したしまして更新が一日遅れました。


申し訳ありません.....!!


来週は月、水、金で投稿します!!

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