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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第五章:旅の日常

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第55話:黒根の森

 ドゴオオオオオン.....!!!


 轟音が鳴り響く。


 ジェットとバースの剣がぶつかり合っている。


 それにしてもバース強くなりすぎじゃねえか.....??


『後方からの支援だと考えられます。』


 後方支援か.....そう言われてみれば霧が出来ている。


 バースも上手くそれを利用しているな.....


『それだけではありません。自身の鍛錬の成果もあるでしょうが、身体強化の禁忌魔術を使用している可能性が高いです。』


 なるほど.....



「おい。」

「うわぁ!」


 び、びっくりしたー.....

 いきなり後ろから声をかけるなよな.....


「早く立て。」

 うーん.....前から思ってたけどバースのとこの兵士って性格悪そうだよな.....


 前はすぐに蹴ってきたし。


「いて、」

 ほら、蹴ってきた.....


 ま、とりあえず立っとこうか.....


「がっ!」

「え!?」


 突然敵の兵士が倒れた。


「立たなくていい。お前たちは俺が守る。」


 ジェット!早くね?


 動き早くね.....??


 見えなかったんだけど.....


「あ、ありがとうございます。」


 ジェットは敵に回したくねぇ.....


「頼みましたよ。」

「ああ、ミルと観戦してろ。」



「ふんぬ!ふんぬ!ラーファルト!どうするのよ!」


 あ、なんかごめんミル.....




 ーーー



 ジェット視点



 敵個人の戦闘力はそこまでだな.....


 だが.....


「おりゃああああああ!!!」


 同時に斬りかかってくる。これが厄介。


 そして.....


「ガルス流(かさね)


 《十連》


 連続太刀.....!!


 こいつは結構戦闘できるタイプか。


 通常、連撃の後には隙が生まれやすいが.....


「うおりゃあああああ!!!」


 だが、そこは部下が上手くフォローする。


 なるほど、しっかり連携もしているということか。



 そして、何より.....


「ガルス流急手」


 《光剣》


 早い.....!!


「荒野独流!」


 《克戦(こくせん)斬》


 早さだけならこいつの方が早いかもしれないな.....


 先程の会話的にラーファルトには負けた様だ。短期間でかなりの成長を遂げたのだろう。


 いや、それとも秘術によるものか.....


「ガルス流奥義」


 《一閃》


「荒野独流」


 《川見極(せんけんごく)


 カキイン!!!


 金属音をならしながら両者は刃を重ねあう。


「ふぅ.....」


 ラーファルトによる殺しできるだけ禁止という縛りもあり、ジェットは中々攻撃できずにいた。


 さて、どうしようか.....


 殺すだけなら簡単だ。


 名前.....なんだったっけ?


「お前、名前は?」

「あ?バースだ。」


 バースか。こいつの早さはかなりある。


 その動きを止めるには。


「貴様剣士だな。ならば真剣勝負といこう。」


 バースは一瞬驚いた顔をしながらも不適な笑みを浮かべて返事をした。


「望むところだ。」


 と。


 両者は睨み合う。


 バースは早さが自分の方が優れていることを理解していた。


 だからこそ、早めに勝負を決めに行こうと考えている。


「黒の剣士ジェット参る。」

「翔空のバース参る。」


 刹那バースが走り出す。


「ガルス流奥義•改」

 《(そく)一閃》


 通常の一閃よりも何らかの能力を高めた、奥義•改。


 並の剣士では到底使えない技である。


 だが、ジェットはそれよりも更に上澄みの剣士。


「荒野独流」


 《鳴地(なりじ)


 ドゴオオオオオオン!!!


 剣で地面を叩きつけた。


 衝撃によって地面が大きく揺れる。


 その反動でバースの体が宙に浮く。


「荒野独流」


 《掌斬(しょうざん)


 ジェットが動いた。


 次の瞬間、バースは既に地面に伏していた。



 ーーー



「いやあ、助かったよ。」

「ラーファルト.....本当は拘束を解けただろ。」

「ナンノコトカナ???」


 ジェットにはバレてしまったがあの拘束はいつでも解くことができた。


 手首を固定されたところで魔術を使えるのだから問題ない。


 というより戦いたくなかったのだ。


 森に入るとはいえまた追手が来るかもしれない。


 手の内を晒すよりもジェットの強さを印象付けることにしたのだ。


 そしたら俺も警戒されにくいだろうからな。


「おい、ラーファルト。誰なんだ、そいつは。」


 お、バースのやつ目が覚めたか。


「先に俺の質問に答えてもらおうか。」

「.....部下たちはどうした。」

「とりあえず拘束させてもらってるよ。」

「.....そうか。」


 お、なんか珍しいぞ。


 バースがほっとした感じの表情をしている。


 人として悪い奴じゃないからな。


 なんとなく話してて分かる。


 性格はいい。ま、仕事だから追ってきているって感じだな。


 とりあえず、それは置いておくとして.....


「まず、追手について聞こう。お前ら以外にいるのか?」

「.....」

「答えないのか?なら力ずくでということになるが、どうする。」

「.....」


 答えないか.....


「部下たちもいるんだぞ。いいのか?」

「.....お前は殺さねえだろ。痛めつけたりもしねえよ。」


 うわっ。バレてる。


「じゃあ、話はこれで。」

「いや、待て。もう一つ質問がある。なぜこの短期間でそこまで成長した?」


 成長の秘訣は知っておきたい。


 バースはかなりの成長を遂げていた。


 今の俺なら勝負は7:3といったところだろう。


 前回は9:1ぐらいだった。


 この短期間で信じられないほどの進歩なのである。


「それは.....お前に負けて悔しかったからだろうなぁ....努力もしたよ。ま、ずるもしたけど。」


 そうか。悔しさか.....


「ま、まだお前の子供に言われたくねえわな。俺より短期間で強いんだから。」

「ふん。また会おう。」


「おい、俺の質問は答えないのか?」


 そう聞かれたが俺は黙って拘束していた縄を切る。


「.....いいのか?」

「どうせ捕まえられないし、捕まえないだろ。部下の縄は解かないから。」


 ま、今はジェットいるし大丈夫だろ。


 あれ?ジェットは今どこに.....


「おーい。ラーファルト。獲物取ってきたぞー。」


 今きたけど、ちょっと前までいなかったのか.....危ねぇ。


 普通に殺されていた可能性があったな.....


「ラーファルト!これ私が狩ったのよ!」


 なんかミルが言ってる。


 と、思ったが確かに中々でかい獲物だった。


「凄いですね!美味しそうです。」

「べ、別に!このぐらい当然よ!」


 …..と言っているがこいつは拘束を解けませんでした。


『それはこちらも同じでは.....』


 俺は解かなかったの!


『はぁ.....』

 いや、はぁ....って.....本当だからな!


 ま、いっか。


「ミル!獲物を幾つかください。」

「え?あ、はい!」


 よし。


「おい、バース。やるよ。」

「.....どういうつもりだ?」

「なんでもねえよ。元気でなー!」


 そうバース言って俺たちは森へ向かう。


「早速入りますか!森に!」

「ええ!行くわよ!」

「荒野以外の地か。懐かしいな。」


 早く送り届けるのだ。ミルを。


 無事に.....!!


 改めた決意と共に森へ一歩を踏み出した。



 ーーー



 そして、ラーファルト一行のこの森での旅は世界の核心に一歩踏み出すものとなる。


 その旅の功績を讃えるためにこの森はこう呼ばれている。


 黒根(こっこん)の森と。

これにて五章終了です!

次回からは六章!森での旅が始まります!

世界の核心へ近づく内容とは!?!?


更新頻度が家庭内事情で落ちていましたが戻します!

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