第50話:連絡
「うおおおおお!!!」
「はあああああ!!!」
「荒野独流」
《殲眼撃》
「ガルス流進手」
《斬》
《ロックショット!》
『敵の全滅を確認。戦闘サポートモードを終了します。』
よし。倒した。
倒したけど.....
「突っ込みすぎですよ!!!」
「そうかぁ?」
「なんでそう思わないんですか!!」
思わないのが俺は怖いよ.....
「あれぐらい普通なんじゃ無いの?」
おい、ミル!お前までそんなこと言うんじゃ無い!
「そうか、やっぱりあれが普通だよな。」
「違います!」
まぁ、そんな個々の力が弱いわけでもないし大丈夫か.....
暫くは.....
「まぁ何はともあれ初戦闘が無事に終わったのは良かったです。」
「初戦闘は荒野の覇者戦じゃないのか?」
「正式にパーティーを組んでからですよ。」
「なるほど。」
なんか、少し話して分かったんだが.....
ジェットって脳筋タイプだよな!?
それも必死で隠してるけど.....
隠しきれてないよな!?
多分ジェットは時間が経てば経つほど本性が見えてくるタイプだ。
まぁ、いっか。戦闘面では余裕が出来たことだし.....
「ねぇ、ジェット!その剣術凄いわね!」
「ん?ミル.....お前.....」
ん?なんだ.....??
いや、ジェット.....さん.....??
「あの、ジェットさん様子が.....」
「この剣術の良さがわかるのか!!」
「えっ!ええ!」
「ほう。いいなあ。いい目をしている。」
ああ、何が起こってるんだ.....??
いきなり本性が見えてきた気がする.....
「わかるか?.....この剣術はな.....」
「な、なるほど.....そんな秘策が.....!!」
「こう振って、こうするんだ。」
「ん?.....こうかしら!」
「うーん。悪く無いが少し違うぞ。こう振って。こう.....だ。」
「む、難しいわ.....でも、理解できなくはないわね。」
うん。俺は全く理解出来ないぞ。
なんていうか.....ちょっとオタクの会話っぽいぞ.....
剣術オタクだったのか.....??
「そういえば、ラーファルトも剣術凄いわよ!」
「そうなのか!魔術で使った剣で覇者の腕を斬っていたな。まさか.....とは思っていたが.....」
え?なんか、やばいぞ。
目が光ってる.....
怖い怖い.....
やめて.....!!
「よし、ラーファルト!一回振ってみせるんだ。」
「え、嫌なんですが.....」
「剣術が嫌いなのか!?おい、なんてことだ.....そんなことが.....あわわ.....」
ちょっと待てぃ.....!!
ジェットの本性出過ぎぃぃ.....!!
じゃなくて...このままじゃパーティーの雰囲気が悪くなりそうだな.....
はぁ.....仕方ないか.....
「少しだけですよ。」
「ふ、振ってくれるのか!」
「ええ。いきますよ。」
ブン.....ブン.....
空気を割く音を鳴らして剣を振る。
ちなみにその音が大きければ大きいほど強い剣士だ。
と、モルガンが言っていた。
まぁ、俺なんてまだまだ小さいですよ.....
単純な筋肉量とかも足りていないしな.....
まぁ、それを魔術でカバーしてるんだが。
「うむ。悪くないな。」
「悪くないんですね。なら.....」
「分かるか。ここをこうすることでもっと良くなるぞ。」
ああ.....始まってしまった.....
「な、なるほどぉー。こうですね。」
ブン.....
話を合わせるようにしよう.....
パーティーのためだ.....
我慢強く生きましょうな。
「ふむ。良くなった。だが、ここも、こうすれば.....」
………
…..
..
.
「はぁ、はぁ.....」
三時間は経ったぞ。
流石に長すぎると思うんですが!
「うむ。やはりここはもっとこうやって、こうした方がいい。」
「はぁ、はぁ.....こうやって、こう!」
「うむ。初めよりだいぶ良くなったぞ!」
うん。確かに良くはなった。
「よし、今日はこのくらいにしよう。旅はこれからも続く。いつでも同じように指導できるからな。」
そうか.....これが続くのか.....
「良かったわね。ラーファルト!」
「え、ええ。」
良かった.....のかは分からないが.....まぁ剣術は上達するだろうな.....
『報告します。』
なんなんだよ!もう!
『恐らくかなり大事な用事です。』
あ、はい。なんかすみません.....
『ルイスからの連絡です。』
ルイスから.....??
何故だ.....?
『連絡を繋げますか?』
はい。
てか、そんなことも出来るのか.....便利だなぁ.....
『お前、何やってるんだ!』
いきなり怒られた.....