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第48話:黒の破倒

五章開幕です!

ストーリー的には間章に近く短めの予定です。

「.....っん.....??」

「あ、おはよう!ラーファルト!」


 ミルの顔が真上にある。


 真上.....??


 え?真上.....??



 俺は飛び起きた。



 予想通りだ。



 膝枕されてたのか.....!!




「な、何よ......!!」


 あ、ミルのさがなんか悲しんでる.....


 ごめんって.....急に飛び起きて.....


 嫌じゃなかったですよ!


「別に何でもないですよ....」


 まぁ、口には出さないけど。


『口に出さないと伝わりませんよ。』


 うるさい!



「そ、そう。それで、もう大丈夫なの?」

「魔力切れになっただけですから大丈夫ですよ。」

「ラーファルトはどんなに魔術使っても今まで魔力切れにはならなかったのに.....」



 うーん。


 それは確かに.....なんでだろ.....??


『デスマジックパワーの影響だと思われます。』



 デスマジックパワーの影響?


 どうしてその魔術が関係あるんだ?



『この魔術は通常威力で中段以上の魔力を消費します。』


 ほぉ、それはそれはたくさん使いますねぇ。



 でも、それぐらいじゃ魔力切れは起きないだろう!!


『話は最後まで聞いてください。』


 …..はい.....



 この野郎.....うぜぇなぁ.....



『何か問題でも?』


 い、いえ、ありません。


『そうですか。』


 それで、デスマジックパワーの影響ってどういう意味なんだ?



『デスマジックパワーは自身の魔力を直接当てる禁忌魔術です。そのため、その量が増えるほど威力は増大します。』



 …..つまり、俺が高威力のデスマジックパワーを連発したから魔力が大幅に使われたってことか。


『その通りです。』



 ふむ.....やはり禁忌魔術という感じがするな.....



 使うタイミングは気をつけないと.....




「おい、ラーファルト。」


 …..この声は.....



「ジェットさん.....??って.....!!??えぇ!!??」


 いや、何持ってるんだ?それは!?


 デカすぎるだろ!


 動物?魔物なのか?


 あんな身長の三倍以上ある体を片手で!?


 どんな筋肉してるんだよ!


「で.....大丈夫なのか.....?」

「え?ああ、心配かけてすみません.....」


 そりゃ倒れたら心配はするか.....



「とりあえず飯でも食べるか。」


 そう言って魔物を差し出してくる。


 ああ、これは獲物か.....



「ほら。持てよ。」


 もてよ.....


 モテヨ.....


 モテヨ.....



 持てよ.....??



 いや、無理だろ。



 俺じゃ持てないって!


「あの、流石にそれは持てないですよ.....」

「そうか?持てそうな気がするが.....」

「いや、無理ですって!」


 そういうの持てるのは人間を辞めたやつだよ!



『ジェットは人間ですが.....??』


 そういうことじゃない!


 思考読まれるってめんどいな!


 今更だが!



「まぁ、いい。食べよう。火を起こすか.....」

「あ、僕がつけますよ。」

「そうか.....助かる。」


 《ファイアーボム》


 いつも通り魔力を使って火を起こした。


 うん。


 魔術の使用に問題はないな。


 魔力切れもしっかり治っていそうだ。


「.....」

「.....美味しい.....!!」


 ジェット.....この魔物美味しいぞ.....!!


「ああ、俺はこの地で生活していたんだ。その位知ってるよ。」

「なるほど!すげぇ!」


 ミルは.....うん。食べるのに夢中だ。



 感想さえ言わずに食い入っている。


「.....」


 うーん。なんかなぁ.....



 ジェットの様子が変だ。


 戦闘時の覇気が無いというか.....


 心ここに在らずというか.....



「ジェットさん。何か考え事でも.....?」

「ラーファルト.....勘がいいな。」


 へへ!そうだろ!じゃなくて。



「やっぱり何か考えてたんですね。」

「ああ、懐かしいと思ってな。」


 …..懐かしい.....



 ああ.....仲間との思い出か.....



 荒野の覇者との戦闘にて敗れた仲間との思い出.....



 こうやって誰かと食事をするのも久しぶりなのだろう。



「そういえばジェットさんのフルネームって何なんですか?」

「言ってなかったか?ジェット・ノイルだ。」


 ジェット・ノイル.....なんか強そう.....



 いや実際強いんだけど.....



「僕はラーファルト・エレニアです。」

「私はミル・ルインドよ。」



 ラーファルト・エレニア

 ジェット・ノイル

 ミル・ルインド


 これからはこのパーティーで故郷を目指す。



 必ず無事に送り届ける.....



『現在二人のパーティーですが、メンバーを増やし三人へ変更しますか?』


 変更?そんなことできるのか?



『はい。パーティー名も変えることが可能です。』


 なるほど.....



「パーティーを正式に三人にしてもいいですか?」

「ああ、もちろんだ。」

「ええ、大丈夫よ!」


 よし、じゃあ三人でよろしく頼む。



「パーティー名は.....」



 ジェットの昔のパーティー名は.....



 ええと.....



 黒殲のなんたらだったな.....



「黒の破倒.....なんてどうでしょう?」

「黒を入れてくれたのか.....俺は構わない。」

「私もラーファルトがいいなら大丈夫だよ!」



『パーティーを三名:ラーファルト・エレニア、ミル・ルインド、ジェット・ノイルへ変更。』



『及び、パーティー名を黒の破倒へ変更しました』




 後に、「黒の破倒」はこの世の者なら知らない名となる.....

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