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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第四章:まだ旅は始まったばかりだ
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第44話:ジェット

 誰か.....助けて.....


 パシュ.....


 ミルの頭に腕が落ちてきた。


「いやあ、間に合ってよかった。」


 ミルの頭に()()()()()が落ちてきた。



 右目に傷のある男が立っている。


「あ、あなたは.....だr…..」

「うおあああああああ!!」


 腕を斬られたドラフトがミルの声を掻き消し、悶絶している。


「貴様.....許さんぞ!この!」

「あ?ここは戦場だぞ?斬られる覚悟をしておけ。」



「荒野独流」


 《炎斬撃》



 炎を纏ったように剣が赤くなった。


 後ろで座り込んでいる私にも熱が伝わる。



 この剣士は誰.....凄腕の剣士だ.....



 でも、荒野独流って.....??



 ジュッ


 燃えるような音と共にドラフトが崩れ落ちた。



「よし、それで、あんたの名前は?」


 戦闘が終わるや否や彼はそう話しかけて来た。


「み、ミルよ。」

「ふーん。で、なんでここに?」


 自分で名前を聞いておいてあまり興味はないようだ。


「四銃士を倒したから攻めて来たって感じだと思うけど.....」

「四銃士.....四銃士を倒したのか!?」

「え、ええ。」

「それは.....まぁ、攻めて来てるんだから事実なんだろうな....,」



 少し考え込んだ様子で彼はこう言った。


「この戦いの後、俺が生きていたらまた話そう。」


 そして、途端に走り出す。



「え?は!?ちょっとま....!!」


 彼の走る先にいたのは.....



 ーーー



 やば.....い.....



 ドバァァン.....!!


 ラーファルトのいた位置で、高火力な爆発が起こる。



 爆発の煙が消えた時、そこにはもう何も存在しなかった。



「うおおおおおおお!!!」


 もはやセンジュに自我はない。



 ただ暴れ狂う戦闘狂へと成り果てていた。



 目の前に敵がいないのに力を使おうと雄叫びをあげる。



 寿命が刻一刻と減っていく、大量殺戮だけを目的としている。



 もし、センジュの冷静で切れる頭脳がまだ残っていればこんな攻撃は一切通用していなかっただろう。



 …..触った.....!!


 俺は()()()()()()()()()でセンジュに触れた。



 ーーー



 やば.....い.....



 俺はその瞬間、瞬時に魔術を発動し、土の中に潜った。


 《ロード!》


 今にもミルに止めが刺されようとしているが、俺はミルの後ろにいた人影に全てを託すことにした。



 今は、もう、そいつを信じるしかない。



 話したことも、聞いたこともないものだが、今はもうそれしかないのだ。


 必ず勝つ.....!!



 ーーー



 俺の最大火力.....!!


 《デスマジックパワー!》


 ゼロ距離での「デスマジックパワー」だ。



 俺の体にも衝撃が走る。


 これに耐えられる筈は.....!!


「うわぁっ!」


 手を掴まれた。


 《ロックショット!》


 魔術を放つ.....が、手は離れない。


「くっ!う、うわぁ!」


 地上に無理やり引っ張り上げられる。



 敵は.....怪我はしているようだが.....致命傷には至っていない.....



 くそっ.....!!


 どうしてこれが効かないんだ!


「うっ!」


 殴り飛ばされた。


 全身が痛む。



 くそっ!


 動けねぇ.....!!


 死ぬ......!!



「うおおおおおお!!」


 敵の拳が俺の頭目掛けて飛んでくる.....



「荒野独流!」

 《雷神炎連斬》



「え.....??」


 センジュが粉々に斬り刻まれていた。


 気がつくと目の前に敵はいなかった。



「ふぅ、お前その年齢でこいつとよく戦えたなぁ.....」


「あ、あなたは.....??」


「あー、危ないから下がってろ。」


「危ない.....??」


「荒野独流」

 《重止剣》


 刹那風圧が俺を襲った。



「うあ.....!!」


「久しいな、荒野の覇者.....ダイン。」

「今度こそ殺される準備はできたのか?ジェット!」


 こいつが.....荒野の覇者.....!!


 荒野の覇者の名前はダイン.....


 そして助けてくれた人がジェット.....


 二人とも.....つ、強い.....!!



 神の力を使ったセンジュよりも遥かに.....



 だが.....


「荒野の覇者.....やはり強いな.....!!」

「ふん!降参したらどうだ?ジェット!」


 ジェットの方が押されている.....!!??


 あのセンジュを瞬殺したんだぞ.....!!


「荒野独流」

 《波風!》


 早い....!!


 が.....


 《覇烈火!》



 荒野の覇者の攻撃はそれを相殺する.....



 だけではない.....!!


「くっ!」

「はは!どうした!!??」


 カウンターもしていくのか.....!!


「ふう、やはり厳しいな。」

「ふん。ソロでは勝てないんじゃないか?」


 ソロでは?


「何だったか?黒殲の獄だったか?」

「ああ、そうだな。そのパーティー名だ。」


 黒殲の獄?


『三十年ほど前までこの地域で名をあげていたパーティー名です。』


 どのくらい有名だったんだ?


『大大陸南部でその名を知らぬものなどいませんでした。当時、荒野の覇者と肩を並べるものとして認識されていました。』


「お前以外は俺が全滅させたからなあ.....!!」

「ああ、そうだな。これは俺の敵討ちだ。」


 そうか、そのパーティーはこいつに.....



 因縁か.....



「敵討ち?心外な.....俺の左目の傷は誰がつけたんだ?」


「それをいうなら俺の右目の傷は誰がつけたんだ」


 だいぶ深い因縁だ.....



「.....本当はソロで倒したいところだが、今のままでは勝てそうにないな。」


 確かに.....じゃあどうやってジェットは勝つんだ.....



「おい、ダイン。こいつにも因縁はあるんだろう?」


 ん?


 ジェットが俺を指差した。


 因縁?そんなものないと.....


「ああ、四銃士を二人、その内一人は右腕だった。」


「ならこいつも参戦させよう。おい、援護しろ。」


「え、あ、はい。」


 ええー.....



 正直、どちらも俺の格上だ。


 ついていけるとは思えないが.....



 まぁ、やるだけやるしかない。



 もし、荒野の覇者が勝つことがあれば俺たちに命はない。



 やってやろうじゃないか.....!!



 覇者狩りを.....!!

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