表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第四章:まだ旅は始まったばかりだ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/194

第41話:火蓋が切られた

【記録:人魔暦8年】ラーファルト•エレニアが荒野の覇者と戦い.....



 ーーー



 拠点を離れて約一週間の時が過ぎた。


 未だに荒野の覇者の手のものと出会っていない。


 やはりこれは.....

『戦いの準備をしているとみて間違い無いでしょう。』


 なぁ、敵は俺たちを捕捉していると思うか?


『ある程度の位置は割り出されていると予想します。』


 どうして?


『拠点を訪れたからです。遠方からそこに訪れたことを把握した可能性があります。』


 確かにその可能性はあるな。


 それならば敵と遭遇しない理由にも納得がいく。


 こちらとしては都合はいいが、奇襲を仕掛けられても厄介だ。


 戦うのなら早めがいい。疲れも溜まらないしな.....



 ーーー



(全、荒野の覇者の手のものへ告ぐ。)


(これより敵の殲滅を開始する。透明化の解除と共に進め.....!!)


 《トランスペアレント•解除》


「うおおおおおお!!!」



 攻め込むものの目には一人の少年と、一人の少女が写っていた.....



 ーーー




「うおおおおおお!!!」


 ついに来たのか.....!!


 多いな.....


『千人は優に超えています。』

 

 ここまでの大群は想定してないぞ.....


 それも魔物の種類は様々だし.....


 というよりこいつらどこから湧いて出たんだ?



『透明化していたと思われます。ただし、透明化の際にはこちらへの干渉も不可能になるため解除したのでしょう。』


 なるほど.....まぁとりあえず.....


「よしっ!やりますか....!!」

「ええ、やるわよ....!!」



 まずは.....雑に減らす。


「消え去れ.....」


 《デスマジックパワー!》


 パシュ.....



 地味な音を立てて大勢の敵が倒れた。



 半分は減らしただろうか。


 大きな敵や大群にはこの攻撃が効果的だろうな.....


「おい.....今のどういうことだ....!!??」

「攻撃なんて見えなかったぞ!」


 魔力探知やSariのない敵からすると見えない攻撃。


 そして高威力、広範囲。


 脅威だろう.....


 このまま混乱してくれるといいのだが.....


「鎮まれい!」


 あいつがリーダーか何かか.....??


 もしそうならば今のところ作戦通りだ。



 ーーー



 十日前.....(拠点へ着く三日前の夜)


 敵に対する対応について話していた。


「もし、敵が出て来たらまず俺が数を、雑に減らす。」


「どうして?」

 ミル.....なんて悲しそうな顔をするんだ.....


 敵の数なんて減ってもいいだろ.....


「リーダーを炙り出すためだ。」

「でもリーダー自体が出てこない可能性もあるじゃない。」


 まぁそれは確かにと言いたいところだが.....


『混乱を鎮めるためにはリーダーの声が必要です。』


「基本は出てくるさ。出てこないならそれは勝ちだ。」


 だから、むしろ警戒すべきは.....



『逆にこちらの裏をかいて単騎で攻めてくる強者です。』



 ーーー



「鎮まれい。」


 リーダーの一言で混乱の連鎖が止まる。


 統率はしっかり取れているのだろう。



 そんな人なら.....むしろ透明化があるなら.....



 《トランスペアレント•解除》


 後ろで魔力探知が反応した。



 奇襲がくる.....!!



 ーーー



「ミルにその奇襲への対応をお願いしたい。」

「ええ、分かったわ。」

「初撃さえ防げば、その後は俺がカバーできるから。」


 と、彼女の役割を整理したのだが.....


 正直、ミルで大丈夫なのかとは思う。



 彼女は強い。


 年齢にしては肉体的にもかもしれないが、精神面が尋常じゃない。


 大人よりも強いのではないだろうか。



 が、恐らく単騎で攻めてくるのは四銃士クラスだ。



 大丈夫かと言われると.....



『大丈夫ではないでしょうか?』


 そうかな.....まぁ信用するしかないか。


『大丈夫だと思われます。彼女は思っているよりも強いですから、想像を超えます。』



 ーーー



 《超武装•消し炭》


 敵の攻撃がくる.....!!


 ミル.....!!


「ガルス流奥義.....」

 《一閃》



 敵の持つ斧とミルの剣がぶつかる。


 火花が散っていた。


「うおおおおおお!!!」


 声をあげてミルが腕を振り下ろした。


 敵の斧を砕き、剣を体にまで到達させる。



「うおっふ.....!!」


 こいつ.....相当パワーあったんだけどな.....



 ミル.....俺は過小評価し過ぎていたのかもしれない。



 彼女は強い。


 冒険者として生活もできるだろう。




 さて、奇襲を防がれた敵はどう動くか.....



「子供でこの強さとは.....末恐ろしいな.....」


 考えろ.....迷え.....


 こちらとしても考える時間は欲しい.....!!


「よし、お前達は下がっておけ。俺とドリフト四銃士二人で叩く.....!!」



 …..四銃士二人.....!!



 正直、ここからの戦いに作戦は無意味.....


 目の前の敵を.....倒す.....!!


「やるぞ.....!!ミル.....!!」

「ええ!勝つわよ.....!!」



 ーーー


「火蓋が切られたか.....!!」


 戦いが始まったというのにその人物は笑っていた。


「この感覚.....懐かしい.....」

 高揚して、敵の中心へ向かうのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ