第210話:すぐそこに
投稿頻度が遅くなってしまっておりすみません!
2〜3週間は三日に一回ほどの投稿ペースになると考えられます!
「ラーフ。」
「うん。」
サナとそうして会話を交わす。
左右には鉄格子。そして、その中には人がいる。
人々の視線は、驚きと恐怖に満ちいていた。
その目は、俺たちに怯えていることを訴えかけていた。
「あの.....」
「あなたたちはなぜここに?」
一応、魔神聖が善人で犯罪者を捕まえているってのは.....
「た、助けてくれ!」
無さそうだ。
『顔の強張り、口調、質問に対しての答えが助けてなのは、切羽詰まった状況だと考えられ、嘘はおそらくありません。』
よし、嘘がないならいいか。
「分かりました。出口から最も遠い牢屋から解放していきます。」
「い、急いでくれ!!!」
相当怖い目に遭わされているのか.....??それとも.....魔神聖という世界の頂点に近き存在が何もかもを押さえ込んでいるのか.....
少し前、サナが助けになってくれなければ、俺も魔神聖という存在を克服出来ていなかっただろう。
魔神聖はそれほどの存在なのだ。
魔法耐性のついた鉄格子か.....魔法での施錠を行っていると.....
「サナ。一緒に解析お願い。」
「うん。もちろん!」
《キーコード》
鉄格子の鍵の部分に手を伸ばし、その鍵の構造を解析、そして、その分解を行う。数秒で作業は終了。
サナと解析したために、そこまでの時間はかからなかったが、一人での解析は面倒だったな。
確かに、この中に魔術師がいてと解けない構造だろう。
「サナ。このまま一つずつ。」
「うん。分かってる。」
二人で一つずつの構造の解析は面倒だが、これが一番効率的だろう。一つずつの鉄格子の破壊なんてことをすれば魔神聖が来かねない。
あいつなら、無理やりこじ開けたらわかる。なんて、呪いをつけてそうだしな.....
《キーコード》
「ん?」
「サナ。ちょっと待って。」
と、今解析しているものと、さっき解析した檻の解析の結果を比べる。
「.....規則性ありそう。」
《キーコード》
確認のためにもう一つ異なる檻を解析する。
やっぱり、これらの檻には規則性のある数式が複数組み合わさっている。
それを番号順に解けば良いってことか。
『規則性を認識。各檻の解除数式を予測、魔術を構築します。』
もう、20年以上前になるが、受験勉強で規則性を用いた数式の問題を何回も解いた甲斐があったな。
『魔術構築完了。共有します。』
了解.....!!
《イクエイト》
「よし.....」
鍵は全て開いたようだが.....まだ誰も開いたこと自体に誰も気がついていないな.....
まあ、頭の中で作っていた、この鍵の数式を世界に適応させただけだからな.....
その魔術の痕跡も無いに等しい物である。
「サナ.....サナ??」
彼女はワナワナと震えていた。
「サナ、大丈夫?体調が.....」
「ううん。違うの.....違う。嬉しくて、嬉しくて堪らないの。」
サナの視線の先に居たのはエルフの.....夫婦。
服はボロボロで、顔色もとても良いとは言えない。
それでも、その人に見覚えがあった。
「お母さん.....!!お父さん.....!!」
この二人はサナの両親だ。
「サナ.....!!本当にサナなのね.....!!」
「良く、良く生きていた.....!!ほんと、本当に良かった.....」
二人は鍵がもう檻にかかっていないと確信していたかの様に、牢のドアを勢い良く開け、そしてサナを抱きしめながらそう言っていた。
ということは.....
「あの、この中にブユレ村の出身者はいますか?」
「ま、まさか.....!!ラーファルト!」
そう、俺の名前を呼んだ人がいた。
この老人.....どこかで......
ええと......
「ブユレ村で副村長を.....」
とその老人が話したことでその老人の名前を思い出す。
「カールドさんか.....!!」
「いやはや、覚えているとは.....」
「カールドさん。やりたい話は山々ですが、時間がないので。ここにいない人は?」
「ラーファルト.....君の一家だけだ。君の一家はこの牢の更に奥にいる。モルガン村長も、君の母親もそこにいる。」




