The other side:フィックス先生の旅⓸
俺の故郷は、大大陸北部の国に存在する。
ルインド王国の上に存在している。
カルバック共和国。最も、俺が宮廷魔術師をしていたのはこの国ではない。
中央大陸の一国だ。
「久々だな.....」
関所を越え、その先に広がる景色を目にする。
目の前に広がる山の先、そして、更に二つ山を越えれば俺の故郷の近くだ。
「あんた、珍しいね。」
「知らん顔だな。」
突然話しかけられたことで、多少の困惑はあれど、雰囲気から喧嘩をおっ始めようという訳ではないことは分かる。
「そりゃ、今初めて出会ったしね。じいさんが一人旅は珍しいかなって。あと、ルインド王国かはこの国に移動することも。」
「確かに、カルバック共和国は発展途上な麺が多いと聞く。その分、ルインド王国へ移住する人も多いらしいと。」
より高い収入を求めてルインド王国への出稼ぎもある。
だから、里帰りの時期でないとルインド王国からいちいち、カルバック共和国へ入ることは少ない。
「私は、ラヴァーナ。人探しの旅をしてるの。よろしく。」
「フィックス・レートだ。よろしく頼む。」
そう挨拶を交わした後、俺たち二人は歩き始める。
ルインド王国からカルバック共和国へ入れば、しばらくは一本道だ。
理由は.....
「本当田舎だねぇ。」
「.....うむ。まだ、国の中心部以外は発展していない。ここら辺まで、街道が伸びていないからな。」
これから、この国は成長するのだろう。
それこそ、俺の子供の時代.....魔物が森から溢れ出てきていた時代とは全く異なる形の国になるのだろう。
「じいさんはどうしてこの国に?」
「少々、里帰りにだ.....そちらは、人探しと言っていたな。」
「うん。といっても、これって人がいる訳じゃないんで。ガルス流の師範を探してるんです。最低でも、技巧級以上の。」
技巧級以上の剣士.....そういえば、この国、なんなら俺の故郷の近くに.....
「いるな。確か、帝王級の剣士が。」
「帝王級?!マジですか!」
「ああ。確か、名前は.....リューザンと言ったか。俺と同じ程のかなりの老齢だ。ただ、強い。」
「案内、いいですか?お願いします!」
「ああ。構わない。故郷の近くなんだ。」
思えば、俺が故郷に帰らなかったのはリューザンが付近の魔物を一掃してくれるようになったからだろう。
「.....じいさん、どうしたの?」
「いや、なんでもない。」
ただの言い訳だ。
それが例え、事実だったとしても、帰らなかったという事実もまた、変わらない。
どこか、勿体ないことをしたと思う。
今まで、帰らなかった責任は俺にある。
俺は、この故郷が多分、そこまで好きでも、嫌いでもなかったのだ。
そう考える瞬間のフィックスの顔はどこか悲しい表情をしていた。
彼の頭の中には、大丈夫。私がいるから。と声をかける少女の顔が浮かんでいた。
次回、フィックス先生のThe other sideは最終回!!!
本編へ戻ります。
感動と、驚きと、不安と混じる次回をお楽しみに!




