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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十一章:歩みを止めず

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第205話:告げられたその名は

「何でも言ってくれ。私に分かる限りは答えよう。」

「.....まず、俺、ミサール・ノイルは本名ではない。ラーファルト・エレニアと言う。」


 そう明かすが、エミルが特段驚いたと言う様な様子はない。


「ラーファルト・エレニア.....確か、カリストの街辺りで事件を起こしたな?指名手配されているはずだ。」

「.....詳しいな。」

「ああ。指名手配されてる奴は誘拐か何かをして、そいつを売ってる奴が多いからな。」


 なんか、そいつらと並べられてる指名手配犯なの嫌だな.....


「なら、ラーファルト・エレニアの素性は知ってるか?」

「いいや。それに関しては知らねぇな。詳しくは調べてないもんで。」

「ラーファルト・エレニア.....俺はジャック王国の隣国、ルインド王国の出身だ。」


 と、そう告げた段階で少しエミルは考え込み始めた。


「ルインド王国か.....確か、10年以上前にこの国と戦争をしたか?」

「ああ。した。その時の俺は宮廷魔法使いだったよ。」

「宮廷魔法使い.....ラーファルト・エレニア.....おおっ。思い出した。思い出したぞっ!」


 とエミルは少し興奮したように話し始めた。


「確か、ジャック王国内で、当時の戦争における一番の脅威になり得るなんて言われてた。史上最年少で、ルインド王国の宮廷魔法使いになった、無詠唱魔術の使い手だな。」

「.....詳しいじゃないですか。」


 さっきまで、詳しくないとか言ってたのに.....


「すまん。普通に忘れてたわ。そうか。それで捕まった仲間を取り返しに、個人として、戦争後に乗り込んだとか?」

「.....勘がいいですね。それで、俺は指名手配されました。」

「この国は、こういう姑息な部分があるからな。国民としては何も害がないから言わねえが、そりゃ他国から見れば厄介だろうな。」


 この国の問題点としては、そういう他国の人権や尊厳を踏み躙る行為が、軍の中で浸透しているような部分だろう。


 ただ、軍の中でバースはそこに嫌気がさして、こっちの味方になってくれたんだっけか.....


「そこで俺に質問に来たってことは奴隷についてだろうな。その戦争で連れ去られた家族を探している?どうだ?正解か?」

「はぁ.....ほんとに、勘はいいですね。」

「ああ。昔からなんだ。それで、その時期の奴隷か.....エレニアって苗字の奴隷の名前は聞いたことねぇな.....」


 ま、この国には膨大な数の奴隷がいるだろうし、それは仕方ないだろう。


「何か、その時期の奴隷が多い家なんて無いですか?」

「うーん.....10年前だろ.....その頃に奴隷を沢山買ったクソ野郎がいたんだよなぁ.....誰だったか.....」


 どうやら、心当たりはあるようだ。


「ああ。思い出した。」

「それは.....どこの、誰ですか?」


 告げられたその名前は、食い気味に聞く、ラーファルトを黙らせた。


「魔神聖だ。」


 その名は、ラーファルトのトラウマの象徴。


 かつての、旅の仲間。ジェット・ノイルを殺した者の名前だった。

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