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14浪生転生記~異世界にいる今、自由を求める~  作者: フィッシュスター
第十一章:歩みを止めず

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第203話:一対一

「ここは?」

「この街の役場さ.....で、エミルさんはここの奴隷撲滅課にいる。」

「ちなみに、その奴隷撲滅課って誰が作ったんですか.....??」


 俺の人生において全く聞いことのない単語だ。


「もちろん、エミルさんだ。」


 ですよねぇ.....


「あの、エミルさんと一緒に活動している人はいないんですか?」


 と、サナが久しぶりに会話に入ってきて質問をした。


「ああ.....実はいないんだよな.....エミルさんは強いからいいんだけど、並の人じゃ、返り討ちに遭うだけだからってことだ。」


 それぐらい、弱い人ではないと.....


「よし、それじゃ、入るぞ。」


 とトコトコと男は入っていく。それに俺たち三人もついていった。



 ーーー



「エミルさんに会わせたいやつがいるんだ。至急。」

「出来ません。正式な手続きの元、時間を合わせて、後日お越しください。」

「そんな硬いこと言わずに.....ミサール・ノイルってお姉さん知ってるだろ?頼むよ〜。」

「.....い、如何なる人であろうと要望には答えられません。それも、この街の人でないのなら尚更.....!!」


 いや、少し揺れてるな。


 って言っても、そんな簡単にルールを破らせる訳にもいかないし.....


「ほうっ。ミサール・ノイル。私の部屋にに来ることを許可しよう。」

「えっ。」


 と後ろからした声に驚く。


 気配がしなかった。


 ここまで骨のありそうな相手は久しぶりだな。


 それこそ、ミア以来なんて感じだろうか。


 ミアは戦った時、強かった。


 その時のミルと少なくとも、同等の強さはあるだろう。


「し、しかし.....」

「構わん。責任は俺が取る。」


 おお、かっけぇ。


「わ、分かりました。」

「うむ。着いて来い。」


 と歩き出す。言動がいかにもリーダーという感じで素晴らしい。


 素晴らしいんだけど.....


「.....あまり強そうには見えないわね。」

「剣士としての筋肉はあるけど、ひょろいおじさんという感じに見えるね.....」


 エミルに聞こえないようにそうしてサナと会話する。


「ここだ。入ってくれ。」

「失礼します.....」


『攻撃です。』


 《ディスクリート》


 キィンという音が鳴る。


「ほぉ.....やはり、腕は立つ様だな。」

「ま、一応、ミサール・ノイルだから。」

「無詠唱魔術に攻撃されても崩さないその冷静さ。その恵まれた能力を用いて、奴隷たちを解放してきたという訳か。」


 今の攻撃には殺意がしっかり籠っていた。


 自分に殺される様な相手では、ミサール・ノイルではないとでも言うかの様な殺意だ。


「今の攻撃は失礼ながら、ミサール・ノイル本人か試すための様なものだ。」

「ええ。私は全然構いません。」

「そうか。ならば、もう一戦、お願い出来ますかな?」

「.....構わないけど、なんで?」

「今度は俺の腕試しと言う様なものだ。」


 途端に、そいつは空気を変え、狩人の目を俺に向けてきた。


 この威圧.....静かに攻撃するミアとは正反対だな。



 同時に右手に握る剣の先端を左手で舐めるように滑らせれば、その動きに呼応する様に俺の周囲が包まれる。


 《真聖剣道》


 これは.....世界構築.....


『荒野の覇者以来の使い手です。』


 あれはもう十年以上前なのか.....こんなのがあるって忘れてたぐらいだ。


 確かこれは.....


『自身の精神世界を基礎に物理世界にもその影響をもたらす技です。この世界内では相手が超強化されます。』


「安心しろ。俺のこの技は俺と、ミサール.....二人で一騎打ちに持ち込む舞台のようなものだ。一対一が俺の得意なもんでこんな世界構築になってるだけだ。」


 そうか.....まあ、確かにこれなら建物への心配なんてないな。


 もう、言葉は要らないだろう。


 杖を持ち、ニヤッと俺は笑う。


 カチリと音を立ててエミルは剣を構え直した。


「始めよう。」


 その声と共に二人は動き始めた。

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